ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(145)バスの車掌さん その2

2017年05月10日 19時59分41秒 | 日記

ちいチャンの町のバスには、

運転手さんと、車掌さんが乗っています。

車掌さんは、

急な山のカーブでも、ガタガタ揺れるじゃり道でも、

おーとっとっとっ、と揺れながらも、

ずっと、終点まで立っています。

ちいチャンの町のバスは、

車一台分の道の幅を走ります。

初めて乗る人は、具合が悪くなるほど、

多くのカーブがあります。

そして、山の上から下へと道が降りて行くので、

何メートルも先から、対向車が来るのがわかります。

対向車が見えると、

運転手さんはバスを止め、車掌さんはバスから降ります。

そして、

ピピーーッ!ピピーーッ!ピピーーッ!

と、笛を吹き、

バスを道幅の広い所までバックの誘導をします。

笛の吹き方には、決まりがあるようで、

ピピーーッ!と、ながーく吹いている時は、「バックしていいよ。」

ピピピピピッ!と、短く吹くときは、「ストップ!ストップ!」

のようでした。

車一台分の幅の道ですが、所々にくぼみがあって、

うまく車がすれ違えるようになっています。

バスの運転手さんは、毎日走る道なので、

何処で、何処までバックすればいいのかわかっています。

たいていは、バスの方がバックをして対向車を通します。

対向車とバスの運転手さんは、

すれ違いざまに、

「ありがとう。」「ご苦労様。」

と、手で合図をします。

ちいチャンは、この手の合図を、

(かっこいいな。)

と、思います。

 

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