ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

Play back ちいチャン物語(142)庭の池

2017年05月06日 19時21分02秒 | 日記

ちいチャンの家の庭には、池があります。

赤い金魚と黒い金魚が泳いでいます。

水面には、

カエルの座布団のような、葉っぱが浮かんでいます。

葉っぱには、ふわっと広がる白い花が咲いています。

時々、おばあちゃんは、池の掃除をします。

大きなタライを二つ用意して、

ひとつのタライには、池の花と葉っぱを、

もうひとつのタライには、網ですくった金魚を入れます。

そうして、池の水を止めている栓を抜きます。

池の水は、外の溝に流れて行きます。

池に水がなくなると、

おばあちゃんは、タワシに棒がついているようなもので、

ゴシゴシゴシゴシ洗います。

池の底は、コンクリートのような固いものでできていました。

そして、まわりは、

ゴツゴツとした岩や石で取り囲まれていました。

おばあちゃんは汗かきなので、汗がびっしょりです。

きれいになった池には、きれいな水が張られました。

金魚が放され、葉っぱと花も浮かべられました。

透き通った水からは、金魚がとてもよく見えます。

一年に、何度か洗うその池も、

おばあちゃんが、ひとつ年をとるごとに、

池には花が咲かなくなり、

池には葉っぱがなくなり、

そして、金魚もいなくなってしまいました。


コメントを投稿