昨日の本ブログに書いた、故山本夏彦さんの
『完本 文語文』を読んでると、歌人藤原定家の
日記『名月記』からの有名らしい言葉に遭遇する;
「世上乱逆追討耳ニ満ツト雖モ、之ヲ注セズ。
紅旗征戎吾ガ事二非ズ」
文学は風流韻事だということを忘れすぎていると
言いたいがため、この漢文を引用している。
この言葉、ドナルドキーンさんも最初は
山本さん同様「世間の騒がしさなどには超然と
していて、歌人としての態度を表すものだろうと、
ずっと思っていた」らしい。(『百代の過客』p146)
ところが後年辞書に当たって、紅旗は皇居に掲げる
赤い旗で天子を意味し、征戎は征夷大将軍を指し、
定家は自分がどちらにも与しないという、政治的
立場を言明していることがわかったと。
だからとにかく、『名月記』の漢文は難しい、
だれか口語か英語に訳して助けて欲しいと
書いてはる。(同、p155)
☆
定家って歌が有名だからそれは和文だし字も
相当上手いんだろう、きっと。
たとえば、「詠深山紅葉和歌」という彼の手になる
書をみると、確かにわかりやすい!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/ca/deac250399cc6382eb0e3d90fe6513e2.png)
熊野懐紙「詠深山紅葉和歌」(定家自筆 建仁元年40歳の時)
詠深山紅葉和歌
こゑたてぬあらしも
ふかきこゝろあれやみやま
のもみちみゆきまちける
海辺冬月
くもりなきはまのまさこ
にきみか世のかすさへ
見ゆるふゆの月かけ
鴎外も漱石も日記は文語文だから当時の人は
みなそうだったんだろう、って思う。
ところで、この『名月記』堀田善衛さんが
40年かけて、口語訳に挑戦してたんだ。
松岡正剛さんが大推薦してて知った。
まだ買ったばかりだから、読んだら書きたい。
『完本 文語文』を読んでると、歌人藤原定家の
日記『名月記』からの有名らしい言葉に遭遇する;
「世上乱逆追討耳ニ満ツト雖モ、之ヲ注セズ。
紅旗征戎吾ガ事二非ズ」
文学は風流韻事だということを忘れすぎていると
言いたいがため、この漢文を引用している。
この言葉、ドナルドキーンさんも最初は
山本さん同様「世間の騒がしさなどには超然と
していて、歌人としての態度を表すものだろうと、
ずっと思っていた」らしい。(『百代の過客』p146)
ところが後年辞書に当たって、紅旗は皇居に掲げる
赤い旗で天子を意味し、征戎は征夷大将軍を指し、
定家は自分がどちらにも与しないという、政治的
立場を言明していることがわかったと。
だからとにかく、『名月記』の漢文は難しい、
だれか口語か英語に訳して助けて欲しいと
書いてはる。(同、p155)
☆
定家って歌が有名だからそれは和文だし字も
相当上手いんだろう、きっと。
たとえば、「詠深山紅葉和歌」という彼の手になる
書をみると、確かにわかりやすい!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/ca/deac250399cc6382eb0e3d90fe6513e2.png)
熊野懐紙「詠深山紅葉和歌」(定家自筆 建仁元年40歳の時)
詠深山紅葉和歌
こゑたてぬあらしも
ふかきこゝろあれやみやま
のもみちみゆきまちける
海辺冬月
くもりなきはまのまさこ
にきみか世のかすさへ
見ゆるふゆの月かけ
鴎外も漱石も日記は文語文だから当時の人は
みなそうだったんだろう、って思う。
ところで、この『名月記』堀田善衛さんが
40年かけて、口語訳に挑戦してたんだ。
松岡正剛さんが大推薦してて知った。
まだ買ったばかりだから、読んだら書きたい。
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