きっと1年以上になるんだろう、私が彼の存在に気が付いたのは去年の冬前だったけど。
駅やスーパーへの道からちょっと脇に外れた細い道端に小さなテントが張られている。脇道なのでルート的には通行人が少ない、街中の生活者が多い地域内で周りは生活道路三本に囲まれており360℃見通しが良く、いつも人目にされされていてが、ある意味あまり邪魔にならない絶妙な場所とも言える。
近くに小学校があるが、登下校時の見守 . . . 本文を読む
フッと思いついていつもと違う駅で乗り換えた。
大阪市民は70歳になると市内の地下鉄・バスが50円で乗り放題で、これを喜ぶ人は多いし、羨ましがる人も多い。そりゃ交通費が大幅に安くなるんだもん。多分何分の一から10分の一くらいまで。
リタイア後の60歳代、交通カードに1万円入れていても毎日の通勤にすぐ無くなっていたのが、今は市外へ出掛けない限り減らないくらい。
我が家から繁華街へ . . . 本文を読む
朝から食器を洗いながら考えた、食べて寝るだけでも生きられるよなぁ。
本来なら食べ物獲得の為に狩猟?や農耕?していたのが、今はそのおこぼれで充分すぎる生活が出来ている。昔なら山に捨てられるか僻地に置き去りにされていたはず、明日に食料を、未来に子孫を残すために。
食べて寝てゴミ屋敷になる過程が安易に想像できる。
女は細々したことをする術が刷り込まれているけど、オトコのリタイア後は . . . 本文を読む
古い家計簿から息子達の教育費一覧が出てきた時に「本年の抱負」ページも残っているのを発見した。
年末に達成率が赤で追記されている。
80%達成していたのは「充実した一年とする」と「友達と密に連絡を取り合う」の二つだけ。
後は日常生活を、習い事するとかウォーキングするとか、の目標で達成率は0%だったけど、その項目は今はクリアしている。
1995年てことは約30年前の46歳の頃、 . . . 本文を読む
東京に住む長男から「4月から京都へ転勤になった」とLINEがきた。東京へ行ってまだ2年?サラリーマンはツライなぁ。
思えば新卒入社してからの数年で2、3回、それから海外へ出てまた国内へ、そしてまた転勤で東京へ行ってたのに。
東京の息子んちを拠点に遊び回る目論みは、私の体調不良の為に実行できず崩れ去ったに等しい、体力復活が望めそうもないこの2年が恨めしい。
それにしても嬉しい、 . . . 本文を読む
昨日お茶した友達N女史はご主人と二人暮らし、子供さんは居ない。
若い頃から病弱だったらしく、今は腰や膝等の肉体パーツに故障が多くて、お喋りの中でシミジミと言った。
「よくこのトシまで生きて来られたと思てるねん」
私より少し歳上だから他人事とは思えない。
知り合って5年ほどだけど、自分としては珍しく「親しくなりたい」と思える女性だけど残念ながら下戸、私には「お茶を飲みに行く」 . . . 本文を読む
今日もまた見知らぬ高齢者に声を掛けてしまった。
元々人見知りしない大阪のおばちゃんなので機会があれば気軽に声を掛けるが、加齢とともに厚かましさが加速し、もしツレがいたら他人のフリをされるかもしれない。
道の前方や階段の下で立ち止まっているトシヨリがいたら、通りすがりに「どうされましたか?」と声が出る。
たいていは何事も無く、休憩しながら歩いている高齢者がいかに多いかよくわかる . . . 本文を読む
愛読している朝刊掲載のエッセーの「席を譲られた時のルール」を読んでちょっと感心した。
男性が電車で席を譲られて思わず断りかけたが、それではルール違反になると思い直し座らせて貰ったとのこと。
何に感心したかと言うとその人の年齢、86歳。
彼は座ってから自問する。「腰は曲がっていない、杖もついていない、帽子をかぶりマスクもしている、どうして高齢者と分かったのだろう、、、」
私は . . . 本文を読む
誕生日なんてあまり気にしてこなかった。
勿論子供が小さい頃はプレゼントや友達を招いてのパーティもしたけど、そう大したことはしてこなかった。だいたいが自分の誕生日さえ気にしなかったんだから。
これって育ちのせいかなぁ、自分が幼少期にどう育てられたかどう過ごしてきたかが、人生の後半に大きく影響するとは思わなかった、てことが反省点かもしれない。
まぁ75年の人生の中 . . . 本文を読む
図書館の帰り道で顔見知りに会い立ち話、マスクしていてもすぐに分かるほどの昔からの知り合い。
「どこ行くのぉ?」から始まり近況を報告し合う。お互い息子二人いるのが同じで「娘さんいる人羨ましいなぁ」と続く。
御年85歳のはずだけどカートを引いているのが不便そう。
「元気やなぁ!」と続けて「もう押し車の方が楽ちゃうん?」と言うと首を振る。
まだそんなトシではないらしい。
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