寅さんの昔の映画、テレビで見てますけど、
去年は、『分かる、分かる、寅さんの気持ちよくわかる!』
と、寛大な心でいられたんですが、
今年は駄目です。
彼の(映画の中の寅さんね)の言動が、いちいち癇に障ります。
何で、そこで、素直になれないの?
何で、相手が傷つくと知っていてひどいことを言うの?
どうして目の前の心やさしい人たちを傷つけたいの?
昨年も放送してましたけど、台詞が変わったとか、そういうことはないと思います。
去年の寅さんも、その台詞を言っていたと思います。
感じ方が変わったのは私の方なのでしょうね。
子どもと接する仕事をしていると、
相手は生身の人間ですからね、いろんなことを感じます。
お互い、優しく楽しく過ごせる時もあれば、
妙にいらだつ時もあります。
他者は自分を映す鏡だといいます。
相手の中に自分を見出しているんでしょうね。
目の前の子どもが、どうにもやりにくい部分を持っているとなれば、
きっと私にもそんな部分があるんでしょう。
反対に、一緒にいてとても楽しくて気持ちのいい時があるとすれば、
きっと私にもそのような部分があるのでしょう。
寅さんがとても嫌な人間に見えているのだとしたら、
きっと私も嫌な人間なんです。
子どもの頃、寅さんの映画を見たことがあったんですが、
その時は、人が楽しく過ごしているところに乗り込んできて、
わざわざ面倒を起こして周りの人たちを悲しませる、というシーンが大嫌いで、
ついでに寅さんも大嫌いでしたね。
きっと私はそういう人間だったんでしょうね。
自分をのけものにして、楽しそうに笑っている連中が憎らしくてたまらない。
どうして自分を入れてくれないの?と思ったら、
『何やってるの?私にも教えてくれる?』と声をかけて、仲間に加わればいいんです。
そして一緒にケタケタ笑って楽しめばいいんです。
何も、 『俺だけのけものにして何笑っているんだ?どうせくだらないことなんだろう?そんな程度の人間なんだよ、お前らは』と言う必要はどこにもありません。
いつもいつも、自分はのけものにされている、という思い込みから解放されないんですね。
血管を通してその考えが身体中めぐっているんでしょうね。
素直じゃない性格、と言うのは、人生で相当損しますね。
目の前の子どもに伝えてあげたいです。
ま、私も相当歳を食ったから分かったようなもんで、
人生が始まったばかりの子どもに、なかなかそれは、理解出来ないでしょうね。残念ながら。