しょぼい毎日

いつも理想はでっかいが、結果はしょぼい・・・。そんな日常を綴ってみました

7月の関東紀行(3) 埼玉さすらい編

2009-07-29 23:55:18 | 旅行記

7月19日(日)

「朝五時に起きて、久喜で上り寝台列車を狙うんだ」と前夜K池氏に宣言したものの、翌朝目覚めたのが6時30分。K池氏のマンションのある東武五反野駅から、今すぐ出発しても精々大宮より少し東の <ヒガハス>程度までしかいけません。それでも限界まで数を減らしたブルトレ撮影の機会を逃すつもりはありません。<チャンスは、最大限生かす>とシャア大佐も言っていました。

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時折、大粒の雨がぱらつく、あいにくの天気ですが有名お立ち台付近は、前回訪問以上の人の数・・・・。線路からもっとも離れたエリアで待ちかまえます。隣に陣取った方は、私と同じくカメラ手持ちでスタンバイされています。お話してみると神戸から出張の合間を利用しての撮影とのこと。氏が言うには、「明日の<あけぼの>は茶ガマの予定なのでぜひ撮影に行くべきです。この運用のあとしばらく運用を離脱するそうですよ。熊谷駅の南方向、徒歩20分程に良いポイントがあるので検討してみては?」と興味をそそる情報を教えてくれました。

<チャンスは、最大限生かす>とまたも、シャア大佐の言葉が頭に浮かびます。しかし、今夜は高崎のビジネスホテルを予約しています。選択肢としては上り一番列車。すなわち高崎4:37発、急行<能登>で熊谷に移動する事が可能です。がその場合4時起床が前提条件となります。

そんな事を考えているとカシオペアがゆっくりと目の前を通過して行きます。ほんの少し時間をおいて今度は<北斗星>が機関車牽引列車と思えない高速で目の前を駆け抜けていきました。

前回のヒガハス訪問→http://blog.goo.ne.jp/hally583/d/20070608

次の目的地は熊谷。これから秩父鉄道一日乗車券を購入して、旧国鉄101系電車を改造した1000系電車を撮影するつもりです。現在1000系電車はファンサービス?として標準色の他に、国鉄時代のスカイブルー、オレンジ、イエロー、ウグイスの4色とむかしの秩父鉄道色の5色の特別塗装編成が走っています。最近、旧東急電車を投入し始めたので、バラエティーに富む現在の状況は、あまり長続きしそうにありません。そういうわけで、消えゆく国鉄タイプを見に来ました。

今日1日で何色の電車を撮影出来る事でしょうか?

Img_0997 標準色の1000系電車に乗り秩父方面に向かいます。長瀞駅でパレオエクスプレスを追い抜きます。本日はSLが不調とのことでELが代走しています。先ほど追い抜いたパレオエクスプレスを撮影するため、次の上長瀞で下車します。パレオエクスプレスを撮影した直後、上長瀞で交換したスカイブルー1000系がやって来ました。

←ELがピンチヒッターのパレオエクスプレス

後ろで写真を撮っていた人がELを見て唸っていました。知らなかったんだろうな・・・。

Img_1010 ←まずは、スカイブルー編成をゲット!

せっかく上長瀞で降りたので、駅から近い有名撮影地荒川鉄橋に向かいます。が、この地に来てみてびっくり・・・。広い河原の半分はキャンパーの車で埋め尽くされています。残りの河原のいたる場所でたくさんの家族連れや若者達がバーベキューをしています。あたりは肉が焼ける良い匂いと炭火の紫の煙が立ちこめています。煙と人々を避けて撮影ポジションを探します。ようやく、静かな(少しだけ)高台を見つけて、列車の鉄橋通過を待ちます。やがてお目当ての国鉄塗色電車がやって来ました。

Img_1022 ←まずオレンジ編成を

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←国鉄色ではありませんが、懐かしの旧秩父塗色

静かだった、このポイントにも、ビーチバレーをしにキャンパーが進出してきました。彼らが、バレーボールでジャンプするたび、私のスタンバイしているカメラの画面に入ってきます。これ以上の長居は無理だと判断して、このポイントからImg_1046引き上げます。

上長瀞駅まできて驚きました。目の前を貨物列車が武川方 向に下っていきます。今まで、貨物列車に出会わなかったので、この三連休中は貨物は運転中止と勝手に思いこんでいました。貨物の時刻を調べてこなかった事が悔やまれます。熊谷方向の電車に乗り込みますが、次の長瀞駅で先ほど目撃した貨物列車を追い抜いてしまいました。これは、チャンス!

<チャンスは、最大限生かす>

とお経のように唱えてみます・・・・。

樋口駅で下車し、先刻目星を付けていたポイントに先回りして、貨物列車を待ち受けます。

Img_1076 何とか撮影出来た鉱石列車。

少しだけ、元気が出てきます。

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←元東急8500系7000系電車

今後更に勢力を増やして1000系電車を駆逐していく見込み。

樋口駅前のお蕎麦屋さんで胡桃そばを注文。美味でした。ビールも一緒に頂きたかったのですが、これから後の撮影を考え、我慢します。足腰がふらついては良い写真Img_1095は撮れない事はもちろん、危険でもありますから。蕎麦屋さんの窓の外では鉱石列車がゆっくり通過していきます。貨物列車の時刻が分からないので、あらかじめポイントで待ち受ける事が出来ません。蕎麦をすすりながら、悔しい思いで列車を見送ります。蕎麦屋を出て先ほど貨物列車を撮影したポイントに戻ります。が、先ほどまで、相当な頻度で運転されていた電車が、半時間ほど来ません。時刻表(電車の時刻表は持参)通りなら3本は通過しているはずなのに?

何か、起きている!

そう思い始めた矢先、黄色いスクーターに乗った男性が、線路際にいる私の側に近づいて来ました。肩に三脚を掛けているので、同業者さんの様です。言い辛そうに「電車は、先ほどから止まっていますよ。上長瀞の踏切で自動車と電車がぶつかったみたいで、復旧には時間がかかりそうですよ・・・・。現在は寄居で折り返しをしているみたいです。」衝撃的な事実を伝えて、スクーターの同業者は去っていきました。

そうと分かれば長居は無用!もし復旧が翌日にでもなろうモノならば、明日の予定はめちゃくちゃになります。一刻も早くここから電車の動いている寄居に出ねばと思い、国道でタクシーを拾おうとしますが、このような状況下では空車を捕まえるのは至難の業です。結局、先ほどの蕎麦屋さんに戻り、電話でタクシーを呼んでもらいました。

樋口駅前から寄居駅まで3320円かかりました。とは言えこれで埼玉県の一隅に閉じこめられる事は回避出来ました。寄居にさえ出られたなら、秩父鉄道の他にJRや東武東上線があり東京・群馬方向へも抜けられます。高い出費ですがこれも危機管理のためのコストと割り切れば安いモノと思いこむ事にします。が、

秩父鉄道は当分動かないと信じていたのですが、改札口で駅員が間もなく動くと乗客に説明しています。ダイヤは無茶苦茶でしたがしばらくして秩父方面から電車がやって来ます。結果的には樋口駅で待っていても良かったと言う事なのでしょうが、気を利かせたのが裏目に出たと言おうか、けど大人の判断としては、タクシーでの脱出は間違いでない様な・・・・・。でもちょっと間が抜けた様な、気が抜けたような感じがします・・・・。ここで、緊張が解けたのか、ホームの自販機でビールを買い、一気に飲み干します・・・・。

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昨日のビールはこの上なく美味しく感じたのですが、今日の一番搾りはこの上なく苦く感じました・・・・。

←ビールを飲み干すとやって来たオレンジ編成。画面が傾いているのは、酔いが廻ったせい?

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←武川で旧秩父鉄道色、熊谷でイエローを撮影。残りのウグイスは、車庫でお昼寝中でした。コンプリートならず!残念・・・・

※踏切事故を教えてくれた、スクーターの同業者さんには感謝しています。もし、彼が状況を知らせていなかったら、ずっと同じ場所で来ない列車を待ち続けていたでしょうから。