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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

Yale大学案内

2007-08-17 | フィールドから
・夏季休暇ボケの頭のまま、Yale大学一行、Graeme教授と7名の学生たちを案内する。学生達はみんなデカイが、実は歳は若く30歳代前半が多かった。Graeme教授は73歳という高齢にもかかわらず、パワフルに指導をしている。教授から、アメリカ北部ではテーダマツとリギダマツの雑種第一代が造林樹種として用いられているという話を伺う。本日の案内コースは、樹木園、岩魚沢、湧き水、直営現場、経才鶴、東山というフルコース。



・経才鶴からの帰り途中に、倒木更新後に一列に成立した巨大な樹木群を見せる。その場で、施業の細かい点についてかなり突っ込んだ質問を受ける。Yale大学の造林学教室では、ここと似たような施業研究が展開されているらしく、傘伐施業、蓄積プロットの取り方、高付加価値広葉樹材の生産など、かなりコアな部分について議論を行うことができ、こちらも大いに勉強になった。天然林の状態もかなり似ているらしく、一度、現場を見てみたいという気になった。

・東山ではストローブマツの生産現場を見る。一人の学生はストローブマツを対象に研究をしているらしいが、ここでの成長は悪くなく、また節間の長さもアメリカに比べて短いということはないらしい。そうすると、必ずしも産地の問題とかではなく、単に量的にまとまらないのが問題なのだろうか・・・。つまり、人工林としてはむしろ成功しているといってもよいのかもしれない。




・それにしても、学生達は実に熱心だ。技術スタッフのNくんが感心していたが、経才鶴で遠景には目もくれないで、クマイザサの下層に出現する草本(エゾノヨツバムグラ?)を一生懸命探した人は、彼らが初めてではないだろうか。ところで、Yale大学でもここのストローブ林で行っているのと同じアイデアで、格子状皆伐を行っていると聞いて、なんだか嬉しくなった。考え方自体は決して間違ってはいないようである。