山口組が餅つき大会で子どもにお年玉――日本の未来は明るい

2009-12-31 09:12:45 | Weblog

 最初にお断り

 正月3ガ日はブログを休みます。3ガ日をのんびりと過ごすためではなく、痩せ馬の無茶走りからくるスタミナ切れで、多分疲労回復に3日間は必要と思われるからです。悪しからず。

 次にイギリス人女性歌手スーザン・ボイルについて。今年4月放送の歌唱力を競うイギリスのオーディション番組で優勝は逃し、2位に終わったものの、48歳という年齢、洗練されているとはとても言えない、そのオバチャンふうの冴えない外見とは裏腹の張りのある堂々とした美しい声でミュージカル「レ・ミゼラブル」の劇中歌、「夢破れて」(I Dreamed A Dream)を歌い上げて会場を騒然とさせ、一躍有名となって、その動画が「YouTube」に投稿されると、全世界から3億回以上のアクセスがあったという女性。

 私も「YouTube」にアクセス、その動画から歌を聴いて、鳥肌立つ思いにさせるそのうまさに驚いた一人だが、動画をダウンロード、暫く聞いていたが、そのうち忘れていたら、何日か前にプロの歌手になっていたということ、NHKの紅白歌合戦に招待されてゲストとして歌うということ、11月下旬発売のデビューアルバム「夢やぶれて」が一カ月経つか経たないうちに世界で800万枚も売り上げているということを知った。

 12月28日が私の69歳の誕生日、誕生日プレゼントをしてくれる者は誰一人いないから、自分で自分の誕生日プレゼントにと思い立ち、12月26日に近くに「ツタヤ」があるものだから、早速CDを購入。貧乏人の身からしたら清水の舞台から飛び降りる覚悟がいる2800円の出費。

 昼間もかけていたが、26日から27日にかけての夜の間、27日から28日にかけての夜の間、誕生日プレゼントだから寝ている間中もラジカセでかけっ放しで聴いた。その音に邪魔されて時折夜中に目が覚めたが、肥満気味で二重顎、オバチャンと言っていい感じで歳を取っている外見イメージとは裏腹の43歳とはとても思えない、二十代半ばの女性のものかと聴き間違える若々しい張りのある艶やかで澄んだ声とのギャップにうとうとしながらもふと違和感を覚え、戸惑うことがしばしばあった。

 この歌手は教会で歌っていたというから、ゴスペルは勿論、ジャズでもシャンソンでもカンツォーネでも、ブルースでも、どんな歌もオールマイティに歌いこなすことができる才能の持ち主ではないのだろうかと感じさせたばかりか、女プレスリーといった感じさえ抱かせた。

 「007 ジェームズ・ボンド」の新作の主題歌の歌手のオファーがきているというニュースもあったが、サスペンス映画の大作にふさわしい迫力ある力強さで朗々と歌いこなすのではないだろうか。きっとNHKの紅白の会場を沸かせて、新しいファンを獲得するように思える。

 紅白歌合戦は何十年と観ていないが、9時のニュース後に歌うようだから、そのときだけチャンネルを回そうかと思っている。ビデオに撮らなくても、誰かが「YouTube」に投稿するのを期待して、NHKが著作権違反で削除を申し込む以前にアクセス、ダウンロードするつもりでいる。

 この1年、私自身に関してはたいしたニュース(出来事)がなかったが、1年の終わりに来てスーザン・ボイルのCDを自前の誕生日プレゼントとし、その歌を堪能できるニュース(出来事)に出会うことができた。
 



 《山口組、餅つき大会の子に「お年玉」 警察「懐柔策だ」》asahi.com/2009年12月29日21:32)

 指定暴力団山口組が28日に開いた神戸市灘区の総本部餅つき大会で、訪れた子供たちに「お年玉」として現金1万~3万円を配ったという。

 「神戸新聞」WEB記事――《山口組が市民数百人に「年玉」 組長ら名義3万円》(2009年12月29日(火)11:09)は参加者は組員だけではなく、一般市民も混じっていたと書いている。

 お年玉袋には篠田建市(通称・司忍)6代目組長(67)=銃刀法違反罪で服役中=とナンバー2の高山清司若頭(62)の名前が、お年玉を受け取る子どもに読めるようにだろう、日本の役人にはない細やかな気配りでひらがなで書いてあったという。

 「asahi.com」記事は県警の話として、餅つきは05年に6代目組長が就任して以降の恒例行事で、餅つきを見物に来た約千人のうち、数百人いた子供の一部に菓子と一緒に配られたと伝え、捜査関係者のコメントを次のように紹介している。

  「不況の中で子供に現金を配布することで、山口組の存在を住民に認知させようと狙う懐柔策だ」

 「神戸新聞」の捜査員のコメントは次のようになっている。

 「全国の構成員から集めたお金をばらまき、市民社会への浸透を図っている。近隣住民の不安をかき消すための“偽装工作”だ」

 子どもがカネを貰えば、その子どもだけではなく、大人も批判できなくなる。お年玉の額が少なければ、ケチ臭いと悪口も言えるが、「1万~3万円」となれば、文句を言わせない十分な額と言える。

 逆に貰った側に有難いという気持を持たせることができたら、カネの出所を問わずに感謝の気持を持つ、そのことに何ら抵抗を感じない姿勢を植えつけることができたことになる。そのことに慣れると、抵抗を感じないどころか、当たり前とする姿勢になっていく。

 子どもならいざ知らず、一般市民の大人でありながら、餅つき大会だからといって主催者が暴力団であるか否かを問わずに参加したこと自体が既に通常の倫理観を麻痺させた行為と言わざるを得ない。もし子供連れということなら、大人の金銭感覚の麻痺、倫理観の麻痺を見習わせる同伴となったとしても不思議はない。

 中にはお年玉を貰ったことを後々まで記念として記憶する子どもも出てくるかもしれない。「スゲエーだろう、山口組から貰ったんだぜ」と後生大事に取っておいたお年玉袋を友達に見せびらかすまでになれば、貰ったことを単なる記念から自らの勲章とする、あるいはステータスとする出来事へと格上げしたことを物語る。

 こういった経緯は子どもの中で山口組を凄い存在、立派な存在と価値づけさせることによって可能となる自慢行為となっていることを証明している。

 このことは単に「山口組の存在を住民に認知させ」るというよりも、子どもたちに山口組を有難い存在と「認知させ」、併せてカネの出所を問わない金銭感覚の麻痺、倫理観の麻痺を誘う道とになるに違いない。

 「神戸新聞」が書いてるように「近隣住民の不安をかき消すための“偽装工作”だ」どころか、本人たちは意識していなくても、新たな組員の無限増殖に向けたクローンづくりが目的の“偽装工作”ともなり得る。

 カネにモノを言わせ、カネで言うことを聞く人間、カネで動く人間を育成していく端緒を成し、行く行くは組員へと仕込んでいく。

 餅つき大会を通してこのことが結果的に成功したなら、神戸市灘区は企業城下町と同じ構造の山口組城下町とならないとも限らない。あるいは多少なりとも既になっているのだろうか。

 「神戸新聞」は、〈中には「お年玉がもらえると聞いて来た」と話す中学生グループもいた。〉と書いているから、来年もお年玉を狙って来ることになれば、カネの出所を問わない金銭感覚の麻痺、倫理観の麻痺を相互作用的に確実にインプットさせていくことになるに違いない。

 大体が大人からして、そのカネが税金だろうと国家予算だろうと、会社の資金だろうと、その出所を問わずに私的に流用したり、私腹の原資にしたり、カネのためには何でもする生きものとして存在しているのだから、子どもが山口組を通してカネの出所を問わない金銭感覚を学んで大人の跡を追い、同じ大人になっていったとしても、決して間違った道を歩んでいるとは言えない。

 逆に大人に従い、大人を見習う子供と言うことで日本の未来は明るいと言える。

 去年の暮れと同様に今年も暮れが近づいてからニュースにたびたび取り上げられるようになった年越し派遣村のやるせない印象からしたら、餅つき大会の大盤振舞いのお年玉は、少なくとも子どもから見たら何と明るい話題だろうか。

 山口組は子どもにだけではなく、住む家もない、仕事もない、路上でしか年を越せないホームレスにも「1万~3万円」と言わず、「5万~10万」と配ったなら、義賊だ、正義の味方の暴力団だと評判が上がって社会に明るい話題を提供するだろうし、ホームレスの中には感激して就職するなら山口組だと心に決めて組に入る若者が続出するのではないだろうか。

 こういった場面を想像するだけで、日本の未来は益々明るく見えてくる。 

コメント (2)
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