私の仕事の一つに、「横浜事件と海野晋吉」を解説するというものがある。
海野晋吉は、静岡出身の弁護士、戦時下に、神奈川県の特高警察にでっちあげられた治安維持法事件の弁護を行った。海野は、有名な事件を数多く引きうけている。戦時下には冤罪や治安維持法関連の事件を担当する弁護士の多くが拘束されたりして、こうした事件を担当する弁護士がいなくなっていた。そのなかで残っていた数少ないリベラルな弁護士が、海野であった。
その海野を顕彰しようという動きが始まっていて、私もそこに参加するようになったのである。
今から10年ほど前にも、海野晋吉没後40年の顕彰事業があり、私もそれに加わっていたことから、今回も声がかかってきたのである。
実を言うと、横浜事件にはそんなに詳しくないので、関連する本を購入して読み進めているのであるが、この本は実際に逮捕拷問された畑中氏が、大日本帝国時代の出版に関わる治安立法、その取締りの経過、そして事件について記しているもので、事件の全体像を把握するには最適な本だ。
今朝から読み始めて、今読み終えた。本には付箋だらけだ。
日本の今、治安維持法に匹敵するという共謀罪法が成立し、今また過去と同じような時代へと動き始めているからこそ、その過去をきちんと知ることは必要である。
政治権力は、独裁的な政治へと向かうとき、まっさきに表現の自由を奪う。真実を知らさない、真実を報じさせない、真実を探らせない、真実を伝えさせない・・・・というように。
横浜事件で逮捕され、拷問を受け、起訴された経験をもった人々、その多くは出版社の編集者や学者、新聞記者などであった。ある意味で知的な仕事に就いていた人々であるが、そういう人々にも、まったく砂上の楼閣、「共産党再建」という空想にもとづいて、特高警察の魔の手が伸びてきたのである。
そのなかで殺された人もいた。
大日本帝国が、どれほどの暴力的な国家であったかを、きちんと認識することが求められている。それを理解するためには、とてもよい本だ。
海野晋吉は、静岡出身の弁護士、戦時下に、神奈川県の特高警察にでっちあげられた治安維持法事件の弁護を行った。海野は、有名な事件を数多く引きうけている。戦時下には冤罪や治安維持法関連の事件を担当する弁護士の多くが拘束されたりして、こうした事件を担当する弁護士がいなくなっていた。そのなかで残っていた数少ないリベラルな弁護士が、海野であった。
その海野を顕彰しようという動きが始まっていて、私もそこに参加するようになったのである。
今から10年ほど前にも、海野晋吉没後40年の顕彰事業があり、私もそれに加わっていたことから、今回も声がかかってきたのである。
実を言うと、横浜事件にはそんなに詳しくないので、関連する本を購入して読み進めているのであるが、この本は実際に逮捕拷問された畑中氏が、大日本帝国時代の出版に関わる治安立法、その取締りの経過、そして事件について記しているもので、事件の全体像を把握するには最適な本だ。
今朝から読み始めて、今読み終えた。本には付箋だらけだ。
日本の今、治安維持法に匹敵するという共謀罪法が成立し、今また過去と同じような時代へと動き始めているからこそ、その過去をきちんと知ることは必要である。
政治権力は、独裁的な政治へと向かうとき、まっさきに表現の自由を奪う。真実を知らさない、真実を報じさせない、真実を探らせない、真実を伝えさせない・・・・というように。
横浜事件で逮捕され、拷問を受け、起訴された経験をもった人々、その多くは出版社の編集者や学者、新聞記者などであった。ある意味で知的な仕事に就いていた人々であるが、そういう人々にも、まったく砂上の楼閣、「共産党再建」という空想にもとづいて、特高警察の魔の手が伸びてきたのである。
そのなかで殺された人もいた。
大日本帝国が、どれほどの暴力的な国家であったかを、きちんと認識することが求められている。それを理解するためには、とてもよい本だ。