大阪と奈良の県境にある生駒山の大阪側斜面に石切劍箭命神社(いしきりつるぎやじんじゃ)があります。
まるで近所のおっちゃんか、知り合いのおばちゃんみたいに「いしきりさん」と呼び親しまれています。
正月4日、15年ぶりぐらいでこのいしきりさんへ詣でました。
それまでお参りしていたのは「下之社」で、少し離れた宮山に「上之社」があることを初めて知ったので現場検証もかねてます。
二駅ほど離れたところに住む友人と近鉄石切駅で待ち合わせました。
二人とも初めて下車した駅だったので、違う改札口で待ちぼうけ。
やっと出会えて、まず探検先「上之社」を探して山を上がっていきました。
社伝によれば、饒速日が天の磐船に乗って河内の哮峰(たけるがみね)に降臨したのを祀ったのが宮山「上之社」です。
そのあと坂を下り、現在の本社である「下之社」への参道へ。
坂本赤まむし本店をはじめとする漢方薬や草餅、煎餅、団子店にまじって占い屋が立ち並んでいます。
その途中で「石切さん献牛祭」の牛車を展示しているところがあり、
赤や黄色、青といったど派手な5台の牛車に度肝を抜かれました。
ちょうど丑年なので撮影しました。
帰ってから調べてみると、毎年7月2日石切さん献牛祭のパレードが行われるようです。
鎌倉時代から江戸時代にかけて盛んとなり、昭和初期まで神社に伝わっていた神事で、昭和60年丑年にこの祭りが復活されたとか。
いしきりさんはでんぼの神さんとして有名で、おでき、腫れ物は今や癌にご利益があると、お百度参りする人も引きをきりません。
皆口々に『石切劍箭大神』ととなえながらです。
参拝者心得には『参拝者は石切劍箭大神とお称えください』とあります。
この石切さんの祭神は饒速日尊(ニギハヤヒ)と可美真手命です。
なら石切劍箭大神って誰?でしょう。
「いしきり」がアイヌ語で「長い・足」の意味になり、
縄文言語古代エミシ語による解析では「長い髄の神」だそうです。
神武天皇に刃向かって、兄の五瀬命を死に至らせた朝敵、国賊第一号にランクされた人物が長髄彦。
どうやら石切劍箭大神って長髄彦のようです。
「劍箭」は剣と矢のことで、はるか昔天から降りてこの地を治めた饒速日尊が携えてきた神宝といわれています。
「上之社」でわかったことは、後半で。