2/10にリリースした関ジャニ∞の楽曲「キミトミタイセカイ」を初めて聞いたときは、「えっ?」という感じだった。「大倉くんがそんな高いところを歌うの?」「横山くんと村上くん以外の歌割がよくわからない」「この高い音域のフェイクを歌っているのは、誰?」いいラブバラードなのだが、エイターとしては違和感というのが第一印象。
そこで、「キミトミタイセカイ」のレコーディングまでの格闘を「関ジャム」で見る。
<関ジャム 関ジャニ∞270日の記録 新曲レコーディングでぶつかった壁とは?>
関ジャムのゲストは、大倉くん、丸ちゃん、安くん、横山くんが通うボイストレーナーの安倉さやか先生とゴスペラーズの北山陽一さん。
今までの関ジャニの楽曲の音域は、ラ~ラだったが、今回はラ~ド。安くんや丸ちゃんは高い音域が出るが、関ジャニ∞用の曲サイズに喉を調整していた。今回はボーカル面での新たなチャレンジ。練習の時点で全く歌えてなかった。しかし、コロナ禍でリリースがずれて、昨年の3月から一年間(実際は270日)練習できた。
安倉 今回は大倉さんもただならぬ気合で。本当に毎日毎日練習していましたし。自分のやりたいことに対して真摯に向き合う人なのだなと思いました。
大倉 一人一人問題点と悩みがある。それぞれがチャレンジ。前の5人じゃ歌えない楽曲じゃないかと思う。
CDは、プリプロダクション(仮録音)→レコーディング→トラックダウン→マスタリング→発売となる。今回は大倉くんの要望で安倉先生もボーカルディレクターとして参加。「キミトミタイセカイ」を作詞作曲したBACK-ONのヴォーカルKENJI03(倖田來未さんの旦那さま)も参加することに。
●2020.11.20 プリプロ 大倉くん
下ハモを歌うことが多い大倉くんが、サビのスゴイ音程の高いところ、サビのトップラインを一人で歌う。大倉くんの課題は「高音のサビ」大倉くんの声は声の分類ではプル(かなりの高音まで地声で出す)だが、高音がうまくできない。高音をファルセットで出すことをKENJI03から提案される。大倉くんの強いファルセットに驚くKENJI03さん。高音トレーニングの結果、強いファルセットが出るようになっていた。強いファルセットを活かして再挑戦。
何回もトライする大倉くんの姿に高橋さんが「今のでもう何とか行けません?ってならへんの?」と言う。すると「昔、ボク何回か言うたことあります」と答える横山くん。
北山 楽器としては、僕、多分、大倉さんと似ているのですけど、(ベースボーカルで高いところを歌ったことがない)そこからやってきた身でいうとたぶん同じ道で何にぶつかって、どこに課題があるか、何となく想像がつくんですけど。それだけに1年でここまできたという衝撃に今やられている。こんなに変われるものなのか。明らかに歌との距離がだいぶ違っているというか、自分の人生そのものの方に歌をもってきて歌っていらっしゃるなと聞こえてきた。本当に感動しているし、自分もがんばろうという気になってたし。
大倉 (北山さんの話を聞いて)やってて良かった。びっくりしたのが、34年間位 間違って歌ってきていた。歌という概念が全く違うから新しい楽器に変わったみたいな感覚なんですよね。まだ、歌いこなせない。まだまだです。
「かっこええなあ」と言う古田さんに「あんな親戚のおっちゃん、ほしいな」と横山くん。
●2020.11.20 プリプロ 安くん
メインボーカルとして安定したイメージだが、安くんの歌を聞いて議論が始まる。安倉先生は「ちょっと今揉みます」村上くんは、「安でも議論あるんだ」と驚いた表情。明るい印象の安くんの声がネックになっている模様。「届かない想い、せつない想いの歌詞に対し高音が明るいイメージなってしまう」のが課題。しかし、この日では解決しなかった。
●2020.11.27 レコーディング 安くん
課題はクリアできたようだが、「時」の「と」が「た」に聞こえると何度も練習。安倉先生とKENJI03さんが細かく発声を指導する。
北山 すごいなと思ったのは、今まで与えられてきた役割をちゃんと音にするための歌唱法で歌った結果、それじゃ違うと言われたわけじゃないですか。いきなり全否定ですよ。それに対して「ちょっと揉みます」と言われたときに受け止めたんですよ。その後、ものすごいポジティブな姿勢でレコーディングに向かい続けたじゃないですか。結果、当日にはちゃんとしたものを持ってきた。普通に見ると普通に感じるかもしれないですけど、普通にできることではないと僕は思う。
古田 ポジティブなのがよい
安倉 それが彼の人間性
安田 これが直したいポイントやったんです。声質が軽いっていうのが自分の中で実感として、歌ってて ずっとあって。けど、その直し方を知らないし。こういうレッスンをしてもらって、ちょっとずつ曲に何回も家であわせてやったりすると、こうなるのか、太くなってきた、しゃべり声に近いなとかていう感じにたどりついていった感じ
北山 あれができたということは、きっと次の引き出しがある。もっと引き出しがいっぱいあるだろうなと気付いたと思うんですよ。そこがおもしろくなると自分でいっぱい開けたくなってくると思うので。(この先が)楽しみでしょうがない
●2020.11.20 プリプロ 丸ちゃん
高い音域まで出て、安くんと共にメインボーカルを担うことも多い丸ちゃん。課題は、「かっこよくするために少しだけ前のめりに歌うサビのリズム」歌唱はズレるがリズムはズレない練習をずっとやっていた。
いいのだが、大倉くんのテイクを聞いて「あ-、(自分の声が)強すぎるのか」→すぐに理解する丸ちゃんはスゴイ!サビを掛け合いで歌う大倉くんの声や歌詞の世界観に合わせニュアンスを修正。「色のない世界なのでせつなさ・悲しさを」「セクシーに」という注文にがんばるが、OKが取れず。課題は「声のニュアンス」
●2020.11.26 レコーディング 丸ちゃん
理想の声を求め20テイク以上。
丸山 (ボイトレの)実感はありますよね。すごい楽に出る、声が。明らかに自分としても変化があったな。
●2020.11.20 プリプロ 唯一ボイトレに参加していない村上くん。→忙しいものね。
村上くんの声を聞いた安倉先生は「しゃべる声のままで」 しかし、「違うんだよな、声が。村上くんの声じゃない」と録音ブースに入り、村上くんに手を胸の上部にあて、響いていることを確認させる。「振動のくる感じが村上くんの声」と言われ「えっ!」と驚く村上くん。
安倉 パーソナリティが伝わらないと言うか。歌声のスイッチが入ちゃっている
村上 だって歌やもん・・・→この言い方がかわいかった
安倉先生の違和感は「歌声としゃべり声がかけ離れている」
安倉 音楽が流れるといつもと違う村上くんが出てくる。歌手・村上信五が出てくる。
村上 それ、知らん。知らん自分やわ。
「村上くんはよく体が響く声」と言う安倉先生に「なんやて!?え~」と村上くん。
●2020.11.27 レコーディング 村上くん
きちんとできて「オレ、まだ伸びるのか・・・」と村上くんが言う。
北山 皆さん、ともかく歌を触り続けるという熱意のすごさに結構やられています。あのトレーニングをするということは(リズムトレーニングで膝を叩きつつ歌う丸ちゃんの映像)元がどれくらいのリズム感だったのかなとわかるわけです。こうしないと(膝を叩かないと)リズムの説明がつかなかった人がこの短期間でブースの中で普通に歌ってあのリズム感で歌えているというのは、ものすごいこと。誰かにやらされていたら、こんなにできない。
古田 みんな、自分が歌った後、反省すんねんな
村上 一回歌って、録って、聞いたら「なんかちゃうな、ちゃうな」の連続
北山 村上さんを見てちょっと泣きそうになった・・・。「歌ってごらん」と言われたときに誰しも歌うための仮面をつける人が多い。ずっと歌手として職業としてやっていたから、「自分の声で歌って」となった時に、自分を取り戻した瞬間というか歌手としての自分が生まれた瞬間を僕らは見れた。その瞬間、みんなわかったと思うのですけど、突然説得力が増したじゃないですか。僕は、ものすごく感動していて、人ひとりの歌手の誕生に立ち会ったみたいな。
めっちゃ、嬉しそうな村上くんの表情!
●2020.11.20 プリプロ 横山くん
自分のことを知るのが怖くて、ボイトレ回で声の分析をメンバーの中で唯一拒否した横山くん。これまで歌で自分を出してこなかったが、2020年3月から安くんに誘われ、ボイトレに通い始める。横のスケジュールを調べ、先生の前で次回の横のレッスンを押さえる安くんに断れない横山くん。2番のBメロを「もう一回」「もう一回」と何度も粘る。それを見ていた村上くんは「千本ノックやな」と思わずつぶやく。課題は「ファルセットと地声の行き来」ファルセットの練習のためKING GNUの「白日」で猛特訓。メンバーは、楽屋でよく歌っていたのはお気に入りだからではなく、課題曲と初めて知った模様。
横山 多分僕のことを知らない方は「普通やろ」と聞かれると思うんですけど、僕、スゴイ歌が苦手だったんで、その割には僕でもちょっと上手くなったかなと思います。先生に言われたことを一生懸命やるしかやってないです。
安倉 ご本人は「僕はそんなに音楽は・・・」とずっと言ってたんですけど音楽に向き合う時ってここが一番必要だったんです。(と拳で心臓を叩く)表現力、目に見えない感情のやりとりをやってきてるんですよ。それがどうも音楽と結びつかないもんだから、「僕は音楽は・・・」ってなってるだけだと思うんですよね。
北山 言い方、厳しく聞こえるかもしれないですけど、多分、まだちょっと歌手としては生まれてないかもしれないんですよ。どういうことかと言うと単純に千本ノックやっているというよりは、自分がやりたい音楽をやるならこういうことをやりたい、歌うならこういう歌を歌いたいというのが自分の中ですごい高いところにあって、もしくは普通のところにあるんだけど、それに比べて今の自分が音楽的にできることとのギャップに苦しんでいるんだと思うんです。これは今どこにあっても、たとえ自分のやりたいことが今できなかったとしても、オレはやりたいことが伝えたいことがある、だから歌うととストンと落ちたときに歌手として生まれ変わると思ってて。
今は、単純に血豆ができても「振ってろ」と言われて千本ノックしてるという感じだと思うので、苦しいと思う。この苦しみを超えた先に喜びが待っていると僕は信じていますし、関ジャニという5人体制になったグループがどこに行くかっていうのは、横山さんにかかっていると思います。彼がどこまで歌を触り続けて、どこまで心折れずにバットを振り続けるかということで、このボーカルグループがどこに行くかが決まっていくと思いました。
横山 ぶっちゃけると北山さんがおっしゃった通りで。あの、やっぱり、みんな歌上手いんですよ。で、僕が歌うより皆が歌った方がいいとずっと思っていたんですよ。だから、僕はいいから、皆やってくれと。で、やっぱり、僕が歌うってなったら、それなりのものを見せないとグループに迷惑がかかるって思うわけなんですよ。だから、先生にいわれることを一生懸命やるしかないから、そこを目指して。言われることわからんけど、先生、信じるしかないから。もう、やるしかない!という。
北山 僕、ゴスペラーズに入った時、二十歳で、歌ったことがなかったんです。(北山さんは、1994年のデビュー直前、村上てつやさんの誘いで加入。加入時、歌の経験はほぼゼロ。ベースだけでなく、テナーとしてリードボーカルとして歌ったことがなかった。)リーダーが「それじゃいかん」「お前も歌手として独り立ちしろ」と言われて、グループとして活動ながら7年かかったんですね。テナーボーカルとして採用してもらえるまで。でも、やっぱり7年かかって、食い込んだ後、見えてる世界が全く違っていて。まあ、既に見えてる世界が違うじゃないですか。
横山 すごいわかった、いろんなことが。まだわかってないと思うで、もちろん。
古田 横にだけは言っておきたい。「やればできる!」→ティモンディ???でも、横ならば絶対やりとげると思う!
●トラックダウン 複数のチャンネルに分けて多重収録されたデータを混ぜ合わせ一つの曲にまとめていく
大倉くんも同席し、ラジカセ、スマホなどさまざまなツールの音の聞こえ方を確認していく。詰めの作業まで大倉くんが立ち会うのは初めて。
丸山 音楽を専門にされてる方はこういうことは当たり前にされてるみたいですが、僕らは十何年やって初めてのことなんで、どういう結果になるかは楽しみ
村上 オレの知らんことを先生が全部知ってくれるから。オレ全部ゆだねてるから。
安田 その分の先生のプライベート時間はなかった→ここに気付く安くんは偉い! 9ヶ月で(ボイトレ)何回行ったんやろ
横山 安くんのおかげでボイトレにも来れたし、大倉も「ボイトレ行ってくれてありがとう」みたいに感謝の言葉ももらったり。グループのためやし。関ジャニ∞が関ジャムのおかげで歌に真摯に向き合っていることで、僕も絶対やらなという意味でやってますから。(ソルフェージュドリルに取り組んでいる横山くんの映像)
大倉 (プリプロでも全員に立ち会い、最初から最後まで携わってできた楽曲について)よかった。感慨深いものがあります。届くのが楽しみです。
「キミトミタイセカイ」の楽曲が流れる
横山 オレら解散するんですか!?
村上 僕たちは、まだまだ活動しますから(とカメラ目線でガッツポーズ)
北山 グループとしてはずっと長くやってこられて、あれなんですけど、ボーカルグループの音になっていたし、仲間が増えた喜びというんですか・・・
古田 お前ら、やるな!
大倉 0からやってみようかと全員で1年でこの曲ができるようになったということは、これからもっと楽しい音楽を届けられるじゃないかと。自分たちの可能性をあきらめずにやれたのもあるし、もっと期待してもらえるようなグループになっていけるんじゃないかなと。歌うのが次ものすごくハードル高くなってるから、あったかい目で見ていただいて。
村上 また次、アホみたいなコミックソングにしようや
関ジャムは神回だった。CDの特典と比べても、安倉先生はきちんと顔も出しているし、変化の前後も映し出しているし。何よりも、北山さんの解説が、わかりやすくてよかった!上から目線ではなくフラットに見てくださって、愛を感じた。横山くんのもやもやとかを北山さんがきちんと言語化して分析。北山さん、スゴイ。
木曜日のCDTVでは、大倉くんの声が不安定だった気がする。しかし、金曜日のMステでは、持ち直す。ただ、丸ちゃんの高音が少しはずれていたような。でも、自らをさらけ、もがく姿や無様の姿を見せるのが関ジャニ。そこから、努力してどんどん進化していく姿は私たちに勇気を与えてくれる。プロ意識が低いと言われるかもしれないが、等身大の姿は私たちに希望を与えてくれる。これからもどんどんと変化していくだろう関ジャニ∞、頑張れ1
余談だが、私は小学生の時、選ばれて合唱団に入っていた。その時、先生が、「あんたら、優しく歌うのが上手いけど、なんか違うねん」と言っていた。「?」と思っていたが、歌と言う仮面をかぶって本来の下町っ子の元気さが出ていないことに違和感があったのだろう。関ジャムを見て初めて理解した。また、私自身は歌と言うのは裏声で歌うものと誤解していた。地声で私らしく歌えばよかったのね。歌うのが楽しくなりそう。
そこで、「キミトミタイセカイ」のレコーディングまでの格闘を「関ジャム」で見る。
<関ジャム 関ジャニ∞270日の記録 新曲レコーディングでぶつかった壁とは?>
関ジャムのゲストは、大倉くん、丸ちゃん、安くん、横山くんが通うボイストレーナーの安倉さやか先生とゴスペラーズの北山陽一さん。
今までの関ジャニの楽曲の音域は、ラ~ラだったが、今回はラ~ド。安くんや丸ちゃんは高い音域が出るが、関ジャニ∞用の曲サイズに喉を調整していた。今回はボーカル面での新たなチャレンジ。練習の時点で全く歌えてなかった。しかし、コロナ禍でリリースがずれて、昨年の3月から一年間(実際は270日)練習できた。
安倉 今回は大倉さんもただならぬ気合で。本当に毎日毎日練習していましたし。自分のやりたいことに対して真摯に向き合う人なのだなと思いました。
大倉 一人一人問題点と悩みがある。それぞれがチャレンジ。前の5人じゃ歌えない楽曲じゃないかと思う。
CDは、プリプロダクション(仮録音)→レコーディング→トラックダウン→マスタリング→発売となる。今回は大倉くんの要望で安倉先生もボーカルディレクターとして参加。「キミトミタイセカイ」を作詞作曲したBACK-ONのヴォーカルKENJI03(倖田來未さんの旦那さま)も参加することに。
●2020.11.20 プリプロ 大倉くん
下ハモを歌うことが多い大倉くんが、サビのスゴイ音程の高いところ、サビのトップラインを一人で歌う。大倉くんの課題は「高音のサビ」大倉くんの声は声の分類ではプル(かなりの高音まで地声で出す)だが、高音がうまくできない。高音をファルセットで出すことをKENJI03から提案される。大倉くんの強いファルセットに驚くKENJI03さん。高音トレーニングの結果、強いファルセットが出るようになっていた。強いファルセットを活かして再挑戦。
何回もトライする大倉くんの姿に高橋さんが「今のでもう何とか行けません?ってならへんの?」と言う。すると「昔、ボク何回か言うたことあります」と答える横山くん。
北山 楽器としては、僕、多分、大倉さんと似ているのですけど、(ベースボーカルで高いところを歌ったことがない)そこからやってきた身でいうとたぶん同じ道で何にぶつかって、どこに課題があるか、何となく想像がつくんですけど。それだけに1年でここまできたという衝撃に今やられている。こんなに変われるものなのか。明らかに歌との距離がだいぶ違っているというか、自分の人生そのものの方に歌をもってきて歌っていらっしゃるなと聞こえてきた。本当に感動しているし、自分もがんばろうという気になってたし。
大倉 (北山さんの話を聞いて)やってて良かった。びっくりしたのが、34年間位 間違って歌ってきていた。歌という概念が全く違うから新しい楽器に変わったみたいな感覚なんですよね。まだ、歌いこなせない。まだまだです。
「かっこええなあ」と言う古田さんに「あんな親戚のおっちゃん、ほしいな」と横山くん。
●2020.11.20 プリプロ 安くん
メインボーカルとして安定したイメージだが、安くんの歌を聞いて議論が始まる。安倉先生は「ちょっと今揉みます」村上くんは、「安でも議論あるんだ」と驚いた表情。明るい印象の安くんの声がネックになっている模様。「届かない想い、せつない想いの歌詞に対し高音が明るいイメージなってしまう」のが課題。しかし、この日では解決しなかった。
●2020.11.27 レコーディング 安くん
課題はクリアできたようだが、「時」の「と」が「た」に聞こえると何度も練習。安倉先生とKENJI03さんが細かく発声を指導する。
北山 すごいなと思ったのは、今まで与えられてきた役割をちゃんと音にするための歌唱法で歌った結果、それじゃ違うと言われたわけじゃないですか。いきなり全否定ですよ。それに対して「ちょっと揉みます」と言われたときに受け止めたんですよ。その後、ものすごいポジティブな姿勢でレコーディングに向かい続けたじゃないですか。結果、当日にはちゃんとしたものを持ってきた。普通に見ると普通に感じるかもしれないですけど、普通にできることではないと僕は思う。
古田 ポジティブなのがよい
安倉 それが彼の人間性
安田 これが直したいポイントやったんです。声質が軽いっていうのが自分の中で実感として、歌ってて ずっとあって。けど、その直し方を知らないし。こういうレッスンをしてもらって、ちょっとずつ曲に何回も家であわせてやったりすると、こうなるのか、太くなってきた、しゃべり声に近いなとかていう感じにたどりついていった感じ
北山 あれができたということは、きっと次の引き出しがある。もっと引き出しがいっぱいあるだろうなと気付いたと思うんですよ。そこがおもしろくなると自分でいっぱい開けたくなってくると思うので。(この先が)楽しみでしょうがない
●2020.11.20 プリプロ 丸ちゃん
高い音域まで出て、安くんと共にメインボーカルを担うことも多い丸ちゃん。課題は、「かっこよくするために少しだけ前のめりに歌うサビのリズム」歌唱はズレるがリズムはズレない練習をずっとやっていた。
いいのだが、大倉くんのテイクを聞いて「あ-、(自分の声が)強すぎるのか」→すぐに理解する丸ちゃんはスゴイ!サビを掛け合いで歌う大倉くんの声や歌詞の世界観に合わせニュアンスを修正。「色のない世界なのでせつなさ・悲しさを」「セクシーに」という注文にがんばるが、OKが取れず。課題は「声のニュアンス」
●2020.11.26 レコーディング 丸ちゃん
理想の声を求め20テイク以上。
丸山 (ボイトレの)実感はありますよね。すごい楽に出る、声が。明らかに自分としても変化があったな。
●2020.11.20 プリプロ 唯一ボイトレに参加していない村上くん。→忙しいものね。
村上くんの声を聞いた安倉先生は「しゃべる声のままで」 しかし、「違うんだよな、声が。村上くんの声じゃない」と録音ブースに入り、村上くんに手を胸の上部にあて、響いていることを確認させる。「振動のくる感じが村上くんの声」と言われ「えっ!」と驚く村上くん。
安倉 パーソナリティが伝わらないと言うか。歌声のスイッチが入ちゃっている
村上 だって歌やもん・・・→この言い方がかわいかった
安倉先生の違和感は「歌声としゃべり声がかけ離れている」
安倉 音楽が流れるといつもと違う村上くんが出てくる。歌手・村上信五が出てくる。
村上 それ、知らん。知らん自分やわ。
「村上くんはよく体が響く声」と言う安倉先生に「なんやて!?え~」と村上くん。
●2020.11.27 レコーディング 村上くん
きちんとできて「オレ、まだ伸びるのか・・・」と村上くんが言う。
北山 皆さん、ともかく歌を触り続けるという熱意のすごさに結構やられています。あのトレーニングをするということは(リズムトレーニングで膝を叩きつつ歌う丸ちゃんの映像)元がどれくらいのリズム感だったのかなとわかるわけです。こうしないと(膝を叩かないと)リズムの説明がつかなかった人がこの短期間でブースの中で普通に歌ってあのリズム感で歌えているというのは、ものすごいこと。誰かにやらされていたら、こんなにできない。
古田 みんな、自分が歌った後、反省すんねんな
村上 一回歌って、録って、聞いたら「なんかちゃうな、ちゃうな」の連続
北山 村上さんを見てちょっと泣きそうになった・・・。「歌ってごらん」と言われたときに誰しも歌うための仮面をつける人が多い。ずっと歌手として職業としてやっていたから、「自分の声で歌って」となった時に、自分を取り戻した瞬間というか歌手としての自分が生まれた瞬間を僕らは見れた。その瞬間、みんなわかったと思うのですけど、突然説得力が増したじゃないですか。僕は、ものすごく感動していて、人ひとりの歌手の誕生に立ち会ったみたいな。
めっちゃ、嬉しそうな村上くんの表情!
●2020.11.20 プリプロ 横山くん
自分のことを知るのが怖くて、ボイトレ回で声の分析をメンバーの中で唯一拒否した横山くん。これまで歌で自分を出してこなかったが、2020年3月から安くんに誘われ、ボイトレに通い始める。横のスケジュールを調べ、先生の前で次回の横のレッスンを押さえる安くんに断れない横山くん。2番のBメロを「もう一回」「もう一回」と何度も粘る。それを見ていた村上くんは「千本ノックやな」と思わずつぶやく。課題は「ファルセットと地声の行き来」ファルセットの練習のためKING GNUの「白日」で猛特訓。メンバーは、楽屋でよく歌っていたのはお気に入りだからではなく、課題曲と初めて知った模様。
横山 多分僕のことを知らない方は「普通やろ」と聞かれると思うんですけど、僕、スゴイ歌が苦手だったんで、その割には僕でもちょっと上手くなったかなと思います。先生に言われたことを一生懸命やるしかやってないです。
安倉 ご本人は「僕はそんなに音楽は・・・」とずっと言ってたんですけど音楽に向き合う時ってここが一番必要だったんです。(と拳で心臓を叩く)表現力、目に見えない感情のやりとりをやってきてるんですよ。それがどうも音楽と結びつかないもんだから、「僕は音楽は・・・」ってなってるだけだと思うんですよね。
北山 言い方、厳しく聞こえるかもしれないですけど、多分、まだちょっと歌手としては生まれてないかもしれないんですよ。どういうことかと言うと単純に千本ノックやっているというよりは、自分がやりたい音楽をやるならこういうことをやりたい、歌うならこういう歌を歌いたいというのが自分の中ですごい高いところにあって、もしくは普通のところにあるんだけど、それに比べて今の自分が音楽的にできることとのギャップに苦しんでいるんだと思うんです。これは今どこにあっても、たとえ自分のやりたいことが今できなかったとしても、オレはやりたいことが伝えたいことがある、だから歌うととストンと落ちたときに歌手として生まれ変わると思ってて。
今は、単純に血豆ができても「振ってろ」と言われて千本ノックしてるという感じだと思うので、苦しいと思う。この苦しみを超えた先に喜びが待っていると僕は信じていますし、関ジャニという5人体制になったグループがどこに行くかっていうのは、横山さんにかかっていると思います。彼がどこまで歌を触り続けて、どこまで心折れずにバットを振り続けるかということで、このボーカルグループがどこに行くかが決まっていくと思いました。
横山 ぶっちゃけると北山さんがおっしゃった通りで。あの、やっぱり、みんな歌上手いんですよ。で、僕が歌うより皆が歌った方がいいとずっと思っていたんですよ。だから、僕はいいから、皆やってくれと。で、やっぱり、僕が歌うってなったら、それなりのものを見せないとグループに迷惑がかかるって思うわけなんですよ。だから、先生にいわれることを一生懸命やるしかないから、そこを目指して。言われることわからんけど、先生、信じるしかないから。もう、やるしかない!という。
北山 僕、ゴスペラーズに入った時、二十歳で、歌ったことがなかったんです。(北山さんは、1994年のデビュー直前、村上てつやさんの誘いで加入。加入時、歌の経験はほぼゼロ。ベースだけでなく、テナーとしてリードボーカルとして歌ったことがなかった。)リーダーが「それじゃいかん」「お前も歌手として独り立ちしろ」と言われて、グループとして活動ながら7年かかったんですね。テナーボーカルとして採用してもらえるまで。でも、やっぱり7年かかって、食い込んだ後、見えてる世界が全く違っていて。まあ、既に見えてる世界が違うじゃないですか。
横山 すごいわかった、いろんなことが。まだわかってないと思うで、もちろん。
古田 横にだけは言っておきたい。「やればできる!」→ティモンディ???でも、横ならば絶対やりとげると思う!
●トラックダウン 複数のチャンネルに分けて多重収録されたデータを混ぜ合わせ一つの曲にまとめていく
大倉くんも同席し、ラジカセ、スマホなどさまざまなツールの音の聞こえ方を確認していく。詰めの作業まで大倉くんが立ち会うのは初めて。
丸山 音楽を専門にされてる方はこういうことは当たり前にされてるみたいですが、僕らは十何年やって初めてのことなんで、どういう結果になるかは楽しみ
村上 オレの知らんことを先生が全部知ってくれるから。オレ全部ゆだねてるから。
安田 その分の先生のプライベート時間はなかった→ここに気付く安くんは偉い! 9ヶ月で(ボイトレ)何回行ったんやろ
横山 安くんのおかげでボイトレにも来れたし、大倉も「ボイトレ行ってくれてありがとう」みたいに感謝の言葉ももらったり。グループのためやし。関ジャニ∞が関ジャムのおかげで歌に真摯に向き合っていることで、僕も絶対やらなという意味でやってますから。(ソルフェージュドリルに取り組んでいる横山くんの映像)
大倉 (プリプロでも全員に立ち会い、最初から最後まで携わってできた楽曲について)よかった。感慨深いものがあります。届くのが楽しみです。
「キミトミタイセカイ」の楽曲が流れる
横山 オレら解散するんですか!?
村上 僕たちは、まだまだ活動しますから(とカメラ目線でガッツポーズ)
北山 グループとしてはずっと長くやってこられて、あれなんですけど、ボーカルグループの音になっていたし、仲間が増えた喜びというんですか・・・
古田 お前ら、やるな!
大倉 0からやってみようかと全員で1年でこの曲ができるようになったということは、これからもっと楽しい音楽を届けられるじゃないかと。自分たちの可能性をあきらめずにやれたのもあるし、もっと期待してもらえるようなグループになっていけるんじゃないかなと。歌うのが次ものすごくハードル高くなってるから、あったかい目で見ていただいて。
村上 また次、アホみたいなコミックソングにしようや
関ジャムは神回だった。CDの特典と比べても、安倉先生はきちんと顔も出しているし、変化の前後も映し出しているし。何よりも、北山さんの解説が、わかりやすくてよかった!上から目線ではなくフラットに見てくださって、愛を感じた。横山くんのもやもやとかを北山さんがきちんと言語化して分析。北山さん、スゴイ。
木曜日のCDTVでは、大倉くんの声が不安定だった気がする。しかし、金曜日のMステでは、持ち直す。ただ、丸ちゃんの高音が少しはずれていたような。でも、自らをさらけ、もがく姿や無様の姿を見せるのが関ジャニ。そこから、努力してどんどん進化していく姿は私たちに勇気を与えてくれる。プロ意識が低いと言われるかもしれないが、等身大の姿は私たちに希望を与えてくれる。これからもどんどんと変化していくだろう関ジャニ∞、頑張れ1
余談だが、私は小学生の時、選ばれて合唱団に入っていた。その時、先生が、「あんたら、優しく歌うのが上手いけど、なんか違うねん」と言っていた。「?」と思っていたが、歌と言う仮面をかぶって本来の下町っ子の元気さが出ていないことに違和感があったのだろう。関ジャムを見て初めて理解した。また、私自身は歌と言うのは裏声で歌うものと誤解していた。地声で私らしく歌えばよかったのね。歌うのが楽しくなりそう。