わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

スーパー猟師参上!

2012年05月29日 | 日々雑感
私が非常勤で受け持っている立教大学新座キャンパス「自然と人間の共生」の授業。

今日は泰阜村が誇るスーパー猟師:ケサトさんゲストスピークでした。

泰阜村からはるばる5時間半。

講師控室ならぬ「猟師」控室(笑)ではじっとしてられない彼は、学生と共に木陰で一服。

山でイノシシと対峙することにひるまない彼も、250人の学生さんと対峙する時間が迫ると、やっぱりちょっと緊張しているのでした(笑)。


▼木陰で一服。木の下では、学生よりも似合う(笑)




トレードマークである黄色いツナギを身に纏い、これぞ「自然のカタマリ!」とも言うべきケサトさん。

学生さんの期待を良い意味で裏切る温かな口調と笑顔。

最奥の集落に生まれ育った生い立ち、趣味、自然と向き合う作法、そして獣害に立ち向かう今を、訥々と学生さんに話してくれました。

シカの角(実物)を実際に手に触ったのは初めてという学生が大勢。

100kg以上のイノシシを仕留める罠の実演を目の当たりにした学生。

これまで「猟師=殺す」のイメージが強かった学生も、リアリティを持って山村が直面する現実に向き合えたようです。

この授業の目標を達成するうえで、たいへん重要な1コマになりました。


▼罠の実演には、学生も釘づけ





話の最後に、質問に答えていただきました。

ひとつ目は、「震災を経て、ケサトさんが考える自然と人間の共生とは?」

ケサトさんの答えは「自然に無理な力をかけると、いつか元にに戻ろうとする。人間はそれをわかっていないといけない」


もう一つの質問は(質問ではないのですが)「最後に、学生さんに一言!」。

ケサトさんは「NPOグリーンウッドの26年前は村の人からなかなか理解されない日々だった。それでも、辻さんたちの目標を持って努力する姿を応援し続けた。今、どうなっているかはご存じのとおり。若者諸君にも、目標を持って人生を過ごすことを期待したいです」と応えました。


国道も走らず、信号もなく、コンビニもない泰阜村。

その厳しい自然と共存して生き抜いてきた人が語る言葉。

その言葉に、「自然」や「山村」、「暮らし」ということがなかなかイメージできない学生が、しっかり反応しました。

きっと、学生さんたちも、自然と向き合って生きてきた山村や、東北に想いを巡らせてくれることでしょう。

きっと学生さんはわかってくれました。

自然に真摯に向き合う人々は、きっと人々にも真摯に向き合う人なのだということを。

泰阜村の教育力が、また発揮された1日でした。


▼学生さんの質問に、丁寧に答えるケサトさん






それにつけても、ツナギを着たままま街を闊歩し、「いろんなファッションの人がいるが、ツナギを来ている人はおらんな~。しかもこの色だし。わはは」と山手線の車内で周りを見渡して豪快に笑うケサトさん。

やっぱりスーパー猟師なのです(笑)


代表 辻だいち

つなぐ

2012年05月28日 | 日々雑感
先週末の土曜日。

泰阜村の駅伝大会がありました。

人口1900人を切った村なのに、村内から28チームもエントリーです。

どこまで走るのが好きな長野県民、いや泰阜村民なのでしょうか。

私は「少年野球保護者会」チームで出走。

私は本年度保護者会長なので問答無用で第1区でした(笑)。

期待に応えたいところですが、運動不足に山岳地帯の起伏の激しいコース。

向かい風の上り坂は気が遠くなるほど身体に堪えました。

私の結果はご想像にお任せします(笑)。


長男が所属した「泰阜中テニス部A」が大会新で初V。

次男が所属した「少年野球A」が並み居る大人を退けての3位。

私の所属する保護者会チームは、長女が所属する「少年野球C(女子チーム)」にも負けての23位でした(苦笑)


駅伝を走ってみての感想ですが、ほんとにキツイ!(笑)

コースの最後は激しい登り坂で、あきらめて歩いてしまおうかと想うほどです。

でも、あきらめなかった。

なぜでしょうか。

やっぱり、襷(たすき)をつなぐ次の人が待っているからでしょう。

この襷を次の人につなぐためには、あきらめない。

そういう想いが、もたつく足を奮い立たせるのでしょうか。

自分一人のマラソンであれば、すぐにあきらめてしまったのかもしれません。

一人一人の力は小さいのかもしれない。

でも、その小さな力をあなどらず、あきらめず、信じ抜いて、支え合うことができれば、やっぱり想いはつながり、ゴールに向かって走ることができるのだと、強く想いました。


そして、関係者のチームだけではなく、すべてのチームに声援を送る村民。

ゴールに向かおうとして、小さな力が想いをつなぎ、支え合う姿を応援する。

この村にはそういう気質があるのでしょう。


自分の村だけのことを考えない。

復興に向かって想いをつないで必死に歩む被災地を、泰阜村は応援します。

そして、泰阜村と東北の小さな地域が、まさにつながっていきますように。

いつか、泰阜村から東北までつないでいく駅伝をやってみたいと想います。

賛同する方、いますか?(笑)


代表 辻だいち


今こそ外遊び

2012年05月25日 | 日々雑感
信州のど真ん中。

ワインのふるさと塩尻市で、10月に白馬で開催する「信州発アウトドア&ネイチャーフェスタ」の実行委員会がありました。

アウトドア、自然体験のメッカである信州長野県。

その面積の広さから、全県に及ぶアウトドアのネットワークを創るのがなかなか困難でした。

しかしこの10月に開催されるフェスタを機に、全県のネットワーク構築が進んでいます。

私も不肖ながら、この実行委員会の特別アドバイザーとして関わっています。

まあ、用務員のようなものですが(笑)


昨年10月から重ねてきた実行委員会。

皆、手弁当で集まっています。

ようやく、基本プログラムも固まり、広報に入れそうです。

それに伴い、実務的な課題が次々とあらわれるのですが(苦笑)。

その混沌さを、全県から集まる皆さんと楽しく乗り越えていこうと思います。


このフェスタのテーマは「今こそ外遊び」。

震災、そして原発事故で、思い切り外遊びをできなくなってしまった福島のこどもたちに、信州のアウトドアや自然体験に関わる人びとが何ができるのかを問う意味もあります。

もちろん、日本全国の人びとも。


私は、実行委員でありながら、分科会を受け持つことになりました。

福島県鮫川村を拠点に活動する「NPO法人あぶくまエヌエスネット」の進士さんと共に。

テーマは「被災児童×自然体験教育(仮)」。

内容、進め方はまだ未定ですが、私のこの1年半の動きをふりかえり、渾身の想いで伝えたいと思います。

10月、ぜひ信州白馬村に足をお運びください。


代表 辻だいち


福島行脚その2

2012年05月24日 | 震災支援:山賊キャンプ招待
福島行脚の続きです。
昼に、田村市の高速のICを降りてすぐのコンビニの駐車場。

信州こども山賊キャンプに招待するこどものお母さんたちと、初めて顔を合せました。


その後、鮫川村役場に向かい、あぶくま高原のたおやかな山々を見つめながら、車を走らせました。



鮫川村役場で、南信州泰阜村からはるばる駆けつけてくれた泰阜村の横前副村長と合流。


鮫川村副村長、総務課長、教育長と、今後の泰阜村と鮫川村の交流の可能性について会談でした。

昨年以来、丁寧にやりとりを重ねてきた教育委員会の北条課長や矢吹さんの信頼が土台にあり、会談は終始和やかに進みました。
鮫川村のこどもたちを信州こども山賊キャンプに今年も招待すること。

全国6か所のこども交流活動について鮫川村のこどもたちも参加すること。

泰阜村と鮫川村の少年野球の交流をすること。


ただのNPOだけではなかなか進まないことを、泰阜村の副村長が来てくれて進むこともあります。

そしてそれを受け入れてくれた鮫川村の皆様にも感謝。

その後、鮫川中学校を訪問し、校長・教頭と三井物産の6か所こども交流の件について、説明と協力のお願いでした。

校長も教頭も、はじめは険しい顔をしていましたが、一生懸命に話をするうちに、なんとか協力の言葉をいただくことができました。

一安心です。


鮫川村の一連の動きを水面下で支えていただいたのは、NPOあぶくまエヌエスネットの進士さんと三瓶さん。

お二人との10数年にわたる関係が、今回のこの場を実現させました。



ひとつひとつ丁寧に、顔をつきあわせて、心を込めて言葉を発する。

それをおろそかにせず誠心誠意向き合うと、やっと理解が深まり、ようやく信頼をいただけるようにもなってきていることを感じます。

きっと、ここからが支援なのでしょうね。

「長期的」「息の長い」「身の丈にあった」

これらの言葉が、試されます。


しかし、福島行脚のすべてを1日でやり遂げ、南信州まで帰るのは、なかなか疲れました。

身体が資本ですね。


代表 辻だいち


福島行脚その1

2012年05月23日 | 震災支援:山賊キャンプ招待
今日はまさに福島行脚。

まずは、昨日一献傾けた飯舘村避難宿舎を再訪。

管理人の方と情報交換をしていると、会長さんが「な~んだ、来てたのか。来ねえな~と思ってたのよ」と笑顔で部屋に入ってきました。

あらら、昨夜は「明日は俺はいねえ」って言ってたのにな~(笑)。

やっぱりお酒を飲んでいろいろと想いを話せたのがよかったのか、今日も飯舘村の人びとが直面する課題について訥々と語ってくれました。

そして、再来週、この宿舎で開催するキャンプ説明会での再会を約束して、宿舎を後にしました。



東北道、磐越道を走り、田村市に移動です。

田村市では、信州こども山賊キャンプに招待するこどものお母さんたちが、待っていてくれました。

急遽お会いすることになったため、時間が十分にとれず、高速のICを降りてすぐのコンビニの駐車場で、パンフレット片手に待っていただいたお二人と顔を合せました。

お二人とも今日、急遽お休みをとって駆けつけていただいたとのこと。

これまで電話だけだったお二人と、顔を会わせることができ、改めて想いをしっかりと伝えることができました。

お二人も、私と顔を会わせることで、ちょっぴり不安が取り除けたものと想います。

私も、お二人の顔を見て、安心しました。


その後、鮫川村役場に向かい、あぶくま高原のたおやかな山々を見つめながら、車を走らせました。



メールや電話などがどれだけ発達しても、やっぱり顔を合わせて、目を見て、声を聞いて、雰囲気を感じて、直接話すことには替えられません。

手間暇かけて東北の人びとに接する姿勢、大切にしたいと想います。

それが、豊かな縁を紡いでいくには、必要な姿勢だと信じて。


鮫川村役場に向かった後のことは、次回に。


代表 辻だいち