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米国内の人民元切り上げ要求高まる Stay tuned on April 15

2010-03-16 | 中国・ロシア・インド・ブラジル動向
2010年3月16日(火)

米国内の人民元の切り上げを求める声は日増しに高まっている。

Financial Timesはトップ記事で、昨日130人の米国議会議員が、財務省と商務省に対して書簡を送り、「政府は中国を、為替の人為的操作国(a currency manipulator)」と認定し、中国からの輸入品に相殺関税(countervailing duties)を課すよう」求めたことを報じてる。

かつて米国政府が中国を「為替操作国」と認定したのは1994年であるが、それ以来中国の対米輸出は大きく伸びて昨年の対米輸出は2960億ドルに達しているが、米国からの輸入は700億ドルである。中国は米国の政府債務7.8兆ドルのうちの10%を米国債の保有によって担っているのが現実である。

こうした中、The New York Timesの論客でノーベル経済学賞受賞者であるPaul Krugman氏が、「中国に決然と立ち向かえ」と舌鋒鋭くその論陣を張っている。

「中国がその輸出増進のために為替レートの人為的操作を始めたのは2003年である。その時点で中国は月間100億ドルのペースで外貨準備を増加させて、その年460億ドルの外貨準備高を持つに至った。そして現在は、月間300億ドルのペースで、2.4兆ドルの外貨準備高をさらに膨張させている。2010年の経常収支は4500億ドルの黒字となると予想されている」

「この為替レート操作は史上かつて無かった規模のものである。金利を最低水準まで下げきってこれ以上の景気回復のための政策オプションを失い、今なお深刻な経済問題から脱却できない状況下で、深刻な損害を与えている。人民元は20-40%過小評価されている」と断じた上で、処方箋を次のように述べている。

「財務省は決断すべきである。4月15日に中国を為替操作国として認定せよ。ここ6-7年にわたって、明々白々な事実(the obvious)に目を背け、あいまいな態度でごまかしてきた(fudging and obfuscating)ことを即刻やめよ。国民よ、4月15日から目を離さないでおこう(Stay tuned.)」

「中国とことを構えたくないというが、心配することは無い。中国が米国債を売りに出ても短期金利はゼロレベルに張り付く政策をFedがとっている。長期金利は短期金利の将来動向が決めるものだから、影響は軽微だ。中国が米国債を買わなくなっても財務省が買い出動すればすむことだ」

「中国がドル資産を売りに出たら、ドルが下がってしまうというが大いに結構。米国の輸出競争力が付くではないか。ドルが下がって傷付くのは、中国のほうだ。中国の顔をうかがってびくつくことは無いのだ」

「今週の日曜日の温家宝首相が、全人代直後の記者会見で、人民元は過小評価されていないといったのはまったくもって、『笑止千万』(absurd)である。米国のとるべき道は、中国を為替操作国と財務省が認定した上で、25%の相殺関税を課すことである。1971年にドイツや日本に対してとった政策を同じようにとるべきだ」





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