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ねがうこと、ゆだねること

西川多美子・二つの写真展・「しきしま」篇

2014-02-21 | photo
外苑前ときの忘れものの綿貫不二夫さんが西村さんの
ヴィンテージ・プリントを託されたことまで、昨日は
書いた。彼は個展開催を決めた後、六本木ZEN FOTO
GALLERY
のマーク・ピアソンさんに相談したそうだ。

「彼女のヴィンテージ・プリントを亭主が託されてい
ることを知るや、ただちに禪フォトから『しきしま』
を復刻することを提案された」こちらより抜粋。



西村さんが卒業された東京写真専門学院(現東京ビジ
ュアルアーツ)の出版部より声がかかり、1973年刊行
された『しきしま』 は幻の稀覯本。20万円くらいして
いる。

「1969~72年にかけて北海道、東北、北陸、関東、関
西、中国地方を旅しながら撮影してきた日本各地の風土
と人々の写真」から彼女が編集も行った写真集。



昨日の「憧憬」より、もうちょっと前の時代だ。比べる
と、地方であっても都会生活者が多い。被写体がより近
くて、ブレ・ボケの度合いも強いかもしれない。ネット
上の写真(Fling Booksより)ではよくわからないかも。



プリントは大きいけど、抑制された感じがあるのに対し、
写真集は強くばさっと鋭く空間を撮りきった感じがする。

復刻された写真集と副本ではないけど、あたらに選んだ
小写真集もついていて、函入り。二つの写真集を開くと
ともに西村さんのサインがある。落ち着いた筆跡には様
々な思いが込められている。