今度は「ゼロ商品」に大流行の兆しだそうである。カロリーゼロ、糖質ゼロ、保存料ゼロ・・と言ってもこれら全てが完璧にゼロでなくても基準値以下なら「ゼロ」と表示してもOKということで、今炭酸飲料・ビールなどに多いがソーセージ等食品にもボチボチ出始めている。「極限まで食べ続けたいけど太りたくはない症候群」とでもいうのか、「百人の村」ではないが世界中の大半の人々が飢餓に苦しんでいるというのに、この国と来たら一方で「百年に一度の大不況」とみんなで口角泡を飛ばして大騒ぎしていながら、その癖他方こういうものになら幾らでも金を使う気になれる層が大挙して市場に参入して「消費マインド」なるものを押し上げていると言うのだから、日々大量の残飯を排出し続けて恥じない我が『飽食の民』は全体として見たら「太った豚」という決して美しくはない存在以上のものではあり得ないないように思えて来る。先の大戦で戦場にいた人たちや敗戦後の引揚者を除けば、我々の近代史は戦中・戦後の一時期以外に「飢餓」なるものを体験したことがないと言ってもあながち言い過ぎではない。「戦後っ子」と持て囃された私の幼少時はどうだったかと言うと、確かに「モノ」が満ち溢れていたことなどは有り得なかったとしてもそれが「飢餓体験」にまで至ったなどとは及びもつかない。戦時中多くの家庭で常食だったという「すいとん」なども、正直言って私はこの歳になるまで食べた記憶がない。というわけで、飛田東映では『戦後焼跡闇市派』の巨匠・野坂昭如原作の『火垂るの墓』他2本が11日までかかっている。これに行った。 . . . 本文を読む