goo blog サービス終了のお知らせ 

goto_note

西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

スキー場とチョコレート

2007-01-21 | その他あれこれ
・久しぶりの晴天。「これは、行かねば!」ということで、家族でスキーに行く。とりあえず、午前中にリフト1本だけを滑ることに。リフトに4人で乗り、チョコレートをほおばる。寒いからか、妙に美味しく感じる。スキー場からは十勝岳がくっきり見えて、とても雄大である。とはいえ、下の子を抱えて滑るので、なかなか景色に目をやる余裕はない。スキーをハの字にして、自分でスピードを落とす感覚を身につけてくれるようになるといいんだが、さすがに2回目では難しいみたいである。



・午後には、上の子と友達を連れて、再びスキー場へ。せっかくなので、ついでに自分も1本滑る。相変わらず修学旅行生が大勢詰めかけ、珍しくリフト待ち(?)と呼んでもよさそうな状態である。リフトに乗り合わせた人と言葉を交わすと、富良野在住の方であった。同じく子供と友達を連れて来たが、子供達は先に行ってしまったために、一人身であったとのこと。全く同じ境遇であることに笑ってしまう。

・少しだけ斜度がきついアゼリアコースをひやひやしながら滑る。木立を抜けるコースはなかなか気持ちがよい。あっという間に滑り終わり、さっさと車にスキーを積んで帰宅。正味45分くらいの”一遊び”である。

Karhu et al. (2006) J Evol Biol読解

2007-01-20 | 研究ノート
・機内の行きと帰りでJ Evol Biolの論文を読んだ。ということで、久しぶりの論文読解。論文は、Karhu et al.(2006) Analysis of microsatellite variation in Pinus radiata reveals effects of genetic drift but no recent bottleneck. J. Evol. Biol. 19: 167-175 である。

<イントロ>
・多くの針葉樹は連続林の大きな集団を形成するが,ラジアータマツは5つの分断された天然集団が現存する。3つは大陸(カリフォルニアの沿岸部),2つはメキシコ沖のGuadalupe島とCedros島である。メキシコの島集団は大陸から数百年前に移住したとされている。

・Axelord(1981)によると,大陸の集団はもっと広い分布だったのが8000年前ごろから有意に減少した遺存集団だとしているが,一方,Millar(2000)は長期的なデモグラフィーの中で個体群サイズを連続的に変動させているとしている。

・3つの大陸の集団の現存個体数は100万個体以上と大きいが,2つの島の集団は個体数が少なく,特にGuadalupa島では400個体以下と推定されている。

・過去のアロザイムやRAPDの集団遺伝学的研究では,他の針葉樹に比べて遺伝的多様性が低いこと,遺伝的分化度が高い(Fst=16%)が示されているが,5つの集団間での遺伝的多様性の程度は同程度とされていた。

・近年のマイクロサテライトマーカーを使った研究では,大陸の3集団では自殖や近親交配はほとんどないが,島の集団では低いレベルだが存在することが示唆されている(Vogl et al. 2002)。過去のイベントによって近親交配が可能になっている可能性が指摘されていた。

・本研究では,多型性の高いマイクロサテライトマーカーと統計手法を用いて,アイソザイムと比較しながら過去のデモグラフィーの歴史が遺伝構造にどのように影響を与えたかを明らかにする。

・大陸の集団では,有意な個体群サイズの減少が起こったのか(Axelrod 1981),連続する個体群サイズの変動にあるのか(Millar 2000)を明らかにする。個体群サイズが小さい島の集団では,個体群サイズの変化の影響とボトルネックの影響を検出することを目的とした。

<材料と方法>
・かつて5つの集団から大規模な種子の採取が行われ,1980年にCanberraの近くに植栽された。本研究では,各集団につき20年生の30-34個体から針葉を採取し,遺伝解析に供試した。全ての個体は異なる自然交配家系である。また,Ano Nuevoの集団の種子30粒から雌性配偶体を摘出し,ヌルアレル頻度を計算するために供試した。

・マイクロサテライトマーカーは19遺伝子座を用いた。
・IAM, SMM, TPMモデルの下で,ボトルネックの検出
・遺伝的多様性のパラメータをあれこれ計算。
・Vogl et al.(2003)による祖先遺伝プールからの分化度Θpを計算。
・集団間の分化度を評価するためにFstを計算。Neiの遺伝距離から系統樹作成。

<主な結果>
・FISはいずれも高く,0.136~0.279でヌルアレルが原因と思われる。後の解析では,ヌルアレルと近交弱勢を考慮したアレル頻度を用いた。多くの遺伝子座では0.1より小さい低いヌルアレル頻度を示したが,2つの遺伝子座はPr161とPr060-2では約0.20であった。また,4つの遺伝子座では,ヌルアレル頻度が集団間で有意に異なった。

・全ての集団で高い多型性のレベルを示したが,大陸の集団では平均0.77と高いヘテロ接合度を示した。最も個体群サイズが大きい集団(Monterey)で平均アレル数が10,最も小さい集団(Gouadalupe)では6.73であった。島の2つの集団では,個体数が400以下と約8万と大きく違うのにもかかわらず,ヘテロ接合度は0.68と0.69でほとんど変わらなかった。

・集団間のFstは平均14.1%と高かった。アロザイムによる推定値はマイクロサテライトと同程度。大陸の集団間はペアワイズFSTが0.02~0.07と低いレベルを示した。島集団は大陸集団とは0.17~0.20と高い分化度を示した。

・共通祖先集団の集団からの派生は,遺伝的浮動の効果を示すΘp(Vogl et al. 2003)で表現できる。もっと小さい島集団GuadalupeのΘpは平均0.18,もう一つの島集団Cedrosは0.15であり,大陸集団はいずれも0.07以下と低い値を示した。アロザイムによる推定値とマイクロサテライトの推定値は大体同じ傾向を示した。

・Neiの遺伝距離からも大陸集団は,一つのグループにまとまることを示した。
ボトルネックテストの結果, TPMモデルはIAMモデルとSMMモデルの中間の値を示した。いずれも,ほとんどの遺伝子座でヘテロ不足が検出され,ボトルネックは検出されなかった。

<考察>
・ラジアータマツの個体群動態は,大きな集団が連続分布し下部集団間の分化程度が低い多くの他のマツ類とは大きく異なっている。2つの島集団は,大陸から10MYA(Cedros)と1-4MYA(Guadalupe)にそれぞれ独立して分離したが,大陸集団よりも個体群サイズが小さい島集団では遺伝的多様性が低下していることが示された。

・遺伝データから3つの大陸集団は2つの島集団よりも多型性が高い(ヘテロ接合度0.77vs0.68, アレル数9 vs 7)ことが判明。島の2集団は個体数の大きな違いにかかわらず,同様の遺伝的多様性を示した。

・形態や花粉分析などからGuadalupeの劇的な個体群サイズの減少,島集団でもおそらく4-8000年前からの個体群サイズの減少が示唆されていた。したがって,ボトルネックが検出されることが期待された。

・ボトルネックを経た後には,一時的なヘテロ過多が検出される。一方,集団サイズが拡大したときにはヘテロ不足になる(Watterson 1986)
本研究では,ヘテロ過多を示した集団はなく,むしろヘテロ不足が検出され,集団が拡大したことを示唆した。

・本研究では,1)大陸集団では個体群サイズが有意に減少したか(Axelrod1981),連続する変動の範囲にあるのか(Millar 2000)という疑問,また,2)島の集団サイズとボトルネックは検出されるのかという2つの疑問に答えることを目的とした。

・2番目の疑問に対して,島ではアレル多様度は大陸よりも減少しており,既存の研究よりもマイクロサテライトの多型性によって詳細に実態が分かった。
1番目の疑問に対しては,集団の縮小を示すような結果が得られず,むしろ拡大していることを示唆した。しかし,これは他の状況証拠と必ずしも一致しない。シークエンス情報などによって確認する必要がある。

<寸評>
・外来樹種を導入して成功した代表例であるラジアータマツの天然集団がわずか5つだということを初めて知った。ラジアータマツの造林はNZで有名だが,チリやブラジルでも成功しているらしい。

・ボトルネックテストを行っているので,アカエゾマツ論文の参考になるかと思って読んだわけだが,比較的コンパクトにまとまっていて、つい長くなりがちな当方にとってまとめ方は参考になるかもしれぬ。

・肝心の結果と解釈だが、おそらく著者たちはボトルネックが検出されると思って解析をしたのだろうが,全く逆の結果が出てしまったようだ。しかし,結局のところ、今回、ヘテロ不足が検出された理由について、納得いく説明がないように感じる(読み方が浅いせいかもしれないが・・・)。

・結果として、FISが高いのも気になる。ヌル遺伝子座を考慮してアレル頻度を計算したとのことだが,やはりヌル遺伝子座の存在がボトルネックテストの結果に影響を及ぼしている気がする。ヌルアレルの頻度が低い遺伝子座のみで解析した方がいいような気もする。また,連鎖不平衡のプライマー対の数,Structureなど,せっかく多くの遺伝子座数を生かした解析ができそうなのだが・・・解析に不満が残る論文である。

審査会としし鍋

2007-01-19 | 研究ノート
・午前中に筑波のTくんとアカエゾマツの打ち合わせ。ヘテロ接合度とアレリックリッチネス、ボトルネックと標高の関係について、納得できそうな説明を考える。花粉分析の結果の解釈が浅いのだが、一応、垂直方向の移動でそれなりのシナリオが考えられた(と思う)。後はこれを他の既存研究と比較しつつ、どうコンパクトにまとめるかが鍵になりそうだ。

・バリアーについては、コンピュータプログラム”バリアー”を実際に走らせて、結果を見せてもらう。百聞は一見にしかず、という感じでようやくイメージがつかめてくる。今回の結果では、湿地林と神社山の2つの集団と他の集団の間に境界が引かれるわけだが、3DのGIS地図と見比べると、山稜や谷などの地形的要因で分かれていることが明らかになり、なかなか興味深い。

・3時より今回の出張の主目的である、UくんのD論審査会。当方も審査員の一人になっているわけだが、5年間にわたり現場監督としてずっと指導してきたので、何やら自分が裁かれているような落ち着かない気持ちになる。若干、緊張気味ながらプレゼンが終わり、質問タイム。結構たくさんの人が聞きにきてくれており、いつの間にか会場には大勢の人が・・・。

・2,3人からの質問が終わると、突然、審査員の一人W先生からの鋭い質問が・・・。審査員は公開発表の時には質問しないもんだと思っていたので実に驚いた。が、どうやら想定の範囲内の出来事(?)だったらしく、Uくんはちゃんと答えていた。内容は派手ではないがしっかりとした仕事になっており、森林の管理にも直接役立つ研究である、というところが評価されて無事終了。いやはや、当方にとっても、感慨深いものがありますなあ。

・夕方から祝賀パーティ。懐かしい面々も揃い、乾杯となる。Uくんは窓を開けたり、ビールの栓抜きを探したりと、主役にもかかわらず、相変わらずよい働き(?)を見せる。今回は”しし鍋”を準備していただき、今年ならではの食材に舌鼓を打ちながら、にぎやかに夜はふけていったのであった。

田端のかかりつけ病院

2007-01-18 | 研究ノート
・東京は天気がよく暖かいので、ダウンジャケットが大げさな感じである。昨年末に風邪をひいてT病院で診察してもらったときには保険証を持っていなかったので、支払いが10割負担となっていた。そんなわけで、今回は保険証を持参して、払いすぎた分を返還してもらう。最近、夜中にどうにも咳が止まらなくなるので、ついでに診察してもらうことに。先方も覚えていてくれたらしく、「久しぶりです」と世間話をしたりして・・・。なぜか田端にかかりつけの病院があるという不思議な状態。何を致しておるのやら・・・。

・ホテルに戻ってからは、アカエゾマツの論文原稿執筆に集中。といいたいところだが、突然、岩魚沢のシードトラップや風向のデータが気になり、データ整理をしてしまう。10月からの風向では西北西の風が卓越しており、南風が少なくなった。月ごとに見ると案外と変化があって面白い。いずれの時期も、南風と西北西の風が卓越するのだが、その割合が季節によって異なるようだ。

・アカエゾマツの原稿は、イントロ、考察を中心に一気に書き上げて、ようやく何となく形になった。当方の場合、形から入る方なので、論文投稿風の原稿が出来上がらないとどうにも先に進めないので、この作業は一気呵成にやってしまうことが多い。こうした作業はホテルにこもっていると、案外と進むことが判明。〆切間時近の作家が旅館にこもって書くのも分かるような・・・。

・考察は、標高による遺伝的多様性のクライン、ボトルネック、遺伝的バリアーの3つを中心に、最後は得られたデータから管理と保全の具体的な話をすることにする。しかし、とってつけた考察は、さすがに論理展開がまだまだだ。中でも遺伝的バリアーの項目は、他の樹木種における既存研究を押さえていないので、何が言えるのか手探り状態である。明日の打ち合わせで大きく前進するはず、である。

年賀ハガキのお年玉

2007-01-17 | 研究ノート
・明日からまたもや東京出張である。UくんのD論審査会の前に、共著者である筑波のTくんと合流できるということで、アカエゾマツ論文にようやく着手。一度、科研報告書としてそれなりの体裁にはしたのだが、集団数を12から15に増やしたこと、解析をかなり変えたということで、前回の原稿のイントロは惜しげもなく削除し、Landscape geneticsの総説を3つほどダウンロードして、参考にしながら一気に考察の第一パラグラフまで作成。

・夕方の勉強会では、ホームページの作り方(HTMLの仕組み)と当機関のホームページについてKさんが紹介してくれた。リアルタイムでホームページを作成するのを見せてもらうと思ったよりも簡単そうである。雛形をうまく利用させてもらうなどして、早くホームページを立ち上げたいところだ。勉強会終了後にも、さらに質問させてもらい、何となくイメージを掴む。

・自宅に戻って、お年玉つき年賀状の番号をチェック。昨年は2枚くらいしか当たらなかったが、今年はどうか・・・。おっと、今年はなかなか効率よく切手セットが当たっている、と思っていたら、なんと4桁がばっちり合っているではないか!「すごーい」と家族みんなでなぜか拍手が起こる。生まれて初めて、切手セット以外が当たった。賞品は何かとホームページを見ると、肉やらカニやら色々と選べるみたいで、我が家のように食べることが大好きな一家にはうれしいプレゼント。こいつは新春から縁起がいい。

花粉流動の長距離成分

2007-01-16 | 研究ノート
・業務で砂川に出張。富良野からは、車で1時間半ほどである。札幌へ電車で行くときには通りすぎる駅なんだけど、訪れる用件がなかったので、今回が初の訪問。案外、街は大きい。考えてみると、札幌までのアクセスはいいわけで・・・。肝心の業務の方は成果があったような、なかったような。なにやら疲れた・・・。

・広島のSさんから森林学会の要旨が送られてきたので、そのチェック。今度はカツラの花粉流動のお話。単なる父性解析をしたというだけでは、目新しさが感じられないので、今回の面白さをもう一度確認しつつ、論旨構成を検討する。

・沢沿いの森林の場合、恒常風の存在によって方向性のある花粉流動が起こりうるという知見と200-1kmまでの長距離の分布,1km-2kmくらいまでの超長距離の分布を比較的精度よく推定できているところが「売り」であろう、ということで修正案を送付。既存研究と比較しつつ、うまく位置づければ何とかなりそう・・・なのだが、後は時間との闘いになるのだろうか・・・。

ゲレンデ・デビュー

2007-01-14 | その他あれこれ
・今度はゲレンデに連れて行ってスキーをさせてみる。2回ほど練習した後、いきなりリフトに乗せて上から滑る。ライオンの子育てみたい・・・。富良野スキー場からは十勝岳方面がどどんと見えて、なかなか雄大である。特にリフトで少し上に上がると、十勝岳の噴火後にできた地形がよく分かる。



・とりあえず、下の子を抱っこするような形で初滑り。こちらも久しぶりなので、スピード感に慣れていないのだが、上の子供はあっという間にコツをつかんですいすいと滑っている。途中で一人で滑らせてみたり、ストックをつかませて滑る感覚を覚えさせてみたり・・・。

・ふと目をやると、親子連れがあちこちで練習している。フラフープのようなもので教えている親子を発見。これだと、体重を前にかける感覚とかを覚えさせるには良さそうである。それにしても、ちびっ子たちはみんな上手。小学校前だと思われる子供たちがヘルメットを被って颯爽と滑る姿には見惚れてしまう。さすが、雪国である。

スキー・デビュー

2007-01-13 | その他あれこれ
・子供の前髪がかなり長くなってきたので、子供をつれてカットに行く。以前は、カットしようとすると、どうしたんだというくらい泣き叫んでいたのが嘘のようにおとなしくなった。30分程度で終了し、すっきりとなった。見ているこっちが気持ちがいい。

・千葉の友人に富良野チーズ工房からチーズやバターなどの詰め合わせを送る。考えてみれば、ここに来るのは久しぶりだ。一昨年末に子供会の行事でパン作り体験をした時以来ではなかろうか。おっと、4月から富良野ピッツア工房なるものが完成するらしい。これまた、要注目である・・・。



・今日はかなり穏やかな天気である。ということで、購入しておいた子供用のスキーを履かせて家の周りで歩かせたり、引っ張って滑る感覚を掴ませてみたり、と。当方の場合、大学に入るまではやったことがなかったので、最初は腰が引けて大変だったけど、子供はすんなりとスキーになじんでしまうものらしい。明日は天気がよければ、ゲレンデ・デビューの予定である。


1959年に設定された試験林の整備

2007-01-12 | フィールドから
・1959年に設定された東山の育種樹木園へ総勢8名で出かける。昨年末から系統名を記載した看板がだいぶ取れているというのは確認していたので、その整備と間伐の方針を決めるための現地検討。

・ところで、本州の人たちからしてみると、富良野の冬は雪に閉ざされており、技術スタッフはゆったりと室内作業しているようなイメージがあるかもしれない。が、実はここにとっては、冬こそ野外の仕事の本番である。ササが雪の下に隠れて、見通しも最高。スノーシュー(要するに、かんじき)を履いて、ほとんど毎日、現場へと通っているのである(冬は雨で行けないということもほとんどないし・・・)。



・この育種樹木園は、種数、系統数が多く、細かく配置されている。中でも、カラマツ類、カンバ類、トウヒ類、マツ類が主である。カラマツ類は長野や信州産の産地試験林となっており、ずいぶんと樹高成長がよい。こうした試験地では系統ごとの個体数が少ないことが多い、うかつに間伐すると貴重な系統が消滅してしまう。かといって、手を入れないと間伐手遅れとなりがちである。試験地のわきに育種種子採取用の採種園があったらしいという情報があり、聞いたことがないねえといいつつ行ってみる。



・おそらく大正時代に植栽したのではないかと思われるカラマツの大径木がちらほらとあり、そのうち1本は接木してクローンを保存した番号がついている。確かに、採種園として使われていたらしい。そのうち1本にははしごがかけてあり、これを使って何度も木登りをしたらしき気配。先人たちの仕事の一端を見ることに・・・。

・マツ類では、ヨーロッパアカマツやヨーロッパクロマツだけでなく、レジノーサマツ、コンコルタマツなどもある。さらには、センブラマツ、ポイケマツなど聞いたことがないような変わったマツも登場。細々と生き残っているんだが、こういう変なやつに限って「採取したい」などというリクエストが入ったりして、「どこにあったっけ?」と大騒ぎになるんだよねえ。



・ゲートのすぐ左脇にモミ属の交雑試験地なるものがあり、看板があったりする。トドマツとシラベの交雑など。うーむ、こんなものがあったのか。ちょっと歩くと、色んなものが飛び出してくるものだ。Iさんからモミにつく”膏薬茸(こうやくたけ)”なるものがあり、これがついている林は暗すぎることの証である、という話を聞く。これまた初めて聞く話であるが、ちょっとフィールドに出ると色んな発見があって面白い!


文献整理の巻

2007-01-11 | 研究ノート
・久しぶりに富良野の職場にて一日を過ごす。まずは雑用あれこれを処理。一段落した途端、何やら呆然としてしまう。色々とやるべきことがあって時間に追われているはずなのだが、どれから取り掛かっていいか分からない状態。ふと机の上に積み上げられた未整理の文献の束が気にかかり、突如、ISIのWeb of Knowledgeからデータを取得して、END-NOTEに登録する作業にかかる。20本ばかりの論文を登録し、ファイリング。少し気持ちが落ち着く。現在は、分野などは関係なく、完全にランダムにCall numberで管理している。

・当世の若者(?)はパソコン画面上で文献を読むことができるようだけれど、当方はどうしても紙に印刷して書き込んだりしないと論文が読解できないので、このようにしているわけで・・・。最初は分野別にまとめたりしていたんだけど、このやり方が性に合っているようである。後で論文を作成するときにもEND-NOTEは役にたつし・・・。それにしても分厚いリング・ファイルのNo.9が既にいっぱいである。新しいファイルを購入せねば・・・。



・昼休みに屋外に出る。ようやく雪も小康状態である。現在の積雪は・・・ううっ、60cmか。もはや雪不足の心配はないようで、スキー場も安泰であろう。本当かうそかはよく分からないのだが、昨日の新聞に(外国人記者の話として)富良野の雪は世界一と書いてあった。我が家からスキー場までは正味10分。家族全員のスキーもそろったことだし、今年こそ世界一の雪を堪能したいところである。