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アメリカ合衆国憲法  日本語訳 前文と第1章[立法部]

2010-09-25 00:31:59 | 市民には何も知らされていない
[前文]
われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここにアメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。



第1章[立法部]
第1 条[連邦議会]

この憲法によって付与されるすべての立法権は、上院と下院で構成される合衆国連邦議会に属する。

第2 条[下院]

[第1 項]下院は、各州の州民が2 年ごとに選出する議員でこれを組織する。各州の選挙権者は、州の立法部のうち議員数の多い院の選挙権者となるのに必要な資格を備えていなければならない。

[第2 項]年齢25 歳に達していない者、合衆国市民となって7 年に満たない者、および選挙された時にその選出された州の住民でない者は、下院議員たることはできない。

[第3 項]下院議員と直接税は、連邦に加わる各州の人口に比例して各州間に配分される。【各州の人口は、年期を定めて労務に服する者を含み、かつ、納税義務のないインディアンを除いた自由人の総数に、自由人以外のすべての者の数の5 分の3 を加えたものとする。*】[修正第14 条、修正第16 条により改正]実際の人口の算定は、合衆国連邦議会の最初の集会から3 年以内に、それ以後は10 年ごとに、議会が法律で定める方法に従って行うものとする。下院議員の定数は、人口3 万人に対し1 人の割合を超えてはならない。但し、各々の州は少なくとも1 人の下院議員を選出するものとする。前記の算定が行われるまでは、ニューハンプシャー州は3 人、マサチューセッツ州は8 人、ロード・アイランド・アンド・プロビデンス・プランテイションズ州は1 人、コネチカット州は5 人、ニューヨーク州は6 人、ニュージャージー州は4 人、ペンシルべニア州は8 人、デラウェア州は1 人、メリーランド州は6 人、バージニア州は10 人、ノース・キャロライナ州は5 人、サウス・キャロライナ州は5 人、ジョージア州は3 人を、それぞれ選出することができるものとする。

 *奴隷は5 分の3 人として計算するという意味

[第4 項]州の選出下院議員に欠員が生じたときは、その州の執行部は、欠員を補充するための選挙実施の命令を発しなければならない。

[第5 項]下院は、議長その他の役員を選任する。弾劾の訴追権限は下院に専属する。

第3 条[上院]

[第1 項]合衆国上院は、各州から2 名ずつ選出される上院議員でこれを組織する。上院議員は、【各州の立法部によって】[修正第17 条により改正]、6 年を任期として選出されるものとする。上院議員は、それぞれ1 票の投票権を有する。

[第2 項]第1 回選挙の結果にもとづいて上院議員が集会したときは、直ちにこれをできるだけ等しい人数の3 組に分ける。議員の3 分の1 が2 年ごとに改選されるために、第1 組の議員の任期は2 年目の終わりに、第2 組の議員の任期は4 年目の終わりに、第3 組の議員の任期は6 年目の終わりに終了するものとする。【州の立法部が閉会中に、辞職その他の理由で上院議員に欠員が生じたときは、州の執行部は、州立法部がつぎの開会時に欠員を補充するまでの間、臨時の任命を行うことができる。[修正第17 条により改正]

[第3 項]年齢30 歳に達していない者、合衆国市民となって9 年に満たない者、および選挙された時にその選出された州の住民でない者は、上院議員たることはできない。

[第4 項]合衆国の副大統領は、上院の議長となる。但し、可否同数のときを除き、表決には加わらない。

[第5 項]上院は、議長を除く他の役員を選任する。副大統領が欠けた場合、または副大統領が合衆国大統領の職務を行う場合には、臨時議長を選任する。

[第6 項]すべての弾劾を裁判する権限は、上院に専属する。この目的のために集会するときには、議員は、宣誓または宣誓に代る確約*をしなければならない。合衆国大統領が弾劾裁判を受ける場合には、最高裁判所長官が裁判長となる。何人も、出席議員の3 分の2 の同意がなければ、有罪の判決を受けることはない。

 *宗教上の理由などから宣誓できない場合に、これに代えて行う宣誓同様の陳述

[第7 項]弾劾事件の判決は、職務からの罷免、および名誉、信任または報酬を伴う合衆国の官職に就任し在職する資格の剥奪以上に及んではならない。但し、弾劾につき有罪判決を受けた者が、法にもとづいて、起訴、公判、判決、または処罰の対象となることを妨げない。

第4 条[上下両院議員選挙]

[第1 項]上院議員および下院議員の選挙を行う日時、場所、方法は、各々の州においてその立法部が定める。但し、連邦議会は何時でも、上院議員を選出する場所に関する事項を除き、法律によりかかる規則を制定し、または変更することができる。

[第2 項]連邦議会は、毎年少なくとも1 回集会するものとする。会期の開始時期は、法律で別の日が指定されない限り、【12 月の第1 月曜日とする。】[修正第20 条により改正]

第5 条[議会手続]

[第1 項]両議院は、各々その議員の選挙、選挙の結果および資格に関して判定を行うものとする。各々の院は、その議員の過半数をもって議事を行うに必要な定足数とする。定足数に満たない場合においても、翌日に延会とし、各々の院の定める方法および制裁によって、欠席議員の出席を強制することができる。

[第2 項]両議院は、各々その議事規則を定め、秩序を乱した議員を懲罰し、3 分の2 の同意によって議員を除名することができる。

[第3 項]両議院は、各々その議事録を作成し、その院が秘密を要すると判断する部分を除いて、随時これを公表しなければならない。各院の議員の表決は、いかなる議題についても、出席議員の5 分の1 の請求があれば、これを議事録に記載しなければならない。

[第4 項]連邦議会の会期中、いずれの院も、他の院の同意がなければ、3 日間を越えて休会し、またはその議場を両院の開会中の場所から他へ移すことはできない。

第6 条[議員の報酬と特権]

[第1 項]上院議員および下院議員は、その職務に対し、法律の定めるところにより、合衆国の国庫から支出される報酬を受ける。両院の議員は、叛逆罪、重罪および社会の平穏を害す罪を犯した場合を除いていかなる場合にも、会期中の議院に出席中または出退席の途上で、逮捕されない特権を有する。議員は、議院で行った演説または討論について、院外で責任を問われない。

[第2 項]上院議員および下院議員は、その任期中に新設または増俸された合衆国の文官職に任命されることはできない。合衆国のいかなる官職にある者も、その在職中に、いずれの議院の議員たることはできない。

第7 条[下院先議、大統領拒否権]

[第1 項]歳入の徴収を伴うすべての法律案は、さきに下院に提出しなければならない。但し、上院は、他の法律案の場合と同じく、これに対し修正案を発議し、または修正を付して同意することができる。

[第2 項]下院および上院を通過したすべての法律案は、法律となるに先立ち、合衆国大統領に送付されなければならない。大統領は、承認する場合はこれに署名し、承認しない場合は、拒否理由を付してこれを発議した院に返付する。その院は、拒否理由すべてを議事録に記載し、法律案を再び審議する。再議の結果、その院が3 分の2 の多数でその法律案を可決したときは、法律案は大統領の拒否理由とともに他の院に送付される。他の院でも同様に再び審議し、3 分の2 の多数で可決したときは、法律案は法律となる。この場合にはすべて、両議院における投票は点呼表決によるものとし、法律案に対する賛成者および反対者の氏名は、各々の院の議事録に記載されるものとする。大統領が法律案の送付をうけて10 日以内(日曜日を除く)に返付しないときは、その法律案は、大統領が署名した場合と同様に法律となる。但し、連邦議会が休会に入り、法律案を返付することができない場合は、この限りでない。

[第3 項]両議院の同意を要するすべての命令、決議または表決(休会にかかわる事項を除く)は、これを合衆国大統領に送付するものとし、大統領の承認を得てその効力を生ずる。大統領が承認しないときは、法律案の場合について定める規則と制限に従い、上院および下院の3 分の2 の多数をもって、再び可決されなければならない。

第8 条[連邦議会の立法権限]

[第1 項]連邦議会は、つぎの権限を有する。合衆国の債務を弁済し、共同の防衛および一般の福祉に備えるために、租税、関税、輸入税および消費税を賦課し、徴収する権限。但し、すべての関税、輸入税および消費税は、合衆国全土で均一でなければならない。

[第2 項]合衆国の信用において金銭を借り入れる権限。

[第3 項]諸外国との通商、各州間の通商およびインディアン部族との通商を規制する権限。

[第4 項]統一的な帰化に関する規則、および合衆国全土に適用される統一的な破産に関する法律を制定する権限。

[第5 項]貨幣を鋳造し、その価格および外国貨幣の価格を規制する権限、ならびに度量衝の基準を定める権限。

[第6 項]合衆国の証券および通貨の偽造に対する罰則を定める権限。

[第7 項]郵便局を設置し、郵便道路を建設する権限。

[第8 項]著作者および発明者に対し、一定期間その著作および発明に関する独占的権利を保障することにより、学術および有益な技芸の進歩を促進する権限。

[第9 項]最高裁判所の下に下位裁判所を組織する権限。

[第10 項]公海上で犯された海賊行為および重罪行為ならびに国際法に違反する犯罪を定義し、これを処罰する権限。

[第11 項]戦争を宣言し、船舶捕獲免許状*を授与し、陸上および海上における捕獲に関する規則を設ける権限。

 *国家が私船に海賊行為をすることを認める許可状。1856 年のパリ宣言で禁止。

[第12 項]陸軍を編成し、これを維持する権限。但し、この目的のためにする歳出の承認は、2 年を超える期間にわたってはならない。

[第13 項]海軍を創設し、これを維持する権限。

[第14 項]陸海軍の統帥および規律に関する規則を定める権限。

[第15 項]連邦の法律を執行し、反乱を鎮圧し、侵略を撃退するために、民兵団を召集する規定を設ける権限。

[第16 項]民兵団の編制、武装および規律に関する定めを設ける権限、ならびに合衆国の軍務に服する民兵団の統帥に関する定めを設ける権限。但し、民兵団の将校の任命および連邦議会の定める軍律に従って民兵団を訓練する権限は、各州に留保される。

[第17 項]特定の州から割譲され、かつ、連邦議会が受領することにより合衆国政府の所在地となる地区(但し、10 マイル平方を超えてはならない)に対して、いかなる事項についても専属的な立法権を行使する権限、および要塞、武器庫、造兵廠、造船所その他必要な建造物を建設するために、それが所在する州の立法部の同意を得て購入した土地のすべてに対し、同様の権利を行使する権限。

[第18 項]上記の権限およびこの憲法により合衆国政府またはその部門もしくは官吏に付与された他のすべての権限を行使するために、必要かつ適切なすべての法律を制定する権限。

第9 条[連邦立法権の制限]

[第1 項]連邦議会は、1808 年より前においては、現に存する州のいずれかがその州に受け入れることを適当と認める人びとの移住または輸入を、禁止することはできない。但し、その輸入に対して、1 人につき10 ドルを超えない租税または関税を課すことができる。

[第2 項]人身保護令状*の特権は、反乱または侵略に際し公共の安全上必要とされる場合を除いて、停止されてはならない。

 *裁判所が身柄を拘束されている者の申し立てでその拘束が違法かどうか審査する令状

[第3 項]私権剥奪法*または事後法を制定してはならない。

 *反逆の罪などを犯したとして裁判手続によらずに市民の権利を奪う議会立法

[第4 項]【人頭税その他の直接税は、この憲法に規定した人口調査または算定にもとづく割合によらなければ、これを賦課してはならない。】[修正第16 条で改正]

[第5 項]各州から輸出される物品に対して、租税または関税を賦課してはならない。

[第6 項]通商または徴税に関するいかなる規制によっても、1 州の港湾に対して他州の港湾よりも有利な地位を与えてはならない。1 州に入港またはこれより出港する船舶に対して、他州に入港すること、または他州において出入港手続きをすることもしくは関税の支払いをすることを強制してはならない。

[第7 項]国庫からの支出は、法律で定める歳出予算によってのみ、これを行わなければならない。いっさいの公金の収支に関する正式の決算は、随時公表しなければならない。

[第8 項]合衆国は、貴族の称号を授与してはならない。合衆国から報酬または信任を受けて官職にある者は、連邦議会の同意なしに、国王、公侯または他の国から、いかなる種類の贈与、俸給、官職または称号をも受けてはならない。

第10 条[州権限の制限]

[第1 項]州は、条約を締結し、同盟もしくは連合を形成し、船舶捕獲免許状を付与し、貨幣を鋳造し、信用証券を発行し、金貨および銀貨以外のものを債務弁済の法定手段とし、私権剥奪法、事後法もしくは契約上の債権債務関係を害する法律を制定し、または貴族の称号を授与してはならない。

[第2 項]州は、その検査法を執行するために絶対に必要な場合を除き、連邦議会の同意なしに、輸入品または輸出品に対し輸入税または関税を賦課してはならない。州によって輸入品または輸出品に賦課された関税または輸入税の純収入は、合衆国国庫の用に供される。かかる法律はすべて、連邦議会の修正または規制に服する。

[第3 項]州は、連邦議会の同意なしに、トン税を課し、平時に軍隊または軍艦を保持し、他州もしくは外国と協定もしくは契約を締結し、または、現に侵略を受けもしくは一刻の猶予も許さないほど危険が切迫しているときを除き、戦争行為をしてはならない。




註釈 アメリカ合衆国憲法
鈴木 康彦
国際書院

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