わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

魔の6分

2013年12月01日 | 支えあいの指導者育成
隔週金曜日は、地元の飯田女子短期大学で養護教諭のタマゴたちに講義です。

「養護処置」という授業で、こどもに向き合うリスクについて学びます。

すでに養護教諭実習を経験した学生に、保健室に駆け込むこどもたちの事例を聞きました。

その事例と、NPOグリーンウッドのキャンプの事例を比べます。

その後、日米の救命率から考えるリスクマネジメントについての講義とワークショップでした。日米間の救命に関する考え方や仕組みを比較しながら、どうすれば日本の救命率を上げることができるかを考えました(日本の救命率は低い!)。

大きな話に想えますが、それを考えることはそのまま、彼女たち学生さんがこれから赴任する学校や足元の地域にも応用できるため、とても真剣に取り組んでいましたよ。




救急車を呼んでから到着するまでの時間は、全国平均で約7分。

南信州の飯田下伊那地域ではこれが約8分。

山岳地域の泰阜村では、これが15分にもなってしまいます。

一方、心配停止状態すなわち脳に酸素が運ばれなくなったら、約6分で蘇生率は10%台に急落し、約10分で蘇生する可能性はほぼゼロになってしまいます。

ということは、救急車(次のレベルの人)を呼んだ後は何もできずにただ救急車が来るのを待つだけ、では人は助からない、ということです。
これを「魔の6分(7分)」と呼びます。

これを「魔の6分」にするのか「たった6分」にするかは、われわれの気持ち次第なのです。



この「魔の6分」は、何も救命の現場に限らず、日常の様々なシーンに見られるのではないでしょうか。

学生さんは、まさにそこに反応したようです。

大きなことの前に、目の前の小さなことに丁寧に向き合うこと。

支え合いの社会を創るためには、やっぱりそんな小さなことから始まるのだ、とまた感じました。

代表 辻だいち


渾身の力

2013年04月16日 | 支えあいの指導者育成
次は4月16日の話です。

この日から立教大学新座キャンパスで非常勤講師。

「自然と人間の共生」という授業を受け持ちます。

南信州泰阜村の人々が営む自然と向き合う暮らし。

そしてその暮らしの文化を土台とした私たちの教育活動。

それらを教材にして、自然と人間のあるべき関係性を考えます。

名古屋短期大学の授業で同じですね。


▼立教大学新座キャンパス





でも違うのは学生の人数。

前期の授業の学生は200人くらいかな~。

なんでも履修は抽選だったらしく、この授業をとりたくて来てる学生が多いことに驚きです。

私も少しは青年教育に役立つ授業をしてるのですかね?(笑)


▼最近の学生は、私が学生の頃と違って、ほんとにまじめですね~(笑)




この授業でも東日本大震災のことを扱います。

ゲストスピークには、原発事故で全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村の自治会長さんをお呼びする予定です。

そんな話を聞ける学生はラッキーですね。

私も、泰阜村とNPOグリーンウッドが地道に2年間続けてきた震災支援について、渾身の力を込めて話をします。

泰阜村の「支え合い・おた互い様」の文化が産み出す豊かな縁。

それを丁寧に紡いできた市井の人々の尊く強い想い。

きっと私でしか伝えることができない授業、私を支える泰阜村の文化があればこそ伝えることができる授業もあるのだと思います。


東日本大震災発生の翌月から始まったこの授業。

今年で3年目です。

伝えます、次の世代に。


代表 辻だいち


さあ、どうなるでしょうか

2013年04月11日 | 支えあいの指導者育成
次は4月11日の話です。

この日は東日本大震災から2年と1ヶ月の日です。

地震が起こったその時間、私は名古屋から泰阜村に戻る車中でした。

名古屋では、女の園にいました(笑)

今年から名古屋短期大学で非常勤講師です。

高校を出たばかりの1年生対象に、「自然と生活」という授業を受け持ちます。

南信州泰阜村の人々が営む自然と向き合う暮らし。

そしてその暮らしの文化を土台とした私たち(NPOグリーンウッド)の教育活動。

それらを教材にして、自然と人間のあるべき関係性を考えます。

▼名古屋短期大学




この授業では、東日本大震災のことも扱います。

名古屋の女子大生と一緒に、東北を想います。

自然と向き合う生活を考えます。

さあ、どうなるでしょうか。


代表 辻だいち


浅間山のふもとで

2013年01月25日 | 支えあいの指導者育成
浅間山の山麓に、自然体験やアウトドア、エコツーリズムで生計を立てるプロの経営者たちが、全国から集まりました。

安藤百福記念自然体験指導者養成センター。

チキンラーメンの父安藤百福さんが、自然体験活動の推進のために作った国唯一の施設です。

この施設で1泊2日缶詰で、アウトドアや自然体験、エコツーリズムをビジネス化する可能性について、そしてそもそも私たちの社会的役割は何なんだ?と、あ~でもない、こ~でもないと議論しました。

この業界(そもそも業界とも言えない? 笑)は、ビジネスとして喰っていけるのか?と問われれば確かに心もとない。

でも、なんとかスタッフを雇用して、仕事として取り組んでいる団体もあります。

私たちNPOグリーンウッドはその一つでしょう。

▼浅間山がことのほかきれいだった




ビジネスとして成立すれば一番いいのですが、同じくらいに大切なことは社会的役割をきちんと見据えて活動できてるかどうかでしょう。

私たちは自然の生態系や、自然の仕組みをこどもたちに伝える事だけではありません。

むしろ、自然と人間が調和する社会の仕組みを提案する役割を持っているのだと思います。

小さな山村や、傷ついた被災地、そして社会的課題の多い都市部にも、十分提案できる底力を持っているのだと思います。

東日本大震災に際して、私は次の事を強く思い、東北のこどもたちを信州こども山賊キャンプに招待しています。

自然との接触が失われつつある福島のこどもたちに、もう一度、自然の素晴らしさを伝えたい。

仲間と離ればなれを余儀なくされた東北のこどもたちに、もう一度、仲間と力をあわせる素晴らしさを伝えたい。

そして全国のこどもたちに、どんなに過酷な状況に陥っても、周囲の人たちと協調をとりつつ生き抜くための「支え合いの気持ち」を培ってほしい。



経営者が集まって議論する中身は、けっしてビジネス化だけではありません。

この日本社会をどうしていくのかの、グランドデザインを描く作業なのだと、強く思いました。

しかし、この業界の人たちは、夜が強い!

酒を酌み交わしながら、語り明かす時間は、とても気持ちの良い時間でした。

▼重鎮たちに囲まれてなかなかたいへん(笑)




これからも数回集まるようです。

がんばります。


代表 辻だいち


希望ある授業を

2013年01月23日 | 支えあいの指導者育成
今年1年、毎週毎週、東京に通い続けました。

立教大学「自然と人間の共生」の授業を非常勤で受け持ちました。

前期は新座キャンパスで270人。

後期は池袋キャンパスで300人。

1月22日火曜日は後期最終授業。

最後のまとめとして、南信州泰阜村で20年生き抜いてきた私の個人的な生き様についても紹介しました。

ちょっとこっ恥ずかしい(笑)

授業の最後に、前期授業の感想などをリアクションペーパーに記してもらったのですが、学生さん、ちゃんと考えていますね~。

自然と人間の関係性がどうあるべきかを「考える」のがこの授業の目標です。

その達成のための教材として、泰阜村での自然と向き合う人々の暮らしや、その暮らしを土台にした教育活動を紹介してきました。


一方的に学生に伝える授業ではなく、学生自身が考える授業を目指してきました。

「この講義を受けてみて良かったです。考えてみてください、とおっしゃっていました。新しい見方をを、とも。・・・これからもうっともち続けていきたいなと、より考え、見えるようになりたいと思いました」

「先生の授業は講義形式なのですが、とても楽しく、毎週の授業が楽しみでした」



偏った視点でものごとを見つめるのではなく、多様な視点持とうと呼び掛けました。

「この授業では、新しい考え方を学んだり、発見したりでき、とても充実した授業でした。ゲストスピーカーの方々のお話も勉強になりました」

「違う視点で同じことを見てみると全く異なった事実が見えてくる、という今までの既定概念を崩す体験をたくさんさせていただいた」

「今回の授業で学んだことを忘れず、1つの物事に対して多くの見方、考え方ができる柔軟な大人になりたいなあと思います」



感動したコメントはこれです。

「先生が本当に楽しそうに泰阜村のことをしゃべるこの時間が好きでした。きっと本当に、村や子どもが好きなんだなと思ったし、村の可能性を感じてるのだと思いました。きっと自分はこれから泰阜村に関わることは無いのかもしれないけれど、胸をはっていえます。希望ある授業をありがとうございました」


そう、学生に希望を与えられたとしたら冥利につきます。

希望を胸にした学生はみな、東北への想いも綴っていました。

迸(ほとばし)る若い感性と力。

みなぎる若い希望。

それらが今後の世の中を創ります。

その想いがもっと東北にも届きますように。

彼らが希望を持って、未来を生きることができますように。

信州から祈っています。



それにつけても、泰阜から大学まで片道4~5時間。

たいへんでした。

通い続けた自分に、お疲れ様!とも言いたいです。

われながらタフだな~。

身体が資本、健康が一番ですね! インフルエンザが流行っています。

皆さんも気をつけてください~


代表 辻だいち