ちいチャン物語

きまぐれブログ。
絵のない絵本のような、小さい物語です。

ちいチャン物語(80)『演歌をかけながら八百屋さんが来る』

2013年10月19日 20時32分17秒 | 日記

ちいチャンの町に、1週間に1度八百屋さんが来ます。
小さなトラックに野菜を積んで、音楽をかけながらやって来ます。
音楽は、演歌です。
ちいチャンのおばあちゃんや、近所の人たちは、演歌音楽が聞こえ
て来ると、
「八百屋さんが来たね。」
と、言って、財布を持って家から出て行きます。
八百屋さんは、道端にトラックを止めて、演歌は流したままにして
おきます。
音楽がかかっている内は、八百屋さんがまだそこに居ると分かる為
です。
八百屋さんは、野菜ばかりではなく、豆腐や油揚げ、納豆など、日
常の食品も積んで来ます。
そして、おばちゃん達は、お目当ての物がなかったりすると、今度
来る時に持って来てね、と頼みます。
ちいチャンの町では、お盆になると、仏壇にスイカを供えます。
八百屋さんは、そんな町の習慣も知っていて、お盆近くの週には、
スイカや切り花なども積んで来ます。
おばあちゃんは、夏の頃、ナス漬けを作る為に、小ナスを1㌔頼ん
でいました。
町の人たちは、毎週来るこの八百屋さんを、楽しみにしています。
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