戦後民主主義のなかに生まれ育ち、しかし年齢を重ねた今、戦後民主主義が消し去られようという時代に際会しているように思う。
『世界』12月号で、寺島実郎はこう記している。
日本は今、戦後民主主義を熟考・定着させる正念場に差し掛かっている。我々は深呼吸し、国権主義吹き荒れる中で表層的には旗色の悪い「リベラルの価値」を踏み固めねばならない。(41頁)
今日、書庫の中である本をさがしていた。吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)である。しかし見つからなかった。今日昼頃、漫画化されたその本が届いたので、漫画と原著の両方を読もうと思ったのだ。
そしたら、『山川菊栄評論集』(岩波文庫)を見つけた。彼女は理知的・論理的にものを考える人である。山川の本は、『おんな二代の記』などを読んでいるが、ほかに野枝との論争に関するものは最近読んだばかりだ。
読みはじめたら、なかなか面白い。
来年も、某所で歴史講座を頼まれているが、来年は「明治150年」の策動に対峙する内容に取り組もうと思っている。山川は1890年生まれ。その山川は、明治という時代について、戦争直後にこう書いている。
明治の亡霊よ。迷い出るな、静かに眠れ。
まさに山川にとっても、明治は否定されるべき時代であったのだ。
明治が「復権」されてはならない。明治を否定する思想家などを、来年はとりあげようと思う。
苦しい時代を生きた人々の生から、教訓を得なければならない時代になってきた。
一昨年は福沢諭吉、中江兆民、田中正造、大杉栄、今年は幸徳秋水、伊藤野枝を話した。来年は、植木枝盛、石川啄木、山川菊栄、吉野作造かな。彼らの生き方から、学ぶものは多いと思う。ただし福沢は反面教師。
『世界』12月号で、寺島実郎はこう記している。
日本は今、戦後民主主義を熟考・定着させる正念場に差し掛かっている。我々は深呼吸し、国権主義吹き荒れる中で表層的には旗色の悪い「リベラルの価値」を踏み固めねばならない。(41頁)
今日、書庫の中である本をさがしていた。吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』(岩波文庫)である。しかし見つからなかった。今日昼頃、漫画化されたその本が届いたので、漫画と原著の両方を読もうと思ったのだ。
そしたら、『山川菊栄評論集』(岩波文庫)を見つけた。彼女は理知的・論理的にものを考える人である。山川の本は、『おんな二代の記』などを読んでいるが、ほかに野枝との論争に関するものは最近読んだばかりだ。
読みはじめたら、なかなか面白い。
来年も、某所で歴史講座を頼まれているが、来年は「明治150年」の策動に対峙する内容に取り組もうと思っている。山川は1890年生まれ。その山川は、明治という時代について、戦争直後にこう書いている。
明治の亡霊よ。迷い出るな、静かに眠れ。
まさに山川にとっても、明治は否定されるべき時代であったのだ。
明治が「復権」されてはならない。明治を否定する思想家などを、来年はとりあげようと思う。
苦しい時代を生きた人々の生から、教訓を得なければならない時代になってきた。
一昨年は福沢諭吉、中江兆民、田中正造、大杉栄、今年は幸徳秋水、伊藤野枝を話した。来年は、植木枝盛、石川啄木、山川菊栄、吉野作造かな。彼らの生き方から、学ぶものは多いと思う。ただし福沢は反面教師。