ノブトの平凡日記

備忘録として気が向いたとき更新しています。

「葉見ず・花見ず」(曼珠沙華) ・ ・ ・ ・

2009年09月24日 | ふるさと 他
 今年も残すところ3か月余りとなりますが、ノブトにとっても変化の多かった年でした。皆さん、お変わりありませんか。秋の彼岸を教えてくれる彼岸花も庭の隅で妖艶とも思わせる花を咲かせました。この花は球根に毒があるためミミズやネズミが近付かないことから、田の畔や土葬の墓周辺などに植えられています。
 一斉に棚田の畔などに咲いている様は秋の風物詩の一つですね。別名、「葉見ず・花見ず」とも呼ばれ、葉が茂っている時は花は咲かず、葉が枯れると暫くして花を咲かせる悲しくもあり不思議な花と思っています。

 この花の思い出は、子供のころ母が球根を潰して何日もアク抜きをして団子を作り、囲炉裏で焼いたのを少しだけかじったことがありますが、余りにも不味く吐き出したことがありました。母も試食するなり「これは食えんわ!」と言って全部捨て、家族で大笑いしたのを思い出します。この団子の名前を「ツブロ」とか言っていた記憶がありますが定かではありません。

 山村の百姓でも戦後の食糧難だったのことを教えてくれていますが、ノブトは辛かったとか、ひもじかった記憶はありません。でも、隣近所に遊びに行った時や我が家に来た時は、どの子にも「飯食ったか?」と大人は尋ねるのでした。「まだ」と返事した時は家にある食べ物を与え、子供も遠慮無く食べて遊ぶというのが普通でした。でも、私は他所の家でご飯を食べるのはあまり好きでなく、よく「遠慮しいやな」と言われたものでした。

 ここで子供に対して厳しい親の躾があります。
それは、他所の家で物を貰ったり、ご飯を食べた事を言い忘れもしようものなら、徹底して説教され叱られたものです。どの家でも同じ躾をしていたようで、お互いの助け合いと、良い人間関係を保つ事に腐心していた様です。
 また、下校時や外出先から戻る時、道で隣の人に会うと「こんにちは」とは言わず、「ただいま」と言って挨拶するのが常で、違和感を覚えたことは一度もありませんでした。その私が育った村落は、既に限界集落となってしまったことは誠に寂しい限りです。
 彼岸に咲くこの花からいろんな事を思い出させてくれました。 老人だと自覚していませんが、今日の話は、老人の戯言と思って下さい。(笑)

山口百恵さんの歌「曼珠沙華」のYou Tube動画がありましたので添付しました。


【参考】
この花には異名が多く、死人花、地獄花、幽霊花、剃刀花、狐花、捨子花、はっかけばばあ とも言い、「地域によっては不吉で忌み嫌われる花」との説明がありますが、ノブトは嫌いではありません。


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