ちいチャンの家の庭に、「金木犀(きんもくせい)」の木がありました。
家の門の所に1本と、庭のずっと奥に1本の、合わせて2本の「金木犀」の木です。
屋根に届く高さの「金木犀」の木は、秋になるとオレンジ色の花を咲かせます。
外から帰って来ると、門の少し手前の辺りから、ふわ~っと、「金木犀」の花の香り
がして来ます。
ちいチャンは、
(いい匂いだなぁ。)
と、思います。
金木犀の香りに気が付いて、花をながめます。
金木犀の香りが消えて、小さく落ちた花をながめます。
金木犀の香りがただよう花咲く期間は、短いでした。
ちいチャンが、大きくなって故郷を思い出す時、そこには「潮の香り」と「庭の金木
犀」がありました。