おばあちゃんの足には、まあるいコブがあります。
右の足首と左の足首の前の方です。
親指と人差し指で丸を作ったぐらいの大きさです。
痛そうでも、痒そうでもありません。
ちいチャンは、そのコブをさわってみました。
とても固くて、コチコチしています。
おばあちゃんは、いつも正座をして座っています。
おばあちゃんは、女の人が足を伸ばすのは、
みっともないと言います。
ご飯を食べるときも、お茶を飲むときも、テレビを見るときも、
いつも、いつも、正座をしています。
おばあちゃんの足のコブは、「座りダコ」というもののようでした。
正座ばかりしているので、畳や座布団ですれて固くなって、
それが、だんだんと大きくなり、
ちいチャンには、コブに見えたのでした。
おばあちゃんの「座りダコ」は、
ずうっと、消えることはありませんでした。