フィクション『同族会社を辞め、一から出直しオババが生き延びる方法』

同族会社の情けから脱出し、我が信ずる道を歩む決心をしたオババ。情報の洪水をうまく泳ぎ抜く方法を雑多な人々から教えを乞う。

平成よ、さようなら

2019-04-30 23:29:33 | 美しく生きるという事

20代最後の年に始まった平成時代。

三年付き合って煮えきらないので捨てた男がいた。

てゆーか、新しい恋人が出来たから、

潮時だと思って捨てた。

そんな自由奔放さにそろそろ決別して、

落ち着きなさい、と言ってくれた平成よ。

30年は短いようで長かったよ。

だって、ピチピチギャルだった私が、

ブチブチオババになっちゃうんだもん。

悲劇よの~☺

明日から令和ですと。

オババも、令嬢のごとく和やかに生きていきますわ🎵

 

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実家問題

2019-04-29 16:02:56 | 美しく生きるという事

もう高齢者となった両親のご機嫌伺いに実家に行ってきました

気候が良いせいか、顔色も機嫌も体調も良いらしく、始終にこにこでした。

と言うのは、彼らの嫌いなムコが付いて来なかったからです。

親子水入らずで過ごす一日はなんと穏やかで楽しいのでしょうか!

オババ、こんな日がやってくるなんて思ってもいませんでした。

若い頃はお互いとげとげしいやり取りをしていたものだったのに、

いつの間にかそのような戦いがうそのように、和やかになっています。

しかし、オババがもう還暦近いのですから、両親だって、80歳代の立派な高齢者ですよ。

髪は白くなり、背は縮み、お爺さんとお婆さんです。

いつまでもこうやって楽しい日々が続くわけないんだよな。

いつかその日がやってくるんだよな。

彼ら、「死んだら○○出来ないから今のうちに」って言うようになりました。

先日遺影を撮ったって、私に見せてくれました。

なんと言ったらいいのか分からなくて困り、「よく撮れているね」とほめました。

私もあと20年したらこんな感じになっているんだよな。

正直、これ以上歳を取るのはいやだな、って思っています。

還暦になったら、20歳に戻れるシステムだったらいいのに。

 

実家を片付けようとしたらどのくらいお金がかかるか?

と、少し見積もろうと考えていたのですが、

なんかそんな気になれませんでした。

この実家を売ってお金にするんじゃなくて、住み続ける手もあるじゃない?

やっぱ、両親が汗水たらして働いたお金で建てた家だから、

壊すというのもつらいものがあります。

うちの近所にも空き家が何軒もありますが、

思い出の家を壊したくない、と言う遺族の考えがあってのことでしょう。

住んであげれば、壊さないで済むから片付けもしなくていいし、お金もかかりません。

 

オババは正直実家は主要JR駅から奥に引っ込んだところにあるので、

どこか行くのも時間かかるし、道は狭いし、込んでるし、で、2度と住むまい、と考えていたのですが、

なんだか、最近、もう少し歳をとったら住んでもいいかな、という気持ちが芽生えているのです。

そしたら今住んでいる家は子どものうち誰か住みたい人に譲って、

もし誰も要らない、と言うのなら、売却したっていい。

ここもいい街だと気に入って住んでいるんですが、

還暦を目の前にして気持ちが赤ちゃんに戻っていく感じです。

故郷に帰りたい。

若い頃住んでいたところに帰りたい。

 

ただ一つ問題が。

実家に住みたくなくてお金になったら欲しがる人がいます。だーれだ?

……骨肉の争いは避けたいと思っています(笑)……

 

 

 

 

 

 

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オババの10日間

2019-04-27 18:04:16 | 美しく生きるという事

まさかホントに10日の休日になるとは思いませんでした。

しかし、本来の出勤日である4/30と5/2は研修と言うことで出勤します。

まあ、今年は天皇退位と言うことでスペシャルイヤーなのでしょうがないけれど、

あんまり休日くっつけてもどうなんでしょうかね。

いっそ、社会人にも学生並みの、夏休み、年末年始、春休み、を設けてはいかがでしょうか?

 

初日は、日ごろの疲れをいやすということで、家でのんびりします。

とっても見苦しくなった髪の毛を整えに美容院に行き、

書かなきゃいけない書類をちょこっと作成し、

長い間ほったらかしにしていたピアノの蓋をあけ、ちょこっと弾いてみたり、

こないだ作ったくまさんの第二バージョンを考えなきゃいけないな、とちらっとおもったり、

撮りためたドラマを見ては消し、見ては消し、

そんなことをしているうちに、愛犬の散歩時間となり…。

ああ、今日は寒いですね。昨日も寒かったですね。今日みたいな日は4月だけど、綿入れ着ていいのかな。

好きなパン屋さんに行くのもはばかられるような凍える一日でした。

出るのがいやなのね。

明日はあったかくなるといいな。

 

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オババとぬいぐるみ

2019-04-23 19:53:37 | 美しく生きるという事

オババは小4の時、ぬいぐるみ講座を受けてぬいぐるみを何体か作った。

ミシンはまだ使えなかったから手縫いだった。

半返し縫い、縫い終わりの処理など、そこで学んだ。

出来あがったぬいぐるみは、緑のタオル地の牛。

ピンクのウサギ。赤いフェルトの小鳥。

出来は、子どもだもの、市販品と比べて作りは甘かった。

テキストに出てきた写真となんとなく違っていた。

しかし、ぬいぐるみは出来あがった。

そして、年月がたち、そのぬいぐるみたちはどこに行ったのだろうか?

今のオババの家にはない。

実家に置きっぱなしにして、親に捨てられたと思っている。

しかし、もし、親が捨てずにいて、実家のどこかにあったとしたら?

私がそのぬいぐるみたちと再会したら?

あるかな?ないかな?

当然ないものとして長らく生きてきて、ある日再会したら?

どう向かい合えばいいんだろう?

長い間そばになくても平気だったんだもの、いまさらそばにいられても困る…と言う感覚はあるだろう。

だけど、存在しているのならないがしろには出来ない。

どうしようかな~!

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横取り

2019-04-21 21:03:15 | ショートショート

 彩子は自宅玄関の掃き掃除をしていた。

小さな箒で集めたごみをチリトリに入れながら、ふとある歌謡曲のフレーズが頭の中に流れた。

稽古不足だと、恋の舞台に間にあわない…。

そしてそれと同時に、幾つもの記憶が芋づる式によみがえってきた。

 

 彩子は若い頃、彫りの深い顔立ちのハンサムな男に恋をした。

だが、彩子は男性との付き合い方を知らなかったので、これまでの友達にしてきたように、

心とは反対の接し方をしてしまっていた。

つまり、好きだとか仲良くしたい、と言う気持ちを素直に出さず、

相手の好意に対して知らないふりをしたのである。

相手が困った表情を見せるのを見て彩子はやっと相手が自分と仲良くしたいと認識し、接していたのだった。

だから、今回も、どんなにその男性と仲良くしたいと思っていても、相手が自分に好意を持っていそうだ、と分かっていても、

知らないふりをしたのである。そして、相手が自分にすり寄ってくるのを待っていた。

しかし、残念なことに相手もまた恋における行動ノウハウを知らなかったらしく、

彩子にその気はないのだと勘違いし、去って行った。

彩子はあわてて、電話をしたり、会って話をしようとしたが、

向かい合っていると、言葉が何も出てこなかった。

「続かないでしょ」と長い沈黙の後相手はつぶやくように言った。それで終わりだった。

彩子はショックを受けたのだった。

いい男を逃してしまった。チャンスはそうそう来るものではない。いや、もうチャンスなど来ないかもしれない。

それから彩子は、自分に言い寄ってくる男性とは、努めて仲良くし、相手が逃げていかないよう優しく接した。

何人かの男性と付き合ったのち、うまい具合に結婚までこぎつけた男性との暮らしはもう30年になる。

 

 彩子はきれいになった玄関を眺めながら、考えた。

「あの人とうまいこと結婚出来たらよかったのに。きっとあの人は私を大事にしてくれただろう」

と思う。だけど、あれから30年以上経っている。一体どんな人相になっているだろう。

若い頃かっこよくても歳取って惨めったらしい風貌になる男はごまんといる。

あの人だってそうではないとは限らない。

若い頃は、遠い未来のことなど考えないものだ。目の前の男が歳取ってどんな顔つきになるかなんて考えやしない。

だから、今あの時の事を後悔しても、あれからたくさんの時間が過ぎて行き、

ここにあの時の彼を連れて来られない以上、あの時の彼はいないのである。

恋のノウハウを駆使し今なら彼を手に入れられるとしても、歳取った男が目の前にいるだけなのである。

 

 そう考えると…、と彩子はため息をついた。

逆のパターンもあるかもしれない、と思いついた。

若い頃ぱっとしなかったけれど、仕事して幸せな結婚生活を送り、立派な紳士になっている人だっているだろう。

若い頃は、恋人が立派な紳士になるかどうかなど分からず、結婚は賭けのようなものだ。

危険だ。保証はない。

自分が育てるのは金と時間と愛情が必要で、それだけ手をかけても立派に育てるのは難しい。

だったら、今、よその女が育ててくれた立派な紳士を口説いて手に入れる方が手っ取り早いではないか?

 

 そうだ、それがいい。

同窓会に行って、よその家庭で育った魅力ある紳士をハンティングすることにしよう。

「若い頃は私見る目がなかったのね」と、流し目で誘惑することにしよう。

 

 

 

 

 

 

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