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まほろ界隈逍遥生々流転日乗記

如月立春大吉

2019年02月10日 | 日記
 新暦年が明けたと思ったら、あっという間に二月である。新元号に改元される今年の旧暦元旦にあたる如月立春は大安と重なり、文字通りの立春大吉でめでたし、めでたしの年となってなってほしいものだ。

 昨日夜は、寒波の影響で小雪が舞ったりしていて、今朝起きたら空気はひんやり、植栽のうえにはうっすらと雪がつもっていた。それもよく晴れた冬の陽光のもとで、午前中にはほぼ消えてしまっていた。こんなお休みのときには、家の中にこもっているものもったいなく、あてもなく自然の風景をみにでかけたりするに限る。
 梅が咲き始めているだろうから、ちかくの里山風景がのこっているところにいってみようと車を走らせる。国道16号を横断して相模と武蔵の国境あたり、TBS緑山スタジオの脇をすぎていくと、やがて鶴川に近い三輪の里につく。郊外にある中世の山城あとが懐かしい里山風景として残されているところだ。

 ここにある立派な風神雷神像のある山門を構えた高蔵寺は真言宗のお寺。こじんまりした境内はよく手入れがされていて、いつきても気持ちがいい。境内の池からは、段々に水がくだって流れるようになっていてもう少しすると水芭蕉が咲いていたりする。この季節、庭にはロウバイがあちこちで咲いていているが、ボタンの花芽はまだ固い。ムクロジの大木が一本、二本の松がきれいに藁縄で雪つりされている。
 昭和のはじめには、当時都内世田谷にすんでいた北原白秋がここを訪れて詠んだ歌が碑に刻まれているのをみると、柿生の里や東の高野山といわれた王禅寺もちかく開通したばかりの小田原急行(いまの小田急)線を利用したのだろうかと想像する。どんな契機だったのかは知らないが、どうも夫婦ふたりで巡ったらしい。

 

 高蔵寺のむかいに残された里山はよく手入れされた三輪の里、かつてののどかな農村風景の原型を遺している貴重な一帯だ。奥まった本丸あとには、産土神なのだろうか七面堂が祀られていた。遠目には紅梅が見事でやがて白梅が咲きだし、緋寒桜、枝垂れ桜、山桜と次々に乱れ咲きだす。黄色い菜の花との競演が見事でもあり、懐かしくもある幻想的な情景となる。
 いまはまだその時期には少し早く、じっと息をひそめて春の到来を待ち続けているかのようである。毎年の変わらぬ風景、いつもでもそうであってほしい。

 
ことしもまた同じ風景。年々歳歳花相似たり、歳々年々人同じからず
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