『銀河鉄道の父』

　「絶対零度」の横山くん。Ｔシャツ姿でクラブに潜入捜査。その横山くんのＴシャツの後ろ姿が素敵だった。広い背中。盛り上がった背中や肩の筋肉。男らしくて本当に素敵だった。

『銀河鉄道の父』　門井慶喜　講談社
　宮沢賢治の生家は祖父の代から富裕な質屋であり、長男である彼は本来なら家を継ぐ立場だが、賢治は学問の道を進み、後には教師や技師として地元に貢献しながら、創作に情熱を注ぎ続けた。地元の名士であり、熱心な浄土真宗信者でもあった賢治の父・政次郎は、このユニークな息子をいかに育て上げたのか。父の信念とは異なる信仰への目覚めや最愛の妹トシとの死別など、紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を、父・政次郎の視点から描く
　直木賞受賞作。賢治の父・政次郎のあふれる父性。しかし、それは、明治の家長である建前の自分とせめぎあうもの。それでも、子への愛情に負けて、振り回されるさまが なんとも可愛らしく、おかしい。