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現実逃避ING

やるせない毎日からの逃避行。

世界柔道2011パリ 第四日

2011年08月27日 | 柔道
世界柔道4日目は、男子90kg級、女子70kg級、78kg級が行われた。
各階級への日本選手のエントリーは次の通り。

男子90kg級:小野卓志選手、西山大希選手
女子70kg級:國原頼子選手、田知本遥選手
女子78kg級:緒方亜香里選手、池田ひとみ選手

まずは女子70kg級。前回銅メダルだった國原選手に期待したいところだったが、準々決勝で敗退。敗者復活戦に勝って3位決定戦へ。序盤で内股を決めて技ありを奪い、優位を保ったまま試合を進めた。一本は取れなかったが、そのまま優勢勝ち。前回と同じ、銅メダルを獲得した。

次は女子78kg級。緒方選手が世界ランク1位ということで、金メダルへの期待がかかる。緒方選手自身も、銅メダルだった前回大会後にやはり金じゃないとダメだと気持ちになったらしい。順調に勝ち上がって辿り着いた決勝の相手は地元フランスの選手。前日の上野選手のように判定にもつれ込むわけにはいかない。試合運びは決して悪くはなかったのに、組み手争いから僅かに間合いが出来た瞬間、ほんの少しの隙が命取りになった。え?一本?と目を疑いたくなるくらい一瞬の出来事だった。悔しい銀メダル。金メダルへの思いは、来年のロンドン五輪にぶつけて欲しい。

最後は男子90kg級。準決勝で小野選手と西山選手が対戦。前回銀メダルの西山選手は、小野選手に勝ったことがないとのことで、優勝を目指す上でも五輪代表争いを考える上でも勝たなければいけない対決となった。今大会、何度も目にする日本人対決。ここでもやはり両者に技によるポイントは入らず。指導によるポイントで西山選手が決勝へ進出した。本当に僅かな差しかなかっただけに、今度こそ小野選手が大舞台で優勝する姿を見たかったのだが…。

その小野選手は3位決定戦へ。韓国の選手を相手に先に技ありを取られる苦しい展開だったが、逆転の一本で何とか銅メダルをもぎ取った。

西山選手の決勝の相手は前回と同じくギリシャのイリアディス選手。前回の雪辱を晴らして欲しいと期待したが、一本を奪われてまたしても敗れてしまった。序盤こそ自分の組み手で揺さぶることが出来ていたけど、途中からは完全に相手のペースになってしまった。まだ手の届かない金メダル。西山選手にもロンドン五輪でこの雪辱を晴らして欲しい。

4日目は銀メダル2つ、銅メダル2つという結果だった。

その他、田知本選手は三回戦でキューバの選手(國原選手が3位決定戦で戦った相手)に敗れ、池田選手は準々決勝で敗れ、敗者復活戦へ回るも3位決定戦へは進めなかった。放送の見落としがなければ、試合の映像はゼロだったので、両者とも試合内容がどうだったかは窺い知れなかった。
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世界柔道2011パリ 第三日

2011年08月26日 | 柔道
世界柔道3日目は、男子81kg級、女子63kg級が行われた。
各階級への日本選手のエントリーは次の通り。

男子81kg級:高松正裕選手、中井貴裕選手
女子63kg級:上野順恵選手、阿部香菜選手

まずは男子81kg級。前回大会銅メダルの高松選手には銅メダル以上の結果を期待したいところ。と思っていたのだが、昨日、2日目の試合を振り返りながら記事を書いていて、ネットをチラ見した段階で二人とも敗退とのこと。うーん、この階級は継続して世界で勝てる選手がなかなか出て来ないのが残念だ。

そして、女子63kg級。3連覇がかかっている上野選手は、この階級で絶対王者と言えるほどの実力を備えてきた。準々決勝、準決勝と延長戦へもつれ込む苦しい展開だったけど、それでもきっちり勝てる貫禄があると思えたのだが…。決勝戦は地元フランスのエマヌ選手を相手に終始攻めあぐねた。決勝も延長戦へ。

完全アウェイの空気の中、上野選手にのみ指導が入る厳しい展開だった。上野選手は指導が入った後、攻めてはいたけど、ポイントが奪える有効な技とは言えず。逆にエマヌ選手はかなり引き気味になっていたけど指導は入らず、勝負は旗判定に。延長戦終盤の上野選手が動きが評価されれば、旗判定も微妙かと思ったのは甘かった。エマヌ選手に3本が上がり、上野選手の3連覇はならなかった。

阿部選手は実家が震災被害に遭い、被災地のためにという強い気持ちを持って大会に臨んでいたそうだけど、一回戦で肘を脱臼するというアクシデントがあり、無念の負傷棄権となってしまった。実力を見せる間もなかったのが悔しいことだろうと思う。

3日目は銀メダル1つ。日本選手の戦いぶりもあまり奮わず、厳しい結果となった。
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世界柔道2011パリ 第二日

2011年08月25日 | 柔道
世界柔道2日目は、男子73kg級、女子52kg級、57kg級が行われた。
各階級への日本選手のエントリーは次の通り。

男子73kg級:秋本啓之選手、中矢力選手
女子52kg級:西田優香選手、中村美里選手
女子57kg級:松本薫選手、佐藤愛子選手

まずは男子73kg級。準決勝が日本人対決となり、連覇がかかっていた秋本選手を新鋭の中矢選手が破って決勝へ進出した。準決勝では右足首を負傷したものの、先に技ありを奪っての優勢勝ちだった。そして、決勝では足の負傷を感じさせることなく攻め続けた。結局、技によるポイントは奪えなかったが、相手に指導が2つ付いてポイントが入り優勢勝ちとなった。

個人的には66kg級から73kg級に上げて昨年世界王者となった秋本選手が連覇を飾って、盤石の態勢でロンドン五輪に臨んで欲しかった。その秋本選手は3位決定戦でも敗れて銅メダルとはならなかったけど、これでこの階級の代表争いも激しくなりそうだ。

次は女子52kg級。2人の日本人選手が共にほとんどの試合を一本勝ちしての決勝進出。昨年と同じ顔合わせは、48kg級と同じく新旧王者対決となった。連覇か、王者奪還か。48kg級の決勝と同様、手の内を知り尽くしているため、互いになかなか技を出せず。結局、指導によるポイントで中村選手の優勢勝ちとなった。技によるポイントはなかったけど、序盤西田選手に動きを制されていた状態から、攻め方を変えて自分のペースに持ち込んだ中村選手の試合運びは見事だった。

最後に女子57kg級。ここでも準決勝で日本人対決。3階級にエントリーした全ての日本人選手が準決勝まで進んだことになる。前回王者の松本選手と、復活をかける佐藤選手による準決勝は激しい技の応酬の末、佐藤選手が体落としで技ありを奪い、そのまま寝技で抑え込んで合わせ技一本。さすが寝技の達人と思わせる展開だった。

そして、決勝戦。ブラジルのシルヴァ選手を相手になかなか自分の形に持ち込めない苦しい展開だったけど、終盤僅かに良い形になるとそのチャンスを逃さなかった。投げ技に入って一度は潰れかけたけど、最後まで技をかけ切ることで一本に繋げた。

3位決定戦に回った松本選手もドイツのローバー選手に一本勝ちして銅メダルを獲得。敗戦のあとでもきっちりと銅メダルを獲得した松本選手の気持ちの強さも見事と言いたい。

松本選手の野性味あふれる柔道も魅力だけど、佐藤選手には北京五輪の借りを返して欲しいという思いもあるから、この階級の代表争いは注目したいところ。

それにしても数年前までは日本人が勝てないと言われていたこの階級で2年連続日本人が優勝というのは、驚きであると同時に心強い限りだ。

2日目は全階級で金メダルを獲得し、銀メダルと銅メダルが1つずつという結果だった。東京開催だった昨年よりも好成績が出そうな勢い。今大会では最終日に団体戦が行われるらしいので、この勢いを最終日まで繋げていって欲しいところだ。
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世界柔道2011パリ 第一日

2011年08月24日 | 柔道
バレーボールのワールドグランプリ決勝ラウンドの放送予定が見当たらないことに苛立ちを覚えつつ、むしろ世界柔道に集中出来ていいやとか思ってみたり。

さて、ついに始まった世界柔道。初日は男子60kg級、66kg級、女子48kg級の3階級が行われた。

まずは男子66kg級。日本からは昨年の世界柔道王者の森下純平選手と海老沼匡選手が出場。連覇のかかる森下選手だったが、試合中に右腕を痛め、三回戦で敗退。試合の映像はほとんどなかったけど、結果を見ると一回戦、二回戦を一本勝ちしていただけに残念。

一方の海老沼選手は、順調に勝ちあがって決勝へ。ブラジルのクーニャ選手を相手に序盤から積極的に技を仕掛け、内股で一本勝ち。見事に世界王者となった。一旦は相手に堪えられたかに見えたけど、力を緩めず粘り勝ちしたといったところ。森下選手、海老沼選手どちらも世界王者となったことで、来年の五輪代表争いが激しくなりそうだ。

次はこの日一番の注目だった女子48kg級。昨年の世界柔道決勝戦を戦った、浅見八瑠奈選手と福見友子選手が今大会でも共に決勝へ勝ち進んだ。しかし、決勝までの過程は対照的。優勢勝ちが多く力を使っていた福見選手に対し、浅見選手は試合序盤での一本勝ちが多く力を温存出来ていた。ちなみに組み合わせの関係で福見選手は一回戦から、浅見選手は二回戦からと試合数も浅見選手の方が少なかった。

日本人対決となった決勝戦は、両者決め手がないまま進み、僅か有効一つの差で浅見選手が優勝。連覇を達成した。2年前にはポスト谷の最有力と目されていた福見選手もこれで一歩後退といったところか。

しかし、この二人を含めた五輪代表争いは本当に激しいものになるだろう。と、同時に世界選手権を連覇し、しかも日本人対決で勝負を決しているのに、代表に決定しないというのは不思議に思えてしまうなぁ。

最後は男子60kg級。日本からは悲願の優勝を目指す平岡拓晃選手と山本浩史選手が出場。山本選手の映像は放送では全くなく、結果を見ると四回戦で韓国の選手に一本負けを喫した模様。放送時間が限られているとはいえ、全くないのは少し残念だった。

一方の平岡選手は準決勝まで全て一本勝ちで決勝へ進出。準決勝では韓国の選手を相手に延長戦にもつれ込み、最後は場外際で連続して技をかけ、小内刈りが決まって一本となった。小内刈りをかけ始めたときは既に完全に場外だったようだけど、最初の技をかけたときに足が残っていたから有効だったのだろうか。

しかし、決勝では現在世界ランク1位であるウズベキスタンのソビロフ選手を相手に我慢の柔道になった。粘り強く好機を窺っていたが、最後まで攻めあぐねて、終了間際に技ありを取られてしまった。無念の準優勝。またしても優勝に手が届かなかった。

初日の日本勢は金メダル2個、銀メダル2個という成績だった。各階級2人の代表選手がいるというのはやはり大きい。ただ、日本人対決ではどちらを応援というわけでもなくなってイマイチ気持ちが入らないのが残念なところだ。昨年から、この点だけがどうしても慣れないなぁ。
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谷亮子、引退。

2010年10月15日 | 柔道
今年の参議院選に出馬し、見事当選して参議院議員となった谷亮子さんがロンドン五輪への挑戦を諦め、現役引退を表明した。

政治と柔道という二足のわらじでロンドン五輪を目指すと知ったときは、「片手間で柔道をやるのか!」とか「柔道一本で追い越そうと頑張っている選手たちに失礼じゃないのか」とかいろいろ思うところはあった。

結果的に、二足のわらじは無理だという結論に至ったのは、ややトーンダウンした感は否めないけど、スッキリとした結論だと思う。ただ、政治家にならず、現役一本だったら、まだまだトップ選手としてやっていく力はあったのだろうと思うと少し残念な思いが残る。

でも、一時期と違い、今は谷さんのいた48kg級でも世界のトップを争う選手がいる。福見選手を筆頭に、浅見選手、山岸選手がロンドン五輪の代表を争うことになるのだろう。本来なら、選手同士の戦いの中で世代交代が行われていくところを見たかったけど、それを望むには、谷さんは絶対王者でいる期間が少し長過ぎたのかも知れない。今は逆に、負けて世代交代というシーンを見ずに済んで良かったような気がしている。

政治家としてどれだけのことが出来るのかは分からないけど、柔道のように政治の道で頑張って欲しいと思う。

… …

記事を書きつつ、なかなかまとまらない文章と向き合いながらフジテレビのすぽるとでやっていたこれまでの活躍を振り返る映像を見ていた。

ほとんどの国際大会で優勝。やっぱり凄い
そして、シドニー、アテネでの金メダルはまさにリアルタイムでその活躍を見ていたから、その感動がありありと思い出された。

こうやって過去の活躍を改めて見ていたら、やっぱり柔道家として引退して、指導者へという姿も見たかったなぁと思えてしまった
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世界柔道2010東京 最終日

2010年09月13日 | 柔道
熱戦が続いた世界柔道2010東京大会も今日が最終日。男女の無差別級が行われ、男子は上川大樹選手、鈴木桂治選手、立山広喜選手、高橋和彦選手の4人、女子は杉本美香選手、田知本愛選手、佐藤瑠香選手、緒方亜香里選手の4人が出場。出場予定だった塚田選手が一線を退いたというのは少し残念だけど、その分杉本選手への2階級制覇の期待が大きくなった。

それよりも、なんで無差別級は4人も出場出来るんだろう。過去の大会でも特に無差別級には2人出場出来たというわけじゃないのに…。

まあ、それはそれとして。

未定だった男子の無差別級の2枠には、篠原信一監督に出場を直訴したという鈴木桂治選手が入っていた。初日の一回戦負けから4日。このままでは終われないという桂治選手の意地に大注目。フジテレビもそう思っているからだろう。放送は明らかに桂治選手に偏っていた。まあ、今日に限っては私の見たい思いもあったからそれで良かった。

さて、その桂治選手は、一回戦負けの鬱憤を晴らすかのような気持ちの良い一本勝ちを連発。放送内最初となった4回戦では、見事な内股。準々決勝では、三角絞めで一本を取った。立ち技でも寝技でも動きに冴えがあるようで「ひょっとしたらこのまま…」と思っていたが、そう上手くは行かなかった。

迎えた準決勝の相手は上川選手で日本人対決。昨日までの女子の日本人対決では、特にどちらかに思い入れがあるわけではなかったから、見ていて煮え切らなかったけど、今日は断然桂治選手を応援しながら見ていた。が、世代交代と言わざるを得ないか、桂治選手が体勢を低く構えたところを上川選手が上手く回転させて倒し一本。桂治選手の復活の金メダルは夢と消えてしまった。

3位決定戦に進んだ桂治選手の相手は、敗者復活戦で高橋選手を破ってきたウズベキスタンのセイイドフ選手。互いに技を掛け合う展開の中、相手の背負い投げが不発に終わった隙をついての大外刈りで一本勝ち。金メダルとは行かなかったけど、何とか銅メダルを獲得した。

決勝に進出した上川選手の相手は、日本柔道界にとって天敵とも言えるフランスのリネール選手。長い手で奥襟からさらに背中の方まで伸ばして掴み、頭を下げさせる組み手には、過去にも痛い目にあっている。今日の決勝戦でも、上川選手はその体勢から何度もヒヤッとさせられる場面があった。その都度回避し、技によるポイントは奪われなかったが、攻め手に回ることが出来ずに指導一つ。そのまま延長戦へ。

上川選手も背中を掴んでくる手を早めに切って何度も技をかけたが決まらず。リネール選手にも技が出ないわけではなく、形勢不利かもと思いながら旗判定へ。しかし、審判の旗は上川選手へ2本。フランス大応援団のブーイングが判定の微妙さを物語っていた。それでも、地元東京で、天敵のリネール選手を破って上川選手が金メダルを獲得したことは嬉しいの一言に尽きる。

女子は、2階級制覇がかかる杉本選手が決勝へ。初日とは違い、気持ち良く勝ち切っての決勝進出ではなかったようだ。相手は初日と同じ中国のシンセン選手。互いに攻めあぐねる展開。僅か有効1つの差で杉本選手が優勢勝ち。見事に2階級制覇を成し遂げた。

その他、男子では立山選手が準決勝でリネール選手に敗れるものの、3位決定戦に勝って銅メダルを獲得。女子では田知本選手が銅メダルを獲得したとのこと。

最終日も男女ともに金メダルを獲得。メダルラッシュで有終の美を飾った。

… …

世界柔道もついに終了。昨年、まさかの金メダル0に終わった男子は、金メダル4つと復権を印象付けた。一方の女子は、全8階級中6回階級で金メダルと、昨今の女子優勢は変わらなかった。そんな日本選手の大活躍の背景に、各階級で2人出場出来るというルールが影響しているのは間違いないだろう。その分、全体の選手数は多くなってはいるけども。

大会を通して思うのは、フジテレビの放送時間があまりにも短かったということ。いくら世界ランキング制によって、トーナメントの一極化がなくなったとはいえ、有力選手が序盤で負けることがないわけではない。選手それぞれの調子も、序盤から見ていないと分からないこともある。一本を決めた瞬間ばかりをダイジェストで流されて、調子が良いと言われると「そうなんだ」と思うしかなくて、強豪と当たる準々決勝以降に接戦が続くとホントに調子が良かったのかと疑いたくもなってしまう。

世界柔道がこの日程で行われることは、もうずっと前から分かっていたはずで、もう少し時間を取れないものかと思ってしまう。ゴールデンタイムに2時間も時間が割けないなら、夕方に見どころと序盤戦をまとめた特別番組なんかを放送してくれるだけでもかなり違うと思うのだが…。

フジテレビはいまいち気合い入ってないのかと思いきや、平井理央アナと吉田秀彦さんの座る放送席が柔道場に向けてクルッと回る仕掛けになっていたり。生放送しないんだから、そんな仕掛けいらねーだろと思わずツッコミを入れてしまった。
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世界柔道2010東京 第四日

2010年09月12日 | 柔道
4日目を迎えた世界柔道は、男子66kg級、60kg級、女子52kg級、48kg級の4階級が行われた。

まず、男子66kg級。海老沼匡選手と森下純平選手が出場した。昨年のグランドスラム東京大会で活躍した海老沼選手は今大会の優勝候補と目されていた。が、放送で扱われたのは森下選手の準決勝。これまでの放送パターンから考えれば海老沼選手は負けたのだろう。その結果は、決勝へ進んだ森下選手の対戦相手が3回戦で破ったという形で知ることになる。何だか虚しい。

その決勝に進んだ森下選手は、昨年のユニバーシアード覇者ではあるものの、シニアの国際大会での優勝経験がないダークホースだった。海老沼選手を破った相手との決勝戦は、序盤から終始森下選手が攻め続けた。内股、大内刈りとなかなか決まらないが、相手のバランスを崩し続けた。最後は、大外刈りから払い腰に変化しての一本。若さと勢いで森下選手が金メダルを獲得した。

今回破れた海老沼選手も若い選手。二人が五輪の代表をかけて競い合うのだろう。来年の世界柔道で二人がどんな戦いを見せるのか楽しみになった。

続いて、男子60kg級。平岡拓晃選手と福岡政章選手が出場。北京五輪、昨年のロッテルダムと勝ち切れなかった平岡選手の今度こその活躍を期待していたのだが…。こちらも放送開始から名前が出て来ず。負けてしまったのかと思っているところに3位決定戦の映像。やや変則気味の背負い投げで一本を奪って銅メダルを獲得した。今回も勝ち切れなかったけど、次こそはという気持ちで応援をしたい。
ちなみに福岡選手は初戦で敗退したらしいけど、放送内での情報はなかった。

そして、女子軽量2階級は、なんとどちらも日本人対決での決勝となった。

女子52kg級は昨年の覇者中村美里選手と西田優香選手の対戦。どちらにもポイントが入らない息詰まるような攻防は、結局延長戦でも決着しなかった。旗判定で軍配は西田選手に上がった。

女子48kg級は福見友子選手と浅見八瑠奈選手の対戦となった。福見選手は昨年の覇者、浅見選手はよく知らない選手だった。が、勝利したのは浅見選手。この対戦もどちらにもポイントが入らない膠着した状態だったけど、攻め続けた浅見選手に対し、やや技が出ていなかった福見選手に指導が2つ入ってしまい僅差の決着だった。

この48kg級、52kg級では、昨年の世界柔道を見ていて、それぞれ福見選手、中村選手が絶対王者へとなっていくのではないかと思っていた。実際、準決勝までの戦いぶりを見ていて二人ともそう思わせるような風格があると思った。だからこそ、その二人の連覇を阻んだのが同じ日本人というのは、厳しい現実だなと思う。
しかしながら、浅見選手も私がよく知らなかっただけで今年の世界ランク2位の選手。西田選手は、元々中村選手が階級を上げてくるまでは、52kg級の代表だった選手。二人とも世界を制するだけの実力はあったんだよね。

もし、今大会もこれまで同様各国代表が一人ずつだったら、福見選手も中村選手も代表の座さえも危なかったのかも知れない。各国代表の枠が広がったのは、良かったのかどうなのか。63kg級も含めて、決勝が日本人対決になってしまうと、どちらともなく応援している身としては、煮え切らない感じがしてしまうのだが…。
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世界柔道2010東京 第三日

2010年09月11日 | 柔道
3日目の世界柔道は男子73kg級、女子63kg級、57kg級の3階級が行われた。結果が凄過ぎたので今日はまずこの感想から。

秋本啓之選手(男子73kg級)、上野順恵選手(女子63kg級)、松本薫選手(女子57kg級)
金メダルおめでとう!!

そう、今日は全階級で金メダルという快挙を達成していたのだ。100個目の金メダルが確定し、さらに2個をプラスした。いやー、それにしても大興奮だった。

いつもは、「所詮録画放送だし、実際の試合順と放送順は関係ないだろう」と思い男子、女子の順に重い方の階級から振り返っていたけど、今日は放送順と試合順が一致していると信じて放送順に振り返る。

まずは女子57kg級。松本選手と宇高菜絵選手が出場。この57kg級は日本人が五輪、世界柔道を通じて金メダルを獲得したことがない階級。ここ数年、期待の持てそうな選手が挑戦し、何度も世界の壁に阻まれていた。そんな中、去年のロッテルダムで5位になった松本選手は、怪我さえなければと思いたくなる活躍を見せてくれていた。そして、その松本選手はこの世界柔道を世界ランク1位で迎えていた。

今日の放送開始直後の準決勝では、序盤で小外刈りで相手の体勢を崩すとそのまま寝技に入り横四方固めで一本勝ち。優勝を予感させる戦いぶりだった。そして、ポルトガルのモンテイロ選手との対戦となった決勝戦。立ち技では先へ先へ技を仕掛けるモンテイロ選手に対し、後手に回ることが多かったが、仕掛けられた後は素早く寝技へ入ろうと試みる。松本選手の寝技を執拗に嫌がるモンテイロ選手に対し、どちらもなかなかポイントが入らない膠着状態に。そして延長戦へ。

延長戦でも膠着状態は変わらず。モンテイロ選手の寝技からの回避体勢も変わらず。「いくら寝技からの回避とは言え、ああもあからさまに逃げの体勢なら、指導が入ってもいいじゃん」と思いながら、旗判定も頭を過り始めた頃、松本選手が小外刈りで倒して一本が決まった。決して気持ちの良い一本ではなかったけど、優勝には違いない。この階級初の金メダルは記念すべき100個目の金メダルというおまけがついた。

また、モンテイロ選手も執拗な逃げの姿勢が気になったけど、最後まで試合が膠着していたのは、立ち技で絶え間なく技を仕掛けてきたからこそ。だから、見ていてハラハラしながらも面白い試合だったのだと思う。

そして、3回戦で敗れた宇高選手の結果は全く触れられることはなかった。

続いて男子73kg級。秋本選手、粟野靖浩選手が出場。秋本選手は2007年のリオ大会に66kg級に出場していたけど結果を残せず、減量苦で階級を上げてきた選手。リオ大会前には、ジャンクスポーツに出演していて、そのキャラクターが面白いと思って注目していた。

階級を上げた今大会では、持ち前の柔道センスを発揮してくれた。準決勝では、韓国のワン選手を相手に立ち技で後手に回るも、すかさず寝技に入り、二度の抑え込みを見せた。二度ともポイントはつかず、両者にまったくがポイントが入らなかったが、試合の流れは完全に秋本選手が制していた。延長戦の末の旗判定は、秋本選手に3本が上がり決勝戦へ。

決勝戦では、立ち技での仕掛け、そこから寝技への移行と試合のペースを掴み、最後は寝技で一本勝ち。松本選手に続いて金メダルを獲得した。ジャンクでのキャラクターが面白かった秋本選手だけに、番組がすでに終了してしまったことが今更ながら悔やまれた。

もう一人の代表、粟野選手は、準々決勝で秋本選手に敗れた後、敗者復活戦に勝って3位決定戦へ進み、銅メダルを獲得した。ちなみに3位決定戦は不戦勝だったらしい。銅メダル取ったのに、その試合を全く放送しないのか、と文句を言いたかったけど、不戦勝なら致し方ない。

最後は女子63kg級。昨年の世界柔道覇者である上野選手と田中美衣選手が出場。上野選手は世界王者となったことで各国の選手から研究され、準決勝では自分の柔道をなかなかさせてもらえなかった。攻め手に欠いた内容のまま延長戦へ。そして、旗判定での勝利。昨年のオール一本勝ちでの優勝とは打って変わって、厳しい試合だった。

一方の田中選手もトーナメントの反対の山を勝ち上がり準決勝へ。寝技しかないという田中選手は、試合終了間際に得意の寝技で抑え込みに入り、そのまま寝技で一本勝ち。そして、女子63kg級は日本人同士の決勝戦となった。

そんな決勝戦は、どちらも手の内を知り尽くしているからこその膠着状態。明確なポイントとはならない指導1つが田中選手についた状態で延長戦へ。そしてこの試合も旗判定となり、軍配は上野選手に。決して見事とは言えないかも知れないけど、苦労して掴んだ女王の称号を来年も守ってロンドンへ繋げて欲しいと思った。

明日は軽量級。昨年の覇者、福見選手と中村選手、そして昨年おしくも銀メダルだった平岡選手が出場する。明日の試合も期待したい。
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世界柔道2010東京 第二日

2010年09月10日 | 柔道
100個目の金メダルが決まるか!?と注目された2日目の世界柔道は、男子90kg級、81kg級、女子70kg級の3階級が行われた。

男子90kg級には、国際大会5連続優勝で世界ランク1位と波に乗っている小野卓志選手と今大会の日本男子選手中最年少の西山大希選手が出場。小野選手は階級を上げて臨んだ昨年の世界柔道で結果を残せなかっただけに、世界ランク1位で迎える今回は期待出来ると思っていた。

が、放送開始に10分ほど遅れて見始めたらすでに注目は西山選手に移っていた。小野選手は?と思っていると、「小野がすでに破れているだけに…。」とのコメントが。うーん、やはりプレッシャーに弱いのだろうか。81kg級で出場した北京五輪から3年連続というのは…。

その代わり、その西山選手が決勝に進出。準決勝こそ優勢勝ちだったが、そこまでは一本を取りに行く攻めの柔道で勝ち進んでいた。決勝は小野選手を破ったイリアディス選手と対戦。肩の上から背中を取りに来るイリアディス選手の組み手に対し、じりじりと後退する一方。最後まで攻め手に回れず延長戦の末に一本負け。銀メダルを掛けた顔には悔しさが滲んでいた。

男子81kg級には、5年ぶりの代表となった高松正裕選手と、若手の注目株、中井貴裕選手が出場。アテネ五輪、カイロ世界柔道では73kg級で出場して結果を残せていなかった高松選手は、ふっきれたかのように一本を重ねて準決勝へ。準決勝では韓国のキム選手と対戦し、最後まで相手のペースを崩せず敗戦。3位決定戦では、一本こそ取れなかったけど、最後まで攻め続けて銅メダルを獲得した。

ちなみに中井選手の結果は放送中には触れられず。この辺は昨日と同じく少し不満の残るところ。

女子70kg級には、昨年の世界柔道で銅メダルを獲得した渡辺美奈選手と自衛官として初めて代表となった國原頼子選手が出場。その二人が準々決勝で対戦。世界柔道初となる日本人対決は延長戦の末、國原選手が競り勝った。その國原選手と準決勝で対戦したのがデコス選手。試合巧者のデコス選手を相手に自分の柔道をさせてもらえず惜しくも敗戦。3位決定戦では、大内刈りでポイントを取って優勢勝ちし、銅メダルを獲得した。

2日目は金メダルこそなかったが、3階級全てでメダルを獲得した。
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世界柔道2010東京 第一日

2010年09月09日 | 柔道
いつの間にやら毎年開催になっていた世界柔道。1年おきという感覚があるせいで、何だか変な感じがする。とはいえ、地元東京での開催だから、熱戦に、そしてイイ結果を期待したい。

と、思っていたのに、放送時間が1時間半ってどういうこと?2時間の放送枠があっても試合を網羅してくれなかったのに、出場選手数が増えたのに尺が短くなるとは思わなかった。この前のバレーボールの放送といい、フジテレビには少しガッカリ。おまけに仕事の休憩時間に「鈴木桂治一回戦負け」というニュースサイトのトピックを目にしてかなり意気消沈してしまった。とは言いつつ、見るものはちゃんと見る。勿論録画だけどネ。

今日の世界柔道は、男子100kg超級、100kg級、女子78kg超級、78kg級の4階級が行われた。

まずは、男子100kg超級。鈴木選手と高橋和彦選手が出場していたが、鈴木選手は前述の通りまさかの一回戦負け。その試合の映像は、やはり残念な内容だった。場外の際どい場所で技を掛けられての一本負け。まるで北京五輪のVTRを見ているかのようだった。
高橋選手は、準決勝でフランスのリネール選手と対戦し、接戦の末に敗れてしまった。リネール選手は現在この階級で王者として君臨している選手。日本選手も過去に煮え湯を飲まされた選手だけに、接戦の末というのが惜しかった。っていうか、そういう試合をもっと放送して欲しかった。高橋選手は3位決定戦に敗れて、惜しくも銅メダルならず。

男子100kg級には、穴井隆将選手と立木海帆選手が出場。穴井選手は、まさかの金メダル0に終わった昨年の大会で周囲の期待に応えられなかったという憂き目にあった選手。準々決勝からの放送では、冷や冷やさせられる場面はあったけど、最後まで落ち着いていた。

決勝の僅差での優勢勝ちでさわやかなガッツポーズを見せられてもなぁとは思いつつ、日本柔道界全体からかけられたプレッシャーに今度こそ応えられた嬉しさの表れなのだろうと思う。そして、久しぶりの男子の金メダルに、見ている方としても素直に嬉しかった。
高木選手は、前日のすぽるとで井上康生選手が自身の後継者として指名した選手だったけど、残念ながら2回戦敗退。どうやら、すぽるとでは世界柔道に向けて過去の大会で金メダルを獲得した選手に後継者として選手を指名して紹介するという企画をしていたらしい。全然知らなかった。

続いて女子。78kg超級には、無差別級との二階級制覇目論む塚田真希選手とその塚田選手を国内の体重別選手権で二度破っている杉本美香選手が出場。
塚田選手のライバルである中国のトウブン選手が出ていないとのことで、塚田選手の悲願の金メダルなるかと思いきや、準決勝で中国のシンセン選手に敗れてしまった。まともに組み合うことが出来ずほとんど技を掛けられなかった。それ以上に動きに精彩を欠いていたように見えた。塚田選手は、3位決定戦に回り、同じ中国の選手に一本勝ちして銅メダルだった。

一方の杉本選手は最後まで技に切れがあった。右膝に故障を抱えていて、それが原因でなかなか世界大会の代表になれなかったらしいけど、世界柔道初出場で初優勝を掴んだ。決勝こそ反則勝ちだったけど準決勝までは、見事なオール一本勝ち。放送は準決勝からだったけど、出来ればその辺にもう少し時間を割いて欲しかった。

最後は女子78kg級。緒方亜香里選手と岡村智美選手が出場。どちらも決勝には進めなかったけど、緒方選手が銅メダルを獲得。敗者復活戦、3位決定戦で世界ランク1位、2位を破っての銅メダルは見事。特に3位決定戦では、序盤から試合の主導権を握られた展開の中、焦らず自分の柔道に徹していた。得意の寝技に持ち込み相手を消耗させて、疲れさせたところを内股で一本勝ち。若い選手だし、今後に期待したい。

今大会を前に、しきりに宣伝されていたのが「日本100個目の金メダル」というフレーズ。今日2つの金メダルが加わって、ついに99個になった。明日、100個目となるか注目したい。

… …

録画した放送を見終わってすぽるとを見ながら記事を書いていた。放送では割愛されていた選手たちの結果はすぽるとで確認出来た。結果しか放送しないすぽるとの方が情報量が多いということに疑問を持ちつつ、今日はもう寝よう。

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