安倍晋三の8/26北ミサイル発射後の優雅な週末と「弾道ミサイル想定住民避難訓練」との乖離した危機管理

2017-08-28 11:40:03 | Weblog

 北朝鮮が日本時間の26日午前6時49分から午前7時19分までの30分間に短距離弾道ミサイル3発を発射した。米軍は当初、3発共、発射に失敗したと発表した。

 だからなのか、「時事ドットコム」「首相動静(8月26日)」によると、安倍晋三は〈午前中は来客なく、公邸で過ごす。〉となっているが、公邸と官邸はほんの一跨ぎの距離で隣接しているそうだが、首相官邸に入らなかったということなのだろう。       

 安倍晋三のこの対応はミサイル発射後に官房長官菅義偉が午前8時過ぎに官邸入りして、記者会見発言で示した状況と一致する。と言うよりも、記者会見で示した状況に安倍晋三が自身の対応を一致させたのだろう。

 「NHK NEWS WEB」((2017年8月26日 7時50分)      

 菅義偉「我が国の領域や排他的経済水域に落下するような弾道ミサイルは確認されず、わが国の安全保障に直接、影響を与えるものではないと確認した。

 安倍総理大臣には逐次、報告しており、安倍総理大臣からは、国民の生命や財産を守るために高度な警戒監視態勢を維持し、万全の態勢で臨むよう指示があった」

 要するに菅義偉なりから報告を受けて、官邸入りせずに公邸に留まっていた。

 だが、日本の「領域や排他的経済水域に落下するような弾道ミサイルは確認され」なかった、あるいは発射に失敗したからと言って、簡単に日本の「安全保障に直接、影響を与えるものではない」で片付けることができるだろうか。

 米軍は当初、3発共発射に失敗と発表したが、マスコミは夕方の時刻になって米軍が最初の発表を訂正、2発目は失敗したが、1発目と3発目は発射に成功、北東方向に250キロ余り飛行したと修正したことを伝え直した。

 発射地点は北朝鮮江原道安辺郡旗対嶺。その地点から北東方向と言うと、朝鮮半島の日本海側海岸線と日本の排他的経済水域の中間の方向に飛翔したことになって、尚且つ250キロの飛行距離では北朝鮮から日本本土に届く場所はないから、地理的には確かに日本には直接の影響はないことになる。

 但し直接の無影響はあくまでも今回の発射に限った結果論であって、例え最終的に失敗ということになったとしても、全てはミサイル開発の一環として行っている発射なのだから、失敗が次の成功のステップとなる可能性、あるいは直接影響を与える形に変化していく可能性は否定できない上に開発が進めば進む程に日本の安全保障に直接的にも間接的にも深刻な影響を与えていくことは必至な状況にあるのだから、今回の発射に限った結果論そのままに、いわば今回の発射は大したことがないから、首相が午前8時に目と鼻の先の公邸にいながら、直々に官邸入りしなくてもいいと手軽い対応で済ますことは安全保障上の危機管理として許されることだろうか。

 安倍晋三は上記「首相動静」によると、午後1時40分に公邸発、午後1時50分に東京・六本木のホテル「グランドハイアット東京」着、同ホテル内の「NAGOMIスパアンドフィットネス」で午後5時13分まで運動となっている。

 午前中は来客もなく公邸で過ごし、午後はホテルのフィットネスジムで約3時間、トレーニングマシン相手に汗を流す。なかなか優雅な時間を過ごしたようだ。

 政府は内閣官房を先頭にして自治体と手を組み、「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」の実施を奨励し、各地で実地に実施している。今回北朝鮮がミサイルを発射した8月26日も国と三重県と同県津市が共同して津市内2カ所で訓練を行っている。

 7月28日(2017年)付の「内閣府の記者発表」によると、場所は津市榊原町の榊原小学校及び周辺と高齢者福祉施設「特別養護老人ホーム榊原陽光苑」。時間はミサイル発射の午前6時49分から午前7時19分から約2時間半後の9時55分から10時15分までの20分間。   

 訓練は、〈X国から弾道ミサイルが発射され、我が国に飛来する可能性があると判明〉した場合、〈国からのエムネットによる県、市への情報伝達を実施〉、〈防災行政無線(屋外スピーカー)による住民への情報伝達を実施〉し、〈小学校において、奉仕作業中の児童、保護者、住民が避難を実施〉という手順が前以って決められている。

 防災行政無線(屋外スピーカー)による住民への情報伝達は地域衛星通信ネットワークを利用して市町村の防災行政無線を自動起動し、国からの情報伝達を直接住民に伝える仕組みの「全国瞬時警報システム」(Jアラート)を使用してのことらしい。

 高齢者福祉施設「特別養護老人ホーム榊原陽光苑」の訓練の場合は同じJアラートを使って施設の携帯電話にエリアメール・ 緊急速報メールを配信、〈職員による避難誘導(入所者の安全確保)を実施〉という手順になっている。

 「NHK NEWS WEB」記事によると、榊原小学校の訓練は弾道ミサイルが発射され、日本に飛来する可能性があることが判明したという想定で行われて、参加した児童たちは頑丈な建物や地下に直ちに避難するようにとの呼びかけに応じて体育館に避難、前以って教師から教えられていたのだろう、身を屈める姿勢を取った伝えている。   

 国や県、市の実施する側は失敗と発表はあったものの、北朝鮮が約2時間半前にミサイルを発射したばかりだから、訓練の必要性を身に染みて感じ取ったに違いない。

 「弾道ミサイルを想定した住民避難訓練」一件や二件にとどまらない。「内閣官房 国民保護ポータルサイト」には2017年度として5月19日から8月23日までに15回の各地での訓練が記載されている。

 その内の1回は訓練内容は他国からのミサイル発射を想定した点は同じだが、6月20日付で「平成29年度における国民保護に係る国と地方公共団体の共同訓練の実施について」と銘打って、国、地方公共団体、警察、消防、自衛隊及びその他の関係機関が参加、実動訓練を5県、図上訓練を24都道府県で大掛かりに実施する予定を伝えている。    

 「国民の生命と財産の安全」の名の下、このような避難訓練を全国各地で繰返し実施していくことで、北朝鮮のミサイルに対する国民の危機管理を切迫感を持たせて意識に刷り込んでいくことになる。そしていざというときにその意識が実際の行動となって現れる。

 このことを狙った訓練であるはずだ。北朝鮮に対する国家の危機管理に国民の危機管理を対応させる。成功すれば、意識のみならず、実際の行動としても、「一億総動員」は不可能ではない。

 安倍晋三が一国のリーダーである以上、国民をこのような危機管理に追い込んでいることをいっときも忘れてはならないはずだ。忘れない行動を取らなければ、リーダーとしての無責任を問われることになる。

 当然、北朝鮮の今回のミサイル発射に対して「わが国の安全保障に直接、影響を与えるものではない」、大したことのない発射だったからと官邸入りもせずに公邸で午前中は来客がないままいに過ごし、午後の3時間をフィットネスジムでトレーニングマシン相手に汗を流す優雅な週末の過ごし方からは国民をして追い込んでいる危機管理を忘れていないと見て取れる行動は何一つとして確認できない。

 余りにも乖離した危機管理となっている。少なくとも午前中早々に官邸入りして、自身の危機管理と国民の危機管理を対応させるべきだった。

 潰瘍性大腸炎を薬で治療したものの、その再発を薬で押さえているという62歳の身体で本当に午後の3時間もフィットネスジムで汗を流していたのだろうか。

 ホテルのジムと言うことだから、予め予約しておいた部屋に休養という体裁でトレーニングは早々に引き上げて、そこで若い女とでも会っていたということはないだろうか。安倍晋三が部屋を引き上げてから数時間後にチェックアウトすれば、人には知られずに密会はできる。

 それが午後のことであったとしても、一度官邸入りすると、余分な用事ができて邪魔されることはないだろうかと用心が働いて、公邸から目と鼻の先にある官邸に入ることをしなかった。・・・・・・

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