わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

知らないということを知る

2013年03月14日 | 東日本の教育団体支援・協働
福島県鮫川村。

今日3月14日。

ホワイトデーとうかれるこの日に、鮫川村ではたいへんなことが起きています。

今日は起きていることへの評価はせず、起きている事実をそのまま伝えた方がいいでしょう。

2月6日の中日新聞の記事を見てください。

http://www.asyura2.com/13/genpatu30/msg/152.html


そして今日3月14日、鮫川村在住の私たちの盟友「進士徹」さんのブログです。

見てください。

http://abukma.seesaa.net/article/347132467.html


私たちは知らない。

東北で何が起きているのかを。

私たちは知らされていない。

東北の人々の葛藤を。

まずは知りましょう。


代表 辻だいち


宮城の佐々木さん登場!

2012年12月11日 | 東日本の教育団体支援・協働
毎週東京に5時間かけて立教大学で「自然と人間の共生」の授業をしています。

非常勤です。

前期・後期ともですので、われながらよく1年通ってるなあと思います。

今回は「東日本大震災から学ぶこと」と題して、宮城県からゲストスピーカーをおよびしました。


くりこま高原自然学校の佐々木豊志さんです。

彼はまず、2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震で被災しました。

彼の住む栗原市耕英地区では、駒の湯温泉で7人の命が山津波(土石流)によって奪われました。

耕英地区の住民は、自衛隊のヘリで強制的に山を下され避難生活。

佐々木さんは、耕英地区が崩壊しないように、ボランティアセンターを立ち上げ、全国からの想いを集めました。

そしてようやく避難解除が出て、元の生活を取り戻そうとした矢先に、東日本大震災です。

佐々木さんはすぐに事業をすべて停止して、津波で壊滅的な被害を受けた沿岸地区の支援に奔走しました。

2008年の地震で助けてもらった恩返しもある、ということでした。

全国の自然学校、アウトドア関係者を集めて、RQ市民災害救援センターを立ち上げ、現地本部長として獅子奮迅のごとく活躍しました。

私たちNPOグリーンウッドも、RQに泰阜村の人々の想いを満載した軽ワゴンを提供しました。


岩手・宮城内陸地震で被災し、全国の支援を受けた佐々木さんが、今度は東日本大震災で支える側になりました。

佐々木さんも東日本大震災でも被災しているにも関わらず。

そして、さらに全国の支援が集まり、沿岸地区は一歩を踏み出そうとしています。

この「支え合い」の連鎖。

その底力を、佐々木さんは学生さんに話してくれました。

そして、佐々木さんが今後展開するアグレッシブな様々な取り組みについても。

東北の風土に鍛えられ、東北の暮らしに裏打ちされた佐々木さんの不屈の精神、学生さんに届いたでしょうか。

佐々木さんは、全国6か所のこども交流事業の宮城県実行委員でもあります。

「支援」が「支縁」となって豊かに紡がれ始めています。

地域を超え、時を越え、「お互い様・支え合い」でつながっていく全国の小さな地域。

このような柔軟な動きが、日本を変えていくのだと強く思います。

佐々木さん、ありがとうございました。

代表 辻だいち


春雷とともに

2012年04月17日 | 東日本の教育団体支援・協働
東京で、大学の授業を終え、福島県に来ています。

大學の話はまた後ほどにしたいと思います。

福島県鮫川村。

今夜はこの村に投宿です。

東北は、午後から夕方にかけて、雷雨だったそうです。

鮫川村では、突風と共に、雹(ひょう)が降ったとか。

雹が降ったころは新幹線の車中でしたが、元来雨男と言われる私もびっくりです(笑)。


この村を拠点に活動する「NPO法人あぶくまエヌエスネット」。

理事長の進士さん、そして三瓶さんと、一献傾けながら、福島の現状、福島のこどもたちの未来などなどについて、ゆっくり語り合いました。

鮫川村は線量は低いものの、村の畜産牛には、草を食べさせてはいけなくなったそうです。

除染後処理物の仮置き場の問題で、村内もごたごたがあったそうです。

目に入る鮫川村の風景は、3.11以前と何も変わりません。

でも、国策のしわ寄せが、この小さな村にも及んでいることを、心が感じます。


下を向いてもしょうがありません。

進士さんには私が今日から非常勤を務める立教大の授業にゲストスピーカーで来てもらうことになりました。

福島の思いの丈を学生に伝えてほしいと思います。

そして、鮫川村のこどもたちを、昨年に引き続き、信州こども山賊キャンプに招待します。

泰阜村のこどもたちと鮫川村のこどもたちの交流も計画中です。


前を向こう。

私たちから鮫川村の人びとに言える言葉ではありません。

私たちが、福島の人びとを支える時に、私たちが自分たちに言う言葉です。

さきほど揺れました。

被災地は、まだまだ被災地です。


代表 辻だいち


盟友

2012年02月05日 | 東日本の教育団体支援・協働
いわき市で、山賊キャンプにこどもを送り出してくれた保護者の方々とお茶会をした後、いわき市から車で小1時間の鮫川村に向かいました。

目的地と宿は、福島県鮫川村の「NPO法人あぶくまエヌエスネット」。

理事長の進士徹さんと、奥さんの由美子さん、そして名物地元人三瓶稔さんが快く迎えてくださいました。

彼らとは、地域の風土を大切にした体験教育の視点で、10年来の盟友です。

進士さんたちは、福島県あぶくま高原の豊かな風土を舞台に、良質の農的体験活動を展開してきました。

長い歴史のうえに築き上げられてきた鮫川村の暮らし、そしてそこに根ざした進士さんたちの血のにじむ活動。

あの地震は、それらをすべて吹き飛ばした。

4月上旬、私は進士さんの地を訪ねて、進士さんのこれから、福島のこれから、日本のこれからを語り合った。

その後、進士さんは福島のこどもを守るために「ふくしまキッズプロジェクト」を立ち上げて東奔西走。

私もかげながらその動きを応援し続けてきました。

あれからもう11ヶ月がたとうとしています。

福島の小さな鮫川村と、信州の小さな泰阜村が支えあいを通じて豊かに縁を紡ぎ始めています。

その縁が、全国の小さな地域に広がり、世界に広がっていく。

そして村のこども同志の交換留学などの教育、自然エネルギー推進などにつながっていく。

エネルギー、教育、平和・・・、これからの時代にどうしても避けて通れないことについて、真正面から取り組もうと、今回熱く語り合いました。


▼あきらめない進士さん(右)は元気です





鮫川村教育委員会にも挨拶させていただきました。

いつものごとく矢吹主査が、明るい笑顔で待っていてくれました。

鮫川村のこどもたちを山賊キャンプに招待するだけではなく、進士さんたちとも協働して、鮫川村のこどもたちと泰阜村のこどもたちが交流していこうじゃないかと、ここでも熱く語り合いました。

小中学校の頭がやわらかいときにこそ、全国の他の地域のこどもと交流する。

1年間は難しくとも、1週間でいいから交換留学をする。

その交流を通して、自分の足もとの地域を見つめる良質の視点を培えるものと想います。

福島県鮫川村のこどもたちが、NPOグリーンウッドそして泰阜村との出逢いを通して、全国に、そして世界に目を向けて行くことができれば、それが私たちの身の丈である「教育活動を通した支援」になるのだと強く想います。

震災から1年がたとうとしている今、支援=支縁はここからが本番です。


▼鮫川村の山々。ここを除染するのかと想うと途方に暮れます





代表 辻だいち

フクシマの進士さん、学生に熱く語る!

2011年07月12日 | 東日本の教育団体支援・協働
 毎週上京して立教大学の授業を受け持っています(非常勤)。

 科目名は「自然と人間の共生」です。泰阜村のように自然と真正面から向き合って暮らしてきた人々の営みや、それを土台にしたNPOグリーンウッドの教育活動を紹介しながら、今後人間と自然の関係がどうあるべきかについて考えます。

 3週間前には、泰阜村のスーパー猟師、畑野今朝登さんにゲストスピークで登壇していただきました。

 今回も、ゲストスピークです。福島県鮫川村の「NPO法人あぶくまエヌエスネット」理事長の進士徹さんです。

 進士さんとはもう10年以上の付き合いになります。泰阜村と同じような境遇の山村で、やはり山村留学や体験教育を行ってきました。
 今回の震災、特に原発事故の影響で、NPOの23年度事業を全て中止することを余儀なくされています。

 これまで自然と共に生きてきた彼が、今、何を考えているのか。どうしてもそれを学生に語ってほしくて、ゲストで呼んだのです。

▼学生に熱く語る進士さん(写真をクリックすると拡大できます)


 私は震災後に4回、福島に入りました。鮫川村にも4回。

 それまで進士さんはじめ鮫川村の皆さんは、福島で獲れた野菜を食べ、福島の水を飲み、できるだけ農薬を使わず、土と共に生きる暮らし方を営んできました。

 でも3.11でそれは180度ひっくり返ったように感じます。

 こどもや孫には福島の野菜は食べさせられない。水も飲ませられず、ミネラルウォーター。放射線に比べれば農薬なんか軽いもの、今や肉は外国産を買う・・・。

 進士さんの10数年を見てきた自分にとって、それは身の引きちぎられる思いです。

 そして、そんな状況で育つこどもは、いったいどんな成長を遂げてしまうのでしょうか。

 進士さんは実は病気を患ってらっしゃいます。でもその身を捧げて、フクシマのこどもたちの未来のために進み始めました。

 ふくしまキッズ

 フクシマのこども500人を、夏休みに北海道に送り込もうという壮大なプロジェクトです。 私たちNPOグリーンウッドも微力ながらお手伝いしています。

進士さんのブログでも紹介されていますので、ぜひアクセスください。

 毎週恒例の「1人100円プロジェクト」は、今回はNPOグリーンウッドの被災児童招待キャンプへの支援金のためではなく、進士さんの進めるふくしまキッズのために募金をお願いしました。学生さん、がんばってくれました!

 進士さんに、「自然と共に生きることが厳しい状況に追い込まれている進士さんが、自然と人間との関係性について今、学生に伝えたいことは」と聞きました。

 すると「人とのつながりをもっと持て」というお答えでした。それを熱く学生に語っていました。

 なるほど。自然と人間の関係性のあり方のキーワードは「人と人のつながり」。私の中でも、腑に落ちるお言葉でした。

 新座キャンパスと、池袋キャンパスの2コマを終え、同じく立教大学で非常勤で授業を受け持っている鹿熊勤(フリーライター)さんと、前期授業の慰労会を行いました。
 途中、日本エコツーリズムセンターの山中さんも少しだけ合流して。

▼慰労会(写真をクリックすると拡大できます)


 東北の被災した同業者を支援するのも、NPOグリーンウッドの震災支援方針の一つです。
 支援するとはおこがましいかもしれません。一緒に仕事を創っていきたいのです。

 私たちにも学びがあります。

 立場の違い、現状の違い、地域の違いを乗り越えて、「支えあい」「助け合う」ために。

代表 辻だいち