フィクション『同族会社を辞め、一から出直しオババが生き延びる方法』

同族会社の情けから脱出し、我が信ずる道を歩む決心をしたオババ。情報の洪水をうまく泳ぎ抜く方法を雑多な人々から教えを乞う。

やもめのオババ

2019-01-31 22:58:06 | 美しく生きるという事

日頃ヤモメなオババは(あ、亭主は生きています)、

辛い仕事から帰ってきても誰にも愚痴をこぼせないので、

ついつい細身の体に押し込みこわばらせたりしています。

しかし、今日救いの神が現れました。

息子です。

こっち方面に仕事に来ているので、自宅に帰るより近いから、という事で寄ったそうです。

そこはかつてははにかみ少女だったオババも、

洪水のごとく会社の不満を彼に流しました。

そもそも息子と言うものは、母親の話など聞きません。

当然要らぬアドバイスもいたしません。

オババの不満は一方通行です。

それで良いのです。

すっかり中年女性となったオババは、

単に愚痴をぶつける相手が欲しいだけなのです。

そんだけ。

排泄と同じね。

体に悪いものは外に出すのよ。出さずに溜め込むのが良くないの。

ちなみに娘に話せば(オババには娘はいないが)

いちいち要らぬおせっかいにアドバイス、

言わなきゃよかったぁ、となるのが目に見えています。

オババも若い頃、母にそういうことをしました。

母は、嫌な気持ちになったろうな。すいません😣💦⤵

という訳でほんの少しだけ気持ちが軽くなったオババでした。

 

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

劣等感・嫌われたくない

2019-01-31 00:02:49 | ショートショート

人には好かれたいものです。

自分が嫌いな人でも、自分の事は好いてもらいたい。

嫌われるのが怖い。

嫌われていじめられて仲間外れにされて恐怖を味わった人は、

嫌われたくないと思って、相手の言いなりになったりするよね。

後は、相手の喜ぶようなおべんちゃらとかごますりとか一生懸命するよね。

けど、本当は人間嫌いなんだ。

けど、一人では生きられないからなんとか術を見つけたんだ。

うまいこと泳げるよ。

こりゃいい。

けど、疲れるね。

誰かに分かってもらいたい。

けど、誰にも言えないよね。

だって、それを知られたら馬鹿にされるでしょ?

人は、嫌われるのもいやだけど、見下されるのもいやだよね。

だから、嫌われないで、見下されないで、そんな自分を構築するがごとく、

日々奮闘しているのさ。

 

ああ、他人のそんなところも知りたくはないね。

人はみんな強く見えるから。きっと強いのさ。

弱い人は、嫌いだ。

あ、じゃ、弱い人にも好かれたい?

ううん、強い人に好かれたい。

何故なら、強い人と同類だと勘違いしてもらえるから。

 

 

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

子宮からの呼び声

2019-01-29 22:03:48 | ショートショート

私はその声をかすかに聞いていた。だけど、今の私は遊びたい。旅行したい。

仕事したい。買い物、創作、好きなこといっぱいで、そんな声に耳を傾けてはいられない。

20代、30代、私は好きなことをやって楽しく生きてきた。そして40代目前になって、

その声がにわかに大きくなってきているのを感じていた。

『私を知っているでしょ』

『私を生かして』

『私を殺さないで』

『生まれてきて良かったと思わせて』

そこまで言われては、私は考えこんでしまう。

だけど、いくら考えても何も浮かばない。なぜなら、もう半分以上私はそれを殺しているからだ。

もう少し頑張ればなんとかなるのかもしれない。でも私は頑張りたくない。それをしたくない。

あるいは、望んでももう手に入らないかもしれない。

自分ではそう決心したつもりだ。なのに、毎夜、あの声が聞こえてくる。

『生まれてきて良かったと思わせて』

私は耳を手でふさいで必死に眠ろうとする。

『生まれてきて良かったと思わせて』

耳をいくらふさいでも声はやまない。なぜなら、その声は私の内側から発せられているからだ。

私の肉体の血の流れに乗って、私の体中にその声が広がっている。

『生まれてきて良かったと思わせて』

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

劣等感・子宮からの呼び声

2019-01-27 21:30:40 | ショートショート

  私はかつての恋人にひょんなことで再会したが、幸せに暮らしていると思っていた彼は妻を病で亡くしていた。

  私は彼と再会してからほどなく、彼の口から、

『俺は、自殺だと思っているんだ。首つったり、電車に飛び込んだりしたら、

いくらなんでも俺がかわいそうだと思ったんだろう。病気ならだんだん悪く

なってそのうちに死んじゃうからいいと思ったんじゃない?

だけど、最後には怖くなったから俺に話したんだよ』

と言うのを聞いたのだ。

今思うと、それが本当のところだろう、と言う気がする。自分は生きている価値が

無いから、自分の体が病にむしばまれてもそれが当然の報いだと信じて医者にも

行かず、夫にも相談せず、悪くなるのをただ見つめていた。

自分の体が滅びていくのを見守っていたのだ。

 

 ところで今の私には劣等感があるだろうか。

中学生の時は得体のしれない劣等感に悩まされた。自分は誰と比べても見劣りする、

と言う気がしていた。だからと言って、変な優越感もあった。

私は出来る人間なのだ。周りにいるやつらとは違うのだ。

長じて働くようになっても、どこかで自分の事を他人のように見つめる癖があった。

わざと自分を傷つけて高みから見降ろし、あざけり笑うことをした。自分に我慢ならないのだ。

自分でいるのが嫌なのだ。自分が嫌いだから自分を傷つけるのだ。

しかしどうして私は自分が嫌いだったのだろう。

自分の望んでいた人物像に似ても似つかなかったからか?

自分を貶めることもした。いろんな男と交わり、絶望感を味わった。

私はセックスに希望を持てなかった。

 私を助けたのは、妊娠だった。子どもが生まれ、私は自分の持っていた劣等感を

捨てることが出来たのだ。鼻持ちならない自分はもういない。

代わりに赤子を守って行かねばならないのだ。自分はどんな価値があるだの、どんな人間になりたいだの、

そんなことを言う必要はない。自分の仕事が見つかったのだ。

この子を立派な大人に育てること。それが私の仕事なのだ。

この子が私に『母親』と言う仕事をくれたのだ。

だから、私は大手を振って、その仕事に就くことが出来たのだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

PC時代

2019-01-19 22:11:51 | 美しく生きるという事

アナログ、デジタル、文化はどんどん進化を続けました。

オババが子どものころになかったおもちゃは、パソコン、スマホ、テレビゲームなどかな。

オババが結婚して世間から隔離された世界で生き始めたころから、

世の中は劇的に変化していったのでした。

そして家計を助けるために就職して出会ったコピー機。

なんじゃこりゃ。

パソコンソフト。

………。

だけど、片足突っ込む事が出来てよかったな、と思うんだよ。

多少知っていれば、分からないところだけ『えへ!』とほほ笑んで教えてもらって先に進めるじゃん。

こういうものがある、と知っていることが意味あるのかもしれないな。

 

さて、そんなことをつらつら考えていましたら、現代のニートとか、引きこもりとか、多くなっているのは、

絶対に、パソコンだのスマホだのテレビゲーム、携帯ゲーム、だの、そういう家系おもちゃが充実しているせいだ、と言う気がして来たよ。

外の空気を吸わなくても、ひがな一日退屈せずに暇をつぶせるんだから。楽じゃん。

外に出て、いやな人と顔を合わせる必要もない。働くなんてばからしい、と思えて来るよね。

本人がそういう自分にどういう価値観を持っているかは知らないけれど、

自分をそういう目に会わせて死ぬまで太陽にもあてずに腐らせてもいいんだろうから、

ね、もったいないとは思うけど、本人がもったいないと思わないんだから、別にいいよね。

ニートとか、引きこもりとか、お金かかるよね。

何も食べないで、お風呂にも入らずに、お金も手間も何もかからなければ、まだましなのにね。

ニートや引きこもりって動物なんだろうか。

動物なら広い原っぱを走り回りたいと思うんだけど。これもオババの押しつけなのかな、

こうあるべきだって。

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする