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まほろ界隈逍遥生々流転日乗記

半夏生ず

2014年07月03日 | 日記
 ことしの夏至から11日目にあたる、七月二日は七十二候のひとつ、「半夏生」(はんげしょう)だ。この日は、地方によっては焼きサバやタコを食べたりするんだそう。ちなみに、我が家の夕食の食卓には前者が用意されていたので感心して、家人に知ってたの?と聴いてみたら、たまたまの偶然でした(それにしてもいいタイミング)。
 
 手元において愛読している「日本の七十二候を楽しむ 旧暦のある暮らし」(白井明大/東邦出版)をめくってみると、農作業の節目のひとつでこの日までに田植えを済ませた農家が休息をとる日、とある。新潟の実家では、中学生のころまで兼業農家をやっていて自分の家で食べる分の稲作をおこなってたけれど、そのときは「半夏生」という言葉はまったく知らなかった。この年になると自然の草木の様子や二十四節気とそれをさらに細分化した七十二候などに、季節の移り変わりをよく意識するようになった。
 それで先月の夏越しの祓(はらえ)の前日、たまたまのTBS「サンデーモーニング」を見ていたら、屋外中継でこの「半夏生」のころに咲く野草ハンゲショウ(ドクダミ科、和名は「半化粧」とも書く)を映していた。その涼しげな姿にはたしかに見覚えがあって、昨日二日「半夏生」の日に実物をみたいなあと思いながら歩いていた時、保土ヶ谷旧東海道通り沿いの寺院の庭先に、まさにその本物の姿を見つけたのだった。白く見えるのは花びらではなくて、葉の一部がこの時期に白くなったもので、穂のように見える部分が実際の花芯。花の部分が地味なので、受粉のための昆虫たちを引き寄せるため目立つよう、一時的に白く変色(化粧)して開花時期が終わるとまた、もとの緑色にもどるんだって!おもしろいね。

 
  七月二日夕方、見光寺(横浜市保土ヶ谷区)参道脇。花が咲き誇る境内には、コラムニスト青木雨彦の句碑がある。


 この時期に目についた花々の姿をもうふたつ。上は、オレンジ色が花が次々に咲きだすとまさに夏の訪れを感じさせるノウゼンカズラ。そしてその下が合歓(ねむ)の木によく似ているけれど、耳かきの綿毛みたいな真っ白の優しい花が夕方にひらく。名前がわからないのだけれど、どなたか知りませんか?


 この開花を迎えるとまもなく本格的な夏到来。すまいの近くの家先に毎年次々と花を咲かせるノウゼンカズラ。
蔓性の落葉木、中国原産。九世紀の平安時代に日本に渡来したという。


 横浜水道みちの脇、このあたりではほかに見かけない、清楚で密やかな白き優しき姿、その名前は知らない。すこし遠くで離れて見つめているのがふさわしいかもしれない。