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ねがうこと、ゆだねること

岩手県の新品種りんご「紅いわて」

2014-10-13 | 農・生物
スーパーの紀伊國屋で、りんごの試食をやっていた。8種類
のりんごが切ってあったので、そそられた。順番に食べて
いくと違いがわかる。

新しい品種「紅いわて」がとても美味しかった。りんごが
出回るには、ちょっと早いから、この時期においてってこ
とだけど。



硬さがあって噛みごたえがあり、甘いけど適度な酸味があ
る。岩手のりんごは「ふじ」が主流だけど、出荷時期が遅
いので、9月下旬に成熟期を迎える優良品種の開発を行った
そうだ。



1991年に「つがる」×「プリシラ(推定)」を交雑した
種子からの実生を元に、接ぎ木を重ね、2000年に初結実
したもののなかから選抜。2009年に品種登録。

岩手県農業研究センターによる開発で約20年。そう簡単にはで
きないんやね。

出荷が始まったのが2011年というと、すごい促成栽培が可
能なのかって思うと、種から育てるのではなく、接ぎ木で
栽培するそうだ;

リンゴの品種改良が盛んに行われるのは、接ぎ木技術が
進歩しているからだそう。千葉さんも接ぎ木した翌年に
は「紅いわて」を収穫することができたといいます。

 
 IBC岩手放送の番組より。2012年10月。写真も。

なるほど。それで、いろんな品種が生まれているわけだ。
千秋、秋陽、秋映なんて、初めて見るような林檎をこの
時期スーパーでみかける。



「紅いわて」が「ふじ」より優れているのは、褐変しに
くい特徴があるとか。すりおろした比較写真がわかりや
すいし、なんか印象的な写真。数十分位では殆ど色の変
化がなさそう。「ふじ」はすぐ変わってる。



皮を剥いたらすぐ食べたから、色の変化は気にならないw
千雪って品種は1日たっても色に変化がないとは。いろいろ
食べて、好みを見つけたい。

傑作『細貝角次郎・貝類圖絵』

2014-09-18 | 農・生物
昨日書いた、真鶴町立/遠藤貝類博物館の受付にガラスの
ショーケースがあって、貝図鑑みたいなものが売っていた。

ディスカウントされてても8,000円くらいで、しかもスタ
ッフに頼まないと手に取れない。なのでそのままにして、
海に行ったり、鮨を食べたりしていた。



カフェ「蛸の枕」でお茶している時、店主の山田朋美さん
が貝好きなので、貝類博物館の話でちょっと盛り上がり、
そこで買ったというお気に入りの『貝類圖絵』を見せて
いただく。


ベニオキナエビス

細貝角次郎さん(1884-1956)という駿河湾の貝収集家が長
年和紙に描いた貝の画集。素晴らしい、美しい。カラー写
真機が無い時代だからこそ生まれた傑作かもしれない。

南方熊楠さん(1867-1941)の『菌類図譜』を思い出す。二
人とも天皇を自然観察に案内したことも共通。岡村金太郎
さん(1867-1935)の海藻図もすばらしい。細貝さんは17
歳年下やね。



遠藤貝類博物館の受付で見逃した物だとすぐわかる。欲しい。
閉館16:30が迫っていたので、電話して確認しながら、再度行
ってゲット。ちょっと高いけど、半額というお得感も後押しw


イモガイ科

遠藤貝類博物館の館長、故遠藤さんは若かりし時に、細貝
角次郎さんにお会いして、貝類研究を続ける決意。

土曜日のほとんどは先生のお宅にお邪魔し、貝類の
勉強をさせていただいたのです。 夜になると、先生
は書斎にこもられ、静かに貝を描いておられました。

細貝さんはある意味貝キチガイで、旅館業は奥さんに任せ、
昼間は貝の収集、夜から時には明け方まで絵を描いたそう
だ。30年がかりの力作。快作。


ウミギク科

1954年、彼が亡くなる2年前に自費出版で『 相模産貝類圖絵』
を出してはるので、それが元本かもしれない。2001年ご遺族
が、長年親交のある遠藤春雄さんに、全原画167葉を寄贈。

いきに感じた遠藤さんが、その出版化を決意したのは容易に
想像できる。寄贈2年後2003年だから今から10年前、この
圖絵が世にでる。自費出版から50年後のこと。


タマガイ科

図絵は見開きで、右頁が貝の絵、左頁は縮尺白黒で各貝の名称、
大きさ(殻長というみたい)、分布、備考が記されている。

真鶴町立/遠藤貝類博物館

2014-09-17 | 農・生物
3連休中、真鶴へ行った時の話。半島の先端にある真鶴町立遠藤
貝類博物館
を訪ねる。大した前知識なしに行ったんだけど、受付
のスタッフが概略を教えてくれる。

遠藤晴雄さん(1915-2006)という真鶴生まれで、真鶴の小中
学校の先生をやられ、のちに教育長を16年やられた方が、中学
生の時に魅せられ生涯かけたコレクション。

コレクションは部屋ごとに3つに分かれ、地元駿河湾篇、日本篇、
世界篇となっている。地元以外は買い求めたり、交換したものが
多いそうだ。



展示室の最初にある、真鶴の海のジオラマがよくできてて、見え
ない海の中のいたるところに貝が生息していることが認識させら
れる。海の景色ばかりでなく、海中も感じなくてはw



歴史としては、陸上に生物が上がる前、貝の祖先は1.5億年位前
に誕生したそうで、軟体動物から進化したとか。人類が生まれた
のが400万年前ぐらいだから、貝は当たり前の話、はるかに昔か
ら地球で暮らしている大先輩なんだなぁと思う。なんか浮世離れ
してくる。



上の進化図は西宮市に貝類館という、日本貝類学の礎を築いた黒
田徳米博士の学術資料を核とした博物館のサイトから。 安藤忠雄
さんの設計。



いろんな貝が丁寧に展示されている。上野の国立科学博物館にも
膨大な貝のコレクションがあって、見に行ったことが昔あるけど、
静かに貝と向き合うのもいいものw



なんでも遠藤さんは教育長を引退後、貝熱が再熱し、1986年に私
設の遠藤貝類博物館を自宅敷地内に開設。(訪問した方のブログ
こちらに


私設時のパンフ。貝を「海の貴婦人」と呼んでたそうだ。

2006年に91才で亡くなられた後、ご夫人によってコレクション
が町に寄贈され、2010年に町立博物館としてオープンしたそう
だ。寄贈された約5万点のコレクションのうち約5千点が展示。

ご高齢と推測されるご夫人が博物館を維持管理してたそうだか
ら、こうして町が博物館の形で公開できて、亡きご主人も喜ん
ではることやろう。合掌。

蚊の多い夏・スプレー式蚊取り

2014-08-08 | 農・生物
今年は蚊が多い気がする。ちょっと庭で水をやっても
数匹に刺さされることたびたびやし、車に乗りに行く
だけでも2箇所刺されたり。

都心の仕事場へ行くときは刺されたりしないから、家
の周りで、蚊が虎視眈々と人の気配を狙ってる気がす
る。以前に書いたような「蚊の効用」なんて言ってら
れない。



TBSの朝の番組「いっぷく」のサイト(7/20付)に今年
の蚊は2倍多いという記載がある。東京農業大学長島孝
行教授に取材したみたいで;

☆今年は雨が続き、猛暑だったこともあり、例年に
 比べ2倍ほど蚊が多く発生している!
☆梅雨明けの今の時期が一番発生しやすい!

やっぱり。蚊が多いんだ、今年は。対策として、家
の周りの水たまりをなるべく減らすことが挙げられ
てて、植木鉢の皿の水という例がある。なるほど。


品川区のサイトより

受皿に水がたまってると、鉢植えに水やりはまだ要
らないというサインと思ってたけど、あの水は捨て
なきゃ。



蚊防止に何かないかと、東急ハンズを覗いたらフマ
キラーのスプレー式蚊取り「おすだけベープ」
TOKIOを起用してCMもやってるとか。楽しい合成だ;



スプレーを1回噴霧するだで、12時間効果が持続し、
電気も電池も不要。人気みたいで金鳥やフマキラー
も競合品をだしている。

ほんとスプレーをしておけば、蚊がいなくなる。窓を
あけた現場で使っても、不思議に蚊に刺されない。
誌アスキー
の比較対象比べでも圧倒的に効きがいい。



あまりの効き良さに、身体に大丈夫かという質問も多く
見受けるけど、ピレスロイド系殺虫剤が成分で、かなり
安全みたい。金鳥のサイトによれば除虫菊の有効成分だ
そうで、それを化学合成したもの。

蚊取り線香がある意味安全と思えるなら、これも安全
と考えるべきなのかも。ただし、子どもなどが誤って
直接からだに噴霧するとアレルギーやかぶれる事故が
起きてる。

桜と梅は親戚?

2014-06-13 | 農・生物
さくらんぼの季節。梅干しおにぎりの後で、さくらん
ぼをデザートで食べてると種が、小梅干しの種に似て
るって嫁さんが言う。言われてみると、確かに大きさ
も形が似てる。


この写真は、「小さな星の会」というブログから。

もしかしたら、親戚やないの?植物分類上は。って思い
つく。花の感じもなんとなく似てるし。検索してみる
と「福梅本舗」っていう和歌山の梅干し屋さんが、わ
かりやすい種の分類図で説明してはる。



桜も梅も、バラ科サクラ属で一緒やん。あてづっぽう
でもあたると、ちょいと嬉しいw梅にはスモモと杏が
とても近く、桃も親戚だってわかる。

奈良時代は花といえば梅だったのが、江戸時代には桜
人気にすっかり逆転して、花といえば桜。好みの変遷
はあれど、そもそも似たようなもの。



ALL Aboutのサイトでは三浦 康子さんって方が「「桜・
桃・梅」の違いがわかりますか?」と題して3つの花の
写真を載せてはる。桜はなんとなくわかるけど、梅と
桃の違いは、わからないねぇ(答えは、彼女にならっ
て、一番下に)。

春に楽しんだ花が、実も楽しめるんだから、なんか豊か
な気分。

写真の答えは、左側より、桃/桜/梅だとか。

矢川・花の直売所

2014-06-10 | 農・生物
近所の人に、矢川の花の直売所を教わる。矢川っていっても、
地元の人もどこに流れているか知らない人も多いくらい。全
長1.3キロと小さい川。

その矢川の近く、南武線矢川駅から南下して甲州街道の南側。
青柳崖線樹林(ハケ)という武蔵野の面影を残す緑が生い茂ると
ころ。



そのあたりは、ちょっと不思議なエリア。宅地化も進むけど、
農地もけっこう残り、滝乃川学園というハンディキャッパー
の福祉法人の施設が点在し、認知症グループ園、保育園など
もある。

そういう人達が通ったり散歩しているところに何度も出会う。
市場経済とはかけ離れたエリアとも言えるだろうか。



教わった花の直売所はその一角で農家の庭先にあった。値段
というのがかけ離れて安い。南アジアみたい。円が歓迎され
る、みたいなw


終わりかけなんだろうけど、3本10円!


こっちの花はモノがいいからだろう、1本30円


アンズは傷ものだろうけど、1ヶ5円

オトギリ草、紫陽花なんかはわかるけど、名前がわかんない
のも多い。

「コメ展」佐藤卓×竹村真 一

2014-05-30 | 農・生物
ミッドタウンの21_21 DESIGNで、「コメ展」を開催中。 6/15
まで。コメのことやコメとの関係性をいろんな角度から光をあて
ようという企画展。

ディレクターはデザイナー佐藤卓さんと、文化人類学者の竹村真
一さん。トークイベントでの佐藤さんのお話も印象的だったので、
本展に行ってみたくなる。



コメ一粒を蒔いて、収穫の時は1000粒になっている・・ことは
ある程度知ってた。小麦は100粒程度しかならないので、アジア
の人口を生み出したのは、コメの増加力だと思っている。

しかし、それは長年の新種改良への努力というか、いい種をより
すぐってきた歴史の賜物だということを知る;

約1万年前、人類が原始的な稲作を始めた頃には一株にせいぜい
数十粒だった稔りが、今こうして1000倍に殖える魔法となった
のは、幾世代にもわたる人の努力の賜物であり、人間と植物の
共進化の結果です。


大昔は数十粒だったんだ・・よくそんなことがわかるなぁという
感心もあるけど、それが数百、千粒へと増産していくには長い年
月が必要だということに、重みとありがたみを感じる。



歌川広重の「太平喜餅酒多多買」は初めてみる錦絵だったけど、面
白い。いくさなんだけど、左方はお菓子軍で、右方は酒軍。米の加
工品が平和のシンボルとして、絶えて久しい合戦に登場させている。


酒の方は銘柄の違いくらいに対して、おかし軍勢は、形も色も様々
あるし動きもあって見飽きない。「唐まんぢう」「極製かすてゐら」
「やき立九郎大福」「安倍川駿河」「舩橋入道ようかん」「内お土産
きんつば」・・と多彩な和菓子が広がっていたこともわかる。



藁を土台に使った什器やインタラクティブな展示など、子供から大人
まで楽しんでいた。これが期間限定っていうのもいい。レヴェルの低
いミュージアム常設展とはアイディアと格の違いを感じる。



多肉植物の水耕栽培

2014-05-06 | 農・生物
近所の古道具屋「Let em in」はこのゴールデンウィーク期間中、
隣接するギャラリー「room 103」でアート&フードイベント
[Golden“Selfish”Week]を開催してはった。

最終日に行けたんだけど、店主原さん曰く「20代、30代の若い
アーティストに発表の機会を設けたかった」とのこと。素晴らし
い。



二手舎というアート系の古本ショップが、台湾の出版社の画集や
写真集を紹介しているのも面白かったけど、何と言っても多肉植
物の水耕栽培。

水が満ちている美しいガラス瓶に多肉植物というかサボテンが浮
いて、根が水の中に張っている。サボテンって水をやらない方が
よくなかったっけ?

10¹²TERRAが中心となって、数社(数名)のコラボによるプロジ
ェクト「SHUN-NE 春根」で多肉植物の水耕栽培を進めている。
種類にもよるが、多肉植物は生命力が強く、多様な環境への対応
能力が高いものが多いそうだ。



そう言われると、あんな砂漠で生きてるんだから、生存には厳しい
環境。天敵も少ないメリットあるやろうけど、そこで生きて行くに
は熱帯なんかと比べると、対応能力が高いってことは納得。

多肉植物の中には、雨が降らなくても平気だけど、水を好むものも
いるそうだし。砂漠でも雨期になると、長期間水没するところもあ
るとか。

発想の転換というか、砂漠=乾燥=多肉植物という安易な図式をも
っていたことが露呈して、小気味よかった。

バナナの品種改良が必要なわけ

2014-01-27 | 農・生物
昨日に続いてNHK-BSで放送されたドキュメンタリー
番組「フルーツハンター」のこと。前後編の2回に分
かれて放送されたんだけど、後編はバナナの話。

まず驚いたのが、輸出用に栽培されるバナナが昔も
今もほぼ1種だということ。沖縄島バナナとか、台
湾バナナとかもあると思うんだけど、大半は一種ら
しい。



20世紀中期まで栽培されてたのが、グロスミッチェル
種。戦後高価で、バナナの叩き売りとして高嶺の花だ
ったのは、この品種かも。

世界で栽培輸出されてたけど、パナマ病という伝染病が
流行り、壊滅したそうだ。1960年頃の話。

これに耐性があるキャベンディッシュ種が世界的に広く
栽培されるようになったとか。いまよく食べてるのはこ
の品種なんだね。

ところが歴史は繰り返す。2001年頃に発見されたパナマ
病の変異体はキャベンディッシュ種にも感染。マレーシア
・フィリピンおよびアフリカ諸国のバナナ栽培に損害を与
え始めていて、対処法は見つかっていないそうだ。



毎日の様に食べているバナナにそんな危機が迫ってたとは。
驚きの連続だったけど、ここまでは前フリ。番組では新しい
品種を生み出しつつある研究を紹介。

ホンジュラスの研究者フアン・アギラール博士という方が、さ
まざまなバナナを集め、新品種の育種にとりくんでいる。遺伝
子組換えはおこなわないで、掛け合わせによって、いわゆる品
種改良を行ってはる。



バナナの種をとるのも一苦労。数多くのスタッフが、たくさんの
バナナを剥いて、濾して、やっと一粒の種がとれるかどうか。博
士はみんなに、ダイヤモンドだと思って扱ってくれと頼んでいる
そうだ。気の遠くなるような、地道な作業。

病気への耐性、流通に乗り、なによりも味のいい品種を生み出し
つつあるそうだ。



この素晴らしいドキュメンタリー映画を作った監督は、Yung Chang。
予告編は英語だけど;

写真は">カナダの制作会社のサイトより。


マンゴーを採取・生育するフロリダ熱帯植物園

2014-01-26 | 農・生物
NHK-BSで放送されたカナダのドキュメンタリー番組
「フルーツハンター」が、とても面白かった。NHKも
共同制作みたい。

プラントハンターっていうのは聞いたことがあったけ
ど、フルーツハンターってなんか響きがいい。

果物の魅力にとりつかれ、その原種やまだ知られて
いない品種を探し、栽培する“フルーツハンター”

を紹介していく前編後編、という宣伝文に惹かれたんだ
けど、内容はちょっと違って、果物も生物多様性を失わ
れつつあって、それをなんとか保護・維持しようとして
いる人達の紹介だった。その方が面白かった。

前編はフロリダのフェアチャイルド熱帯植物園が舞台。
キャンベル博士とレズマ博士がマンゴーの採集と栽培に
かける情熱を紹介している。



番組ではインドネシアのボルネオ島への密着取材。まず
市場へ行って、まだ彼らが栽培していない野生のマンゴ
ーを探し出し、どこで収穫したかを聞き出したかと思う
と、現地に案内してもらう。



原生林の中に生えているマンゴーの木が見つかると、ど
うするのかと思うと、キャンベルさんはスルスルと木登
りし、何メートルもある高いところで枝を採取する。




検閲に通るように短く切る。検閲をちゃんと通すんだと
意外に思う。植物園の学術利用だかの例外特別許可でも
あるのかと思ったから。

一目散に空港へ。早ければ早いほど良いそうで、米国に
帰るなり、すぐさま植物園に戻り、接ぎ木方式で栽培。
マンゴーだけでも300種類以上を栽培しているそうだ。

再訪すると、もう伐採されていることもよくあるそうだ。
果物を毎年収穫するよりも、木材として販売したほうが、
一度に高く売れるから。

年々マンゴーの品種も減っているそうで、急いで採取して
いかないと、一度失われた品種はもやは再現されない。


フェアチャイルド熱帯植物園 科学村