goo blog サービス終了のお知らせ 

goto_note

西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

100年カラマツ

2007-08-21 | フィールドから
・樹木園裏のカラマツ林は植栽されて今年でちょうど100年を迎える。これほど高齢級のカラマツがまとまって植栽されているのは、北海道広しと言えども極めてまれである。ということで、みんなで一気に測定をすることに。140個体以上が残っているので、DBH測定、樹高測定、樹木位置図測量などいくつかの組に分かれる。数えてみると総勢10名以上のパワープレイである。



・当方の役割は、”アドバイザー”ということになった。アドバイザーというといかにもカッコいいが、結局、うろうろしているだけであんまり役に立っていない。唯一、作業風景やカラマツの写真をたくさん取ったのが唯一の”仕事”といえるだろうか。しかし、いつも概観しか見ていない100年生のカラマツを、改めて間近で見て回ることができたのは実によかった。100年生としては決して大きいとはいえないが、胸高直径は60cmを超えており、前回の93年生時に比べても2cmくらい成長している。樹高は35mを超えているものがあった。

・よくよく見ると、かならずしも林縁が大きいわけでもなく、むしろ手前側(林床がササではないところ)で樹高が急に低くなるようだ。個体ごとに見た場合、「横に太るか、縦に伸びるか」がこうした高齢級の人工林でどのように決まるのだろうか・・・。x軸にDBH、Y軸に樹高をとり、シンボルを林床タイプや林縁か林縁以外で区別してみるといいかも。

・ところで今回の樹木位置図も作成では、Timbertech社から2名ほど来ていただき、デジタルコンパスのデモンストレーションをしていただいた。当方のレーザーAce300を愛用していたのだが、この機種は斜面だと誤差が大きいらしく、こうした欠点をカバーする機種が次々と出てきている。個人的には、測定と同時にXYZの座標が出るソフトにかなり魅力を感じた。技術スタッフもこのシステムにはかなり手ごたえを感じていたようである。



・最後にカラマツ林を二つに分ける小さな沢を測量する。図面には載らないほどの沢であるが、こうした小沢はこの地域の山には無数にあるとは技術スタッフKくんの言。今回、小沢の右と左で何か違うものが検出されるだろうか・・・。ちょっと楽しみである。