もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

難民対応に揺れるEUと明日の日本

2018年06月25日 | 欧州

 難民/移民の受け入れに対して、EUの足並みが乱れている。

 フランスNGOが救助したアフリカ系ボートピープルの入港をイタリアが拒否したことによって引き起こされた仏伊の非難合戦で表面化した感があるが、移民の受け入れに寛容であったドイツにおいても、メルケル首相の意に反して内相が難民申請拒否を表明する等、移民問題に対するEU内の亀裂は深刻で、移民の流入を防ぐために国境警備と検問を強化した国が多く、東欧諸国のように移民に対して国境を閉じた国もある。かって難民という言葉は、政治的信条・民族上・宗教上の迫害からの逃避で亡命的な意味合いが強かったために、多くの国は人道的見地から受け入れていた。しかしながら、現在EUに流入する難民は主として経済難民で、それも「より豊かな生活」を目指す移民的な色合いが濃いようである。また、EU内に定着した難民は当該国に溶け込むことをせず、彼らの文化を維持するために排他的なコミュニティーを作って生活することが多いために異文化に対する拒否感も、移民排斥の論拠の一つとされている。さらに欧州各地で発生しているイスラムによるテロも、EU内の国境検問廃止を悪用していることも見逃せない要因である。日本を含めて先進諸国の多くが少子化による労働人口減少の問題を抱えており、特に単純労働や3K職(きつい、汚い、危険)では決定的に不足している。最初は当該労働に従事する安価な労働力として移民を歓迎して来たアメリカでも、辛酸の末に成功した2世・3世が中産階級の職を奪う事態となったために、国境の壁建設に辿り着こうとしている。

 現在日本でも、難民申請すれば6か月の残留と就労が認められていることから、年間2万人程度が申請していると報じられているが、労働人口の減少を補うために移民(難民)を受け入れざるを得ない時代が必ず来ると思う。そのような事態に備えて、日本国への帰属意識を問う資格審査(不適格の排除要件を含む)等の手順を法制化すべきではないだろうか。それにしても、敢て国名はを書かないが、帽子を被ったまま食事する人、金切り声で自己主張する人などと好んで生活したくないとは思うが。