多摩平和イベント実行委員会

多摩の市民グループが「戦後60年」を契機に地域の視点から、「戦後」「平和」「民主主義」を考える

おめでとう。60年還暦の日本国憲法。私たちは憲法を誇りに思っています。

2007-05-04 01:32:32 | 憲法
 一昔前だったら、赤いちゃんちゃんこを着せたんでしょうね。日本国憲法にはお似合いかもしれません。しかし、残念なことに、ゴールデンウィークの連続休暇の陰に隠れ、5月3日が何の日なのか、特に記憶にない方も多いのではないでしょうか。本来、憲法の大切さ、重要性を説かなければならない立場の方々の中に、日本国憲法に敬意を払わない方が多くなってきたのではないでしょうか。
 憲法99条には、公務員、政治家は、憲法を遵守しなければならない、という遵守義務が明記されています。国民投票法に関する国会の論議で摩訶不思議なのは、安倍首相が「憲法改正」を参議院選挙の争点としたい、と発言し、そのことを誰も不思議に思わないことです。憲法を改正する際に必要な手続きを定めた国民投票法案が必要としても、何のために、手続き法案を策定するのか、改定する必要がある、との立場からしか、手続きを整備したい、との発想は出てこないでしょう。
 昨年、結党60年を迎えた自民党は、改憲案を公表しましたが、杉浦正憲・憲法調査会座長は「読売新聞試案で、例えば基本的人権の由来・特質は基本的人権のところへ入れたらどうかとか、あるいは前文に入れたらどうかとか、公務員の遵守義務なんかは前文に書いたほうがいいのではないかと、要するにことさらにこういうことを改めて書いたのはいかにも占領憲法的な色彩が強い。お説教されてるような感じがする。公務員の憲法遵守義務は当たり前であって、わざわざ書くことがどうかと思う」と発言しています。 当たり前にしては、憲法を邪魔者のように扱ってきた政党と政治家は、どなただったのでしょうか。
 憲法は他の法律とは違います。政府の圧力や国家権力に人々の権利が蹂躙されないための、いわば国民の側の盾でもあるのです。
 時代に合わないから、実態に合わないから、といって、簡単に変えていい、というものではありません。国家による戦争によって、国民が、他国の人々も含め、再び惨禍を繰り返さない、という強い決意を込めて制定されたものであり、この精神は、絶対、変えてはならないものだと思います。
 憲法を改正するという手続きがどうしても明文化される必要があるというのであれば、国民にとって改正へのハードルは高ければ高いほどいいはずです。権力にある者が権力にとって都合よく解釈するために改憲したい、という理屈は、私たち市民はよく分かっています。改憲するに必要な最低投票率や得票率の明記もない、手続き法案は、国民を愚弄している、と言って間違いありません。
 日の丸・君が代への忠誠心を入学式・卒業式に、あそこまで厳しく求めるのであれば、憲法への遵守義務も強く求めたいと思います。愛国心を試したいというのであれば、崇高な憲法の理念を踏みにじっていい、という論理は成り立ちません。
 軽々しく憲法改正を口にする政治家は、憲法への遵守義務を欠いた政治家として、厳しく処分されてしかるべきでしょう。
 
 戦争放棄をうたい、平和と人権を尊ぶ、日本国憲法はまさに日本の宝です。この最高の商品価値を持つ、日本国として、堂々と世界のマーケットで通用する、常に新鮮な、価格のつけようのない、まっこと優れた商品なのです。
 
 

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