もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

陣頭指揮

2015年02月21日 | 社会・政治問題

 社民党の辻元議員が、例によって《針小棒大・井戸端会議》の質問をしたらしい。

 所用でリアルタイムに見ることはできなかったが、新聞によれば危機管理に対する首相の行動について『詳細にわたり首相が判断して陣頭指揮にあたるべき』との趣旨であったらしい。指揮官先頭は日本的な美学であるが、ここにいう指揮官とは1戦闘単位レベルの指揮官であり、全般を指揮する者を指していない。源義経の鵯越、信長の桶狭間、真田幸村の大坂夏の陣、硫黄島・沖縄戦・捷1号作戦・・・等々、指揮官先頭の戦闘例は数多いが、小集団が劣性挽回のために士気を鼓舞するための苦肉の手段であり、大局観を要しない局面に限られている。もちろん、戦略の方向性維持の世論醸成ために最高指揮官が率先して強固な意志を表明する必要はあるが、今回のテロ事件は細大漏らさず総理大臣が判断指示するような事態ではない。潜水艦沈没事故時のプーチン、ハリケーン被害時のオバマ等々、今回に数倍する場合も、指揮官が現地を視察するのは初動の対処が軌道に乗ったとき又は初動対処が終わり、本格対処の規模と体制を決定・確認する時期であり、その事故の被害者に肉親がいたとしても変わらない。

 近い将来、「国防委員会を設置して、武力使用の適否を議論」しなければならない時期が必ず来ると思う。辻元議員を含め、国会議員諸氏は「指揮官とは何か?」「指揮の要諦は何か?」ということを学んで欲しいものであり、我々選挙民も、そういうことを理解した人を議場に送るべきではないだろうか。


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