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安倍加計学園疑惑:今治市への獣医学部新設を確実にする三重のガードは“加計ありき”の有力な証拠

2017-08-15 10:20:02 | Weblog

 改めて戦略特区指定今治市への獣医学部新設という手続きでその事業主体が加計学園に決まった経緯を振返って見る。今治市が国家戦略特区諮問会議に事業主体を加計学園とする獣医学部新設を申請したわけではない。

 国家戦略特区に指定された愛媛県今治市が当初は事業主体を置かずに当市への獣医学部新設申請という手続きを取り、最後の最後になって内閣府がその事業主体を公募、加計学園のみが応募して認定されるという経緯を取っている。

 いわば事業主体は今治市が決めたのではなく、内閣府の応募によって決まるという体裁となっている。最初からそういう形式を取ると決められていたのだろうか。

 関係する国家戦略特区諮問会議や分科会、ワーキンググループ(WG)ヒヤリングの議事要旨の主なところを拾って、経緯を振返って見る。文飾は当方。

 第1回今治市特区分科会 

 1.日時 平成28年9月21日(水)10:27~11:25

 2.場所 内閣府庁舎3階特別会議室

 3.出席者

 <国>
 山本 幸三 内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革)
 佐々木 基 内閣府地方創生推進事務局長

 <自治体>
 菅良二今治市長

 <民間事業者>
 加戸 守行 今治商工会議所特別顧問

 <民間有識者>
 八田 達夫 アジア成長研究所所長
 大阪大学社会経済研究所招聘教授

 <オブザーバー>
 浅野 敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長
 林 政彦 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課調査官
 山下 一行 愛媛県地域振興局長
 渡部 浩忠 越智今治農業協同組合代表理事専務
 西原 孝太郎 公益社団法人今治青年会議所理事長

 <事務局>
 藤原豊 内閣府地方創生推進事務局審議官

 4.議事
 (1)「今治市 分科会」運営規則(案)について
 (2)認定申請を行う特定事業について
 (3)追加の規制改革事項について
 (4)その他 

 ○菅今治市長 それでは、「追加の規制改革事項について」として、獣医師系の国際教育拠点の整備についての提案をいたしております。

 詳細につきましては、後ほど民間代表であります今治商工会議所の加戸特別顧問より御発言をいただきますが、獣医学教育空白地域である四国に大学獣医学部の新設を目指すものでございます。

   ・・・・・・・

 本市は四国の中でも瀬戸内海の中心に位置し、気候が温暖で災害も少なく、世界有数の多島美と緑豊かな山間地域が織りなす美しい自然に恵まれ、古くから農業、畜水産業が盛んな地域であります。獣医学部が本市に新設された暁には、四国のみならず、瀬戸内しまなみ海道でつながる広島県を初め、瀬戸内海沿岸地域への危機管理対応も可能になるものと考えております。

○渡部代表理事専務 今治市にございます、越智今治農業協同組合の渡部でございます。

    ・・・・・・・・

 日本の食を支えていくのは彼ら若い世代ではありますが、国際的に人や動物の移動が盛んになる中、家畜の越境国際感染症が最大の脅威となっています。四国には獣医系大学がないため、食の安全確保、危機管理に対応できる獣医師が不足しています。特区に指定された今治市に獣医系大学ができることで、今治市の畜産振興が図られ、ひいては日本の食糧の安定供給と海外販路拡大に必ずつながるものと考えております。今治市に獣医学部の新設は絶対に必要です。よろしくお願いいたします。

○林調査官 農水省の林でございます。

 農水省としましては、獣医学部の新設は、皆さん御承知のとおりでございますけれども、学校教育法に基づく文科省の告示により規制されているという中で、引き続き獣医師の需給に関する情報等を収集・整理して、必要に応じて文科省等に提供させていただきながら対応してまいりたいと考えております。
今後ともよろしくお願い申し上げます。

○藤原審議官 ありがとうございました。

 本日は都合により御欠席でございますが、お話にもあったように厚生労働省とも非常に密接に関係している分野だと思いますので、よく連携を図っていきたいと思っております。

 一通り皆様より御意見を頂戴したわけでございますが、御質問、御意見、特にございますでしょうか。よろしいでしょうか。

 それでは、忌憚のない御意見をいただき、ありがとうございました。この議題(3)追加の規制改革事項につきましては、さらに論点あるいは検討課題を詰めまして、関係省庁とともに次回分科会までに、さらに検討を進めてまいりたいと思います。

 以上で議事は全て終了いたしました。

 (以下、山本幸三の纏めの発言)

 以上取り上げた議論は今治市長や越智今治農業協同組合の渡部浩忠等が四国は「獣医学教育空白地域」であるという理由で国家戦略特区指定の愛媛県今治市への獣医学部新設を求めている内容となっている。

 ここに取り上げなかったが、前愛媛県知事で、今治商工会議所特別顧として出席している加戸守行も同じような趣旨で今治市への獣医学部新設を求めている。

 但し平成28年9月21日の時点ではまだ今治市への獣医学部新設は認められていなかった。

 このことは平成28年9月30日の「広島県・今治市(第2回)国家戦略特別区域会議」でも同じで、その「議事要旨」を見ると、獣医学部新設の要請という形を取っていて、この時点でも今治市への獣医学部新設はまだ認められていなかった。 

 「第24回国家戦略特別区域諮問会議(議事要旨)」

 日時 平成28年10月4日

場所 官邸4階 大会議室
出席議員
議 長 安倍 晋三 内閣総理大臣
議 員 麻生 太郎 財務大臣
同 山本 幸三 内閣府特命担当大臣
同 菅 義偉 内閣官房長
石原 伸晃 内閣府特命担当大臣(経済財政策)兼 経済再生担当大臣
有識者 議員 秋池 玲子 ボストンコンサルティンググループシニア・パートナー&マネージング・ディレクター
同 坂根 正弘 株式会社小松製作所相談役
同 坂村 健 東京大学大学院情報学環教授
同 竹中 平蔵 東洋大学教授 慶應義塾大学名誉教授
同 八田 達夫 アジア成長研究所所長 大阪学社会経済研究所招聘教授
門脇 光浩 秋田県仙北市長
髙橋 浩人 秋田県大潟村長
駒崎 弘樹 認定NPO法人フローレンス代表理事
鈴木 亘 東京都都政改革本部特別顧問

○山本議員 ありがとうございました。

 このほか、先月21日に、今治市の特区の分科会を開催し、「獣医師養成系大学・学部の新設」などについても議論いたしました。

 これまでの報告等について、有識者議員より御意見ございますでしょうか。
(「異議なし」と声あり)

○山本議員 ありがとうございました。

 それでは、速やかに認定の手続きを行います。また、共同事務局についても、有効に活動させていただきたいと思います。

    ・・・・・・・・

○八田議員 今治市は、獣医系の学部の新設を要望しています。「動物のみを対象にするのではなくてヒトをゴールにした創薬」の先端研究が日本では非常に弱い、という状況下でこの新設学部は、この研究を日本でも本格的に行うということを目指しています。さらに、獣医系の学部が四国には全くないのです。このため、人畜共通感染症の水際対策にかかわる獣医系人材の四国における育成も必要です。

 したがって、獣医系学部の新設のために必要な関係告示の改正を直ちに行うべきではないかと考えております。

 ありがとうございました。

○山本議員 ありがとうございました。

 山本幸三が言っている「先月21日」とは「第1回今治市特区分科会」が開かれた平成28年9月21日を指す。

 この9月21日以降から平成28年11月9日の「第25回国家戦略特別区域諮問会議」までの間に開かれた獣医学部新設に関係するワーキンググループヒアリングは10月17日の京都府と京都産業大学に対するヒアリング、「新たな獣医学部・大学院研究科の設置のための抑制解除」についてのみで、他には何も開かれていない。

 山本幸三が言っている「9月21日の第1回今治市分科会で今治市への獣医学部新設について議論した、これまでの報告について異議がないようだから、それでは、速やかに認定の手続きを行います」は今治市への獣医学部新設に関わる「認定の手続き」を行うとの意思表示そのものであろう。

 今治市への獣医学部新設に向けて議論を進めたいという意思表であるなら、「認定の手続き」という言葉は出てこない。

 いわば「第24回国家戦略特別区域諮問会議」で今治市への獣医学部新設を認めたことになる。

 だとすると、八田議員は認定を前提として発言していることになる。「今治市は、獣医系の学部の新設を要望しているが」「獣医系学部の新設のために必要な関係告示の改正を直ちに行うべきではないか」と認定を急ぐように求めたとうことであろう。

 そうでないと、山本幸三の「それでは、速やかに認定の手続きを行います」との文言がおかしなものとなるだけではなく、それ以降の「第25回国家戦略特区諮問会議」は地域条件の変更が行われたのみで、平成28年12月12日開催の「第26回国家戦略特区諮問会議」は今治市への獣医学部新設認定の文言は出てこないし、平成29年1月20日開催の「第27回国家戦略特区諮問会議」はこのブログで最初に触れている内閣府による2017年1月4日の今治市への獣医学部の事業主体公募に対する加計学園の応募を認定する議論が行われていて、その関係から、「第24回国家戦略特別区域諮問会議」で今治市の獣医学部新設が認められたとしなければ、では、どこで決まったのかということになって、疑問が生じることになる。

 「第25回国家戦略特別区域諮問会議(議事要旨)」     

日時 平成28年11月9日(水)17:15~17:53
場所 官邸4階 大会議室

○山本議員 続きまして、資料3を御覧ください。

 前回の会議で、重点課題につきましては、法改正を要しないものは直ちに実現に向けた措置を行うよう総理から御指示をいただきましたので、今般、関係各省と合意が得られたものを、早速、本諮問会議の案としてとりまとめたものであります。

 内容といたしましては、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置、農家民宿等の宿泊事業者による旅行商品の企画・提供の解禁となっております。

    ・・・・・・・・

○松野臨時議員 文部科学省におきましては、設置認可申請については、大学設置認可にかかわる基準に基づき、適切に審査を行ってまいる考えであります。

 以上です。

○山本議員 次に、山本農林水産大臣、お願いします。

○山本臨時議員 産業動物獣医師は、家畜の診療や飼養衛生管理などで中心的な役割を果たすとともに、口蹄疫や鳥インフルエンザといった家畜伝染病に対する防疫対策を担っており、その確保は大変重要でございます。

 近年、家畜やペットの数は減少しておりますけれども、産業動物獣医師の確保が困難な地域が現実にございます。農林水産省といたしましては、こうした地域的課題の解決につながる仕組みとなることを大いに期待しておるところでございます。

     ・・・・・・・・

○麻生議員 松野大臣に1つだけお願いがある。法科大学院を鳴り物入りでつくったが、結果的に法科大学院を出ても弁護士になれない場合もあるのが実態ではないか。だから、いろいろと評価は分かれるところ。似たような話が、柔道整復師でもあった。あれはたしか厚生労働省の所管だが、規制緩和の結果として、技術が十分に身につかないケースが出てきた例。他にも同じような例があるのではないか。規制緩和はとてもよいことであり、大いにやるべきことだと思う。しかし、上手くいかなかった時の結果責任を誰がとるのかという問題がある。
 この種の学校についても、方向としては間違っていないと思うが、結果、うまくいかなかったときにどうするかをきちんと決めておかないと、そこに携わった学生や、それに関わった関係者はいい迷惑をしてしまう。そういったところまで考えておかねばならぬというところだけはよろしくお願いします。

 以上です。

○八田議員 今度は、獣医学部です。

獣医学部の新設は、創薬プロセス等の先端ライフサイエンス研究では、実験動物として今まで大体ネズミが使われてきたのですけれども、本当は猿とか豚とかのほうが実際は有効なのです。これを扱うのはやはり獣医学部でなければできない。そういう必要性が非常に高まっています。そういう研究のために獣医学部が必要だと。

 もう一つ、先ほど農水大臣がお話しになりましたように、口蹄疫とか、そういったものの水際作戦が必要なのですが、獣医学部が全くない地方もある。これは必要なのですが、その一方、過去50年間、獣医学部は新設されなかった。その理由は、先ほど文科大臣のお話にもありましたように、大学設置指針というものがあるのですが、獣医学部は大学設置指針の審査対象から外すと今まで告示でなっていた。それを先ほど文科大臣がおっしゃったように、この件については、今度はちゃんと告示で対象にしようということになったので、改正ができるようになった。

 麻生大臣のおっしゃったことも一番重要なことだと思うのですが、質の悪いものが出てきたらどうするか。これは、実は新規参入ではなくて、おそらく従来あるものにまずい獣医学部があるのだと思います。そこがきちんと退出していけるようなメカニズムが必要で、新しいところが入ってきて、そこが競争して、古い、あまり競争力がないところが出ていく。そういうシステムを、この特区とはまた別にシステムとして考えていくべきではないかと思っております。

○山本議員 御意見をいただき、ありがとうございました。

 それでは、資料3につきまして、本諮問会議のとりまとめとしたいと思いますが、よろしゅうございますか。

 (「異議なし」と声あり)

○山本議員 御異議がないことを確認させていただきます。ありがとうございます。

 それでは、本とりまとめに基づき、速やかに制度改正を行いたいと思いますので、関係各大臣におかれましても、引き続き御協力をお願い申し上げます。
以上で、本日予定された議事は全て終了しました。

 (安倍晋三の挨拶)

 「資料3」が全員一致の「異議なし」で決められた。

 資料3とは「第25回国家戦略特別区域諮問会議」に配布された資料の一つを指す。

 「国家戦略特区における追加の規制改革事項について(案)(資料3)」     

 国家戦略特別区域諮問会議

○ 先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策など、新たなニーズに対応する獣医学部の設置

・ 人獣共通感染症を始め、家畜・食料等を通じた感染症の発生が国 際的に拡大する中、創薬プロセスにおける多様な実験動物を用いた先端ライフサイエンス研究の推進や、地域での感染症に係る水際対策など、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するため、現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。

 先に触れたように「第25回国家戦略特別区域諮問会議」で、〈現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。〉地域条件変更の制度改革を行うことを決定した。

 ここに疑問が一つ浮かぶ。平成28年10月4日開催の「第24回国家戦略特別区域諮問会議」で今治市への獣医学部新設を決めていながら、なぜ平成28年11月9日開催の「第25回国家戦略特別区域諮問会議」で地域条件を〈現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り〉〉と変更し、変更を可能とする制度改革を行わなければならなかったのだろう。

 「第25回国家戦略特別区域諮問会議」で決めた地域条件変更に対する「パブリックコメント」(意見募集)を内閣府は2016年11月18日から12月17日の期限で行い、その結果を2017年1月4日に公表、同2017年1月4日、文科省は決定に従って地域条件変更の告示を改正した。

 2017年7月10日午後の参院閉会中審査

 桜井充民進党議員「山本大臣がこれ(文科省案に『広域的に』という文言を入れたこと)の指示を出したとおっしゃっていますが、これ、本当でしょうか。あの、答弁、午前中メチャクチャ長かったので、簡潔にお答え頂けますか」

 山本幸三「全くそのとおりでありまして、私が判断して、そのように指示を致しました」

 桜井充「じゃあ、大臣はどなたと相談して判断して、そのように指示を致しました?」

 山本幸三「藤原審議官に指示をしたわけでありますけども、相談はそれ以前からも民間議員の方々、あー、等の、等、それから、あー、文科省・・・・、等々の遣り取りの中で、えー、獣医師会について、えー、しっかりと、また対応する必要があると言うことを踏まえてですね、えー、最終的には私が判断したわけでありますが、あー、そん中では民間議員との、コミュニケーションもありました」

 山本幸三の答弁はきっぱりとどのような正式な会合で地域条件の変更を決めたと言い切ることができない、やっとの思いの胡散臭さたっぷりの発言となっている。

 2017年7月13日付「東京新聞朝刊」が、〈政府の国家戦略特区制度を活用した学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部新設計画を巡り、特区を担当する内閣府の塩見英之参事官は12日の民進党調査チームの会合で、昨年11月9日の特区諮問会議で示された「広域的に存在しない地域に限る」との新設条件について、特区ワーキンググループ(WG)の場で正式に議論したことがないと明らかにした。〉と伝えている。     

 塩見英之「WGの場ではないが、委員に意見を聞いて了解を得た上で話を進めた」

 要するに独断でも「総理のご意向」でもない、非公式に諮問会議やワーキンググループの委員に諮って決めたことだとしている。

 だとしても、既に今治市への獣医学部新設を決定している上に明らかに「獣医学教育空白地域」である四国を指す、〈現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正を、直ちに行う。〉として、今治市への獣医学部新設決定へのガードをなぜ更に固めなければならなかったのだろう。

 答を見い出すとしたら、先にちょっと触れたが、平成28年10月4日開催の「第24回国家戦略特別区域諮問会議」平成28年11月9日開催の「第25回国家戦略特別区域諮問会議」の間の平成26年10月17日に京都府と京都産業大学が共同で提出した、「京都産業大学獣医学部設置構想についてWGヒアリング資料」に基づいて、同日、「国家戦略特区ワーキンググループ ヒアリング」を行っていたからだろう。 

 京都府が事業主体を京都産業大学と決めて綾部市への獣医学部新設を申請するために資料を整えて内閣府に提出、資料で示した獣医学部設置構想のヒアリングを内閣の藤原豊審議官や民間議員から受けた。

 そして正式な会議に諮って決めたわけでもない、決定プロセスが不明確な、いわば四国限定だと示唆する内容の、〈現在、広域的に獣医師系養成大学等の存在しない地域に限り〉云々とする地域条件の変更が平成28年11月9日開催の「第25回国家戦略特別区域諮問会議」に突然飛び出してきた。

 だとすると、京都府が事業主体を京都産業大学とする獣医学部新設の構想が優れている内容だったから、今治市への獣医学部新設を二重にガードしなければならなくなって、地域条件の変更を行ったと見る他はない。

 その根拠はこの推測と地域条件の変更を正式な会議で決めていないことである。

 だが、京都府は地域条件の変更が決まっても、撤退しなかった。撤退したのは内閣府地方創生推進事務局が平成28年11月18日から平成28年12月17日を期限として、〈平成30年度の開設に向けた事業の確実な実施が見込まれるものであること〉と条件を付けた「文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件の一部を改正する件(案)」に関するパブリックコメント(意見募集)を行い、平成29年1月4日に全てを賛成多数とした結果発表と同時に公布したことによって、〈平成30年度の開設〉では準備期間が不足するという理由でだった。

 この〈平成30年度の開設〉の決定プロセスも正式な会議に諮ったわけでもなく、決定プロセスが至って不明確そのものとなっている。

 だが、加計学園はこの〈平成30年度の開設〉をクリアした。オウンリスクと言いながら、事業主体が加計学園に決定する前に校舎の工事を始め、教員の募集を始めていたからである。

 いずれにしても今治市新設の獣医学部新設決定を揺るぎないものとするためにだろう、地域条件の変更によって二重のガードをかけたばかりか、京都産業大学にはクリアできなかった〈平成30年度の開設〉を加えて三重のガードをかけたことは京都産業大学を蹴落として、“加計ありき”を確実とする策略の有力な証拠となる。

 と言うことは、安倍晋三の政治的関与は限りなくクロに近づけなければならない。

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