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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

長期観測の重要性

2007-08-10 | 研究ノート
・まるで梅雨。北海道とは思えない蒸し暑さの中、久しぶりに室内での執筆作業。飯島くんに改訂原稿を送るために、結果と考察を加筆修正。相変わらずLaTexの調子が悪いので、うまく改訂されているのかどうかが確認できない。が、まあ大丈夫だろう。高橋ほか1980,1981,1984では地がき試験地での種子散布、2年後、5年後の更新データが測定されており、4試験地については試験地内の成木の量も記載されている。

・これをプロットしてみると、種子散布量は当然ながら成木の量に比例しており、5年後まではその傾向は変わらないようだ。ところが、これに26年後の結果を重ねると、エゾマツでは結果がまるで違ってしまう。例えば5503と5507の関係を見ると、5507の成木、種子散布量、初期の更新量は5503のほぼ倍だが、26年後はちょうどその逆になっている。ダケカンバではもともとの量に対応して現在も更新しているのだが、針葉樹では5年から26年に移行する過程でかなりの変化が起こっており、長期的観察の必要性を指摘することができそうである。

・ところで、藤原ら(1984)の論文でも、上木の伐採方法や時期についての記載がないので、高橋さんに確認したところ、とんでもないことが分かった。なんと、地がき直前に伐採したわけではなく、もともと択伐を行っていて少し疎な状態になった林分で地がきを行った、ということらしい。ということは、ShelterwoodとStripecutといった伐採方法の違いではなく、単に上木のあるところを避けて、全面をclearに地がきしたものとstripeに地がきしたものの比較ということだったわけだ。

・自分で行った焼松峠の論文でも海外の論文でも地がき前に伐採をしていたので、当然、この試験地でも地がき前に伐採したものだろうと思い込んでいた。ということだが、用語は当然変更しなきゃだし、イントロと考察の1パートは全面書き換えだ。しかし、モデルの構造はとりあえずそのままでいいみたいだ。ということで、ごりごりと修正。

・明日から九州に帰省するのでしばらくお休み。しっかし、最低気温が30度以上のところで生きていられるのだろうか・・・。恐怖だ。