わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【また飲もう】 ~朝日新聞天声人語に福島県飯舘村の鴫原さんが~

2016年03月11日 | 泰阜村のソコヂカラ
今日は言わずとしれた東日本大震災の日。

14時46分、黙祷した。


その後、福島からメールが届いた。

福島県飯舘村の長泥区長である鴫原良友さんである。



被災児童を山賊キャンプに招待する支援活動で、知り合ってから4年になる。

最初に会った時は「NPOは嫌いだ。自分たちの自己満足のために福島に来るだけだろう」と凄まれた。

同時に「おめえ、こんなんであきらめたらなんねえど」とニヤリと激励された。

以来、4年、ことあるごとに福島まで足を運んで顔を会わせている。

今の飯舘村の状況を伝えてもらうために、私の立教大学の授業にもゲストスピークに毎年来てもらっている。


そんな鴫原さんが、3月11日の朝日新聞「天声人語」に紹介されている。







 春は満開のサクラ、夏は闇を彩るホタルの群舞。四季の美しい光景が次々あらわれる。しかし、それらの写真に人は写っていない。ページをめくると、餌の根茎を求めて土地を掘り返すイノシシや、牛舎に侵入するサルが登場する。人が消えた集落の今である。

▼福島県飯舘村の南端に位置する長泥地区。福島第一原発が吐き出す大量の放射性物質を浴び、村で唯一の帰還困難区域に指定された。地区の役員や協力者の写真家、社会学者らが今月、この5年の記録として『もどれない故郷ながどろ』という本を刊行した。

▼水素爆発直後、危険情報は地区の人々に知らされなかった。防護服の男たちが線量を測りに来ているにもかかわらず。「なぜもっと早く避難させてくれなかったのか」という怒りが、今も人びとの心にくすぶる。

▼74世帯、281人は散り散りになった。年に1回の懇親会には100人ほどが集まるが、いつまで結束を保てるか。今のうちに本を作っておこう。区長の鴫原良友さん(65)はそう思ったと語る。

◆あの日以前の写真も多く収録した。花見や盆踊り、老人会の催し。「じいちゃん、ばあちゃんの姿を子や孫に伝えたい」と鴫原さん。多くの聞き書きでたどった地区の歴史も子孫に手渡される。

▼原発被災地の痛切な記録だ。地区を超えて広く読まれればいい。次世代を気遣う鴫原さんの言葉が本にある。「地球を滅ぼすために原発やってんだか、処分場でもできないうちになんでやんだかって、あの精神が俺はわかんない」




▼一緒に飲むときは必ず肩もみをする




鴫原さんとやりとりしたメールは「また飲もう」というとりとめもない内容だ。

一緒に飲める仲になった今、できることはやはり福島に足を運び、顔を会わせることだ。

6年もまた福島へ。


代表 辻だいち


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