日々礼讃日日是好日!

まほろ界隈逍遥生々流転日乗記

ドトールの復活、JAZZ喫茶バード1979

2017年04月08日 | 日記
 季節は花曇り、このあたりではソメイヨシノが満開を迎えた。駅前広場に一本だけ残った桜の古木も、その枝枝に目いっぱいの花を咲かせて、遠目には全体がピンク色の綿菓子のように柔らかい姿を見せている。

 先月末、駅前ビルが耐震工事と化粧直しを終えた。それに合わせて一時営業を見合わせていたドトールコーヒーが半年ぶりにリニューアルオープン、ようやく気軽にひと休みできる憩いのカフェ空間が復活したことは地元人としてはなんとも喜ばしい。いまや都心型大手コーヒーチェーンだが、ここまほろ郊外に最初にできたのは1986年6月のことで三十年以上前のことだから、チェーンの歴史の中でもごく初期にあたる。それはお隣の相模大野よりも早いはずで、木製出窓のある温かみのあるデザインだった。新店舗の構えはその手作り感が消えて、よくいえばスマートな標準タイプで取り澄ました感じ。このまちになじんで親しみが沸くには、すこし時間がかかりそう。
 店内カウンター背後のどこかヨーロッパの街並みを描いたパネルはオリジナル、このローカルタウンもそのような街並みになればよいのにと夢想したことがある。あのパネルは残念ながら復活しなかった。もうすこし暖かくなったら、店先のオープンスペースにも愛犬を連れた散歩途中の住人がくつろげるように、いくつかのテーブルと椅子が並べられたらいい感じだ。

 午後から小田急線でとなりのまちへ。旧まほろ街道シルクロードから横丁へ入ると、町田では老舗のジャズ喫茶BARDが見えてくる。この店の佇まいにしてこの看板、裏表ともになんともいえぬ味わいがあって昔から気になっていた。その看板を改めて眺めてみる。入り口側には、ギターを抱えたジョアン・ジルベルトの上半身のイラスト(これってオーナーが描いたものなのか、何ともヘタウマである)、反対側に回ると半分日焼けした味わいのある看板に、店名となったチャリーパーカーのクレジットと代表アルバムジャケットだろうか、BOSSA BAR の文字の下に何故かグリーンのピアノ鍵盤が横にデザインされてて、「1979」の数字がオープン年を表わしている。まだ、東急や丸井がオープンする前の駅前大改造時期のことで、ささやかな個人史における大学入学前の年だ。まもなく四十年がたとうとしている看板が、静かに歴史を物語って佇んでいる。

つい最近まで、このイラストがジルベルトだなんてうかつにも気がつかなかった。
 この店内でボサノヴァ、中村善郎さんのライブを聴いてみたいな。アコースティックベースとフルートのトリオ、あるいはピアノ、サックスのトリオで。もちろんソロでもOK!




  
 そして、BARD表の店構え全体の様子はこちら、シブイよ!
 店入口は通りに面していて、そこをステップアップで入る感じがなんともカッコよくいいイントロを奏でる気分だ。この中の空間で深夜にパットメセニー&チャーリー・ヘイデン「ミズーリーの空高く」を聴いてみたらどんな気分だろう。あるいは、ロバータフラックの初期のボーカルナンバーを。



 

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