フィクション『同族会社を辞め、一から出直しオババが生き延びる方法』

同族会社の情けから脱出し、我が信ずる道を歩む決心をしたオババ。情報の洪水をうまく泳ぎ抜く方法を雑多な人々から教えを乞う。

もう2月も終わりだね。

2023-02-25 17:36:52 | 美しく生きるという事

2月の頭に健康診断に行って来て、きのうその結果が届いた。

もうそれなりの年齢だからそれなりに悪いところもあった。

すると、肝機能の値が基準値より10高い。

デジャブ。

今から4年前、それとほぼ同じ事があった。

1月の終わり、健康診断の結果が届き、やはり肝機能の値が10高かった。

そして翌2月の終わり、私は原因不明の痛みで救急車で病院に運ばれた。

結果は尿路結石症だった。

ひとまず原因が判明してほっとしたのもつかの間、今度はいきなり高熱に見舞われた。

身体が石のように重くだるい。トイレへは床を這いつくばって行った。

これはなんだ?

血液検査の結果、肝機能の値が300あった。

即入院となり検査をしたが原因は分らなかった。

肝炎ではなかったのである。

 

あれから4年が経った。

ずいぶん長い時間が経ったように思っていたが、まだ4年だったのか。

 

肝機能の値が高いだけで入院なのだ。

もし、他のところが悪くなっていたら、私はどうなるのか。

お風呂に浸かりながら自分の手足を眺めて『死』について考えた。

今はお湯を吸ってみずみずしく見える手や足だが、いずれその日を迎える。

私は改めて、死んでいる自分の体の事を想像して悲しくなった。

この手足は私の生そのものだ。

歩いたり走ったりずいぶんと長い間私を支えてくれたし、いろんな物を作ってきた。

それが失われる。

それはとても悲しい。

私の身体だってそうだ。

妊娠出産して子供を世に送り出した。

それが失われる。

それは誰よりも自分が一番悲しいことなのだと思う。

 

今私はちょっとばかり恐れている、再びだるくなって入院する羽目になりはしないかと。

 

 

 

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最近のこと

2023-02-12 11:35:38 | 美しく生きるという事

死んでしまった愛犬の事ばかり書いていたが、

思い返せば、彼はいきなり死んで私の目の前からいなくなったわけではなかった。

死ぬ一週間前からその兆候はあったのだろうが、それに飼い主である我々が気づかなかったのだろう。

お散歩途中で歩かなくなる、食べなくなる、粗相をする、病院に連れて行く、投薬する、下痢をする…。

慌てた私は犬用おむつとトイレシートを買ってきた。

横たわったままでおしっこと下痢をするので毛が汚れて何度拭いても落ちない。

お風呂場でシャワーを掛けてみたが自力で立てなくなった犬を一人では支えられなくて諦めた。

下痢するたびに拭いて拭いて拭きまくった。

汚れた物はとりあえずトイレに段ボール箱を用意しその中に捨てていった。

自力で立てなくても頭を上げてはバタンと床に打ち付けるので痛くないようにマットや毛布を敷き詰めた。

もう病院に行って薬を打って貰おうとは考えなかった。

このまま静かに生きて行くのだと思っていた。

だけどいつまで?

私の心を読んだかのように、土曜日朝病院に電話して様子を話した後、

さ、病院行こう、と抱き上げ玄関に向かっていた時に最後のうんちをして死んだ。

それだけの時間を掛けて死んでいったのだった。

 

そこで愛犬の生涯が終わり、あとに残された飼い主は未だ生き続けている。

生きている限り自分に出来ることをして健康でいたい。

幸いなことに仕事では、退職する同僚二人がやっていたことを私に任せてくれるそうだ。

まだまだ頑張らないといけないのだ。

ありがたいことだ。

同僚二人は3月で職場を去る。それは寂しい。

でも残された職員達と力を合わせて新しい年度を作るのだ。

 

去る者は追わず、ふふと苦笑する、去った者を追う?不可能だ。

去る者は追えない。だから追わない。

だけど、去った者が残したものは大事に使わせて貰う。

それらはほぼ、形のある『物』ではなくて仕事に対する『愛情』だ。

それを私は今ひしひしと感じている。

この数年、毎日当たり前の様に浴びていた『愛情』というものを、

私はこの3月で確実に失う。

しかし、心に刻まれた『愛情』は決して消えはしない。

その『愛情』を抱いて、4月からは頑張ろうと決めたのだ。

それが今の私の生きる原動力になっている。

 

 

 

 

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生きとし生けるもの

2023-02-11 22:34:22 | 美しく生きるという事

日が延びてきましたね。嬉しいことです。

春も間近ということですね。

タイトルの『生きとし生けるもの』には姿があります。

人も生まれて死ぬ動物です。

動物は身体を持っています。その体にいつ自我が入るのでしょう。

私の身体の中の『私』はどうやって生まれたのでしょう。

生まれてこの方何十年も『私』をやってきましたが、

どうして私なのか不思議に思います。

そして死ぬとき、これまでの例にならい動かなくなった身体を残すのです。

動かなくなった身体は一緒に散歩できないし、手もつなげない。

一緒にいたくても自力で歩いてくれない、しゃべってもくれない。

一番困るのが身体が腐敗していくことです。

 

死んだら姿を消してしまうんだ。

いなくなるのだ。

いない世界を生きるしかないのだ。

一緒に過ごした楽しい時を思い出すとき、

はかないものだったと知ります。

過去ははかないもの。

死者は過去に葬り未来を見て生きていくのです。

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