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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

総務省事務次官の更迭に思う

2019年12月21日 | 与党

 総務省の鈴木茂樹事務次官が事実上更迭(12月20日に停職3か月の行政処分を受けて即日退職)された。

 処分理由は、日本郵政グループに対する行政処分について、処分(案)の方向・程度はおろか、大臣室での会議における高市総務大臣の発言内容にまで及んでいたとされる。露見の経緯は、12月13日以降、日本郵政側が処分内容を把握しているかのような反応が続いていことから12月17日に内部監察を行なって鈴木氏による情報漏洩が判明したと報じられている。元次官は東大農学部農業経済学科を卒業して昭和56(1981)年に郵政省へ入省、キャリア官僚として順調に昇進を重ね令和元年7月に総務省事務次官に就任したものである。元次官は、内部監査に対して情報の漏洩を認めて謝罪したものの、動機については口を噤んでいるそうであるが、情報漏洩先が日本郵政の鈴木康雄上級副社長で、2人は郵政省の先輩・後輩の関係とされていることから、退職後における糊口が主な動機であろうことは明白である。旧郵政省出身の高級幹部が日本郵政の経営陣に天下りしているのも驚きである。公務員の天下りは国家公務員法で「退職前5年間に在職していた国の機関などと「密接な関係」にある営利企業への再就職を退職後2年間」は禁じられているので、直接の監督関係とはされないものの特別な関係にある関連企業で捨扶持を2年間貰って後、堂々と現職に就いたのであろう。元事務次官は現在63歳であり、2年後に退職するとして65歳、更に2年間さもしく捨扶持を得て67歳になって晴れて日本郵政の経営陣に加わるというシナリオであったのだろうか。役人のトップまで上り詰め・功成り名を遂げた人間が、たかだか20年生きるための見返りに情報を漏洩するとは。ここ1・2週間の間に、国威を損なう最大の要因はエリートが倫理観を失うことと、選良が利敵行為に奔ることと度々書いてきたが、その中でも情報漏洩・守秘義務欠如は度し難い利敵行為であると思う。元事務次官はIT分野を得意とし5G通信整備の中心人物とされているが、情報管理と守秘に脇が甘い体質ではファーウェイ等からの甘言と誘惑を受けて利敵行為を犯していなかったのかと心配になる。

 停職3か月の行政処分を科したものの、即日退職を認めた高市早苗総務相にも不満が残る。高市大臣は松下政経塾を経てアメリカ議会や委員会のスタッフ(民主党)として研鑽を摘まれた後に帰国して政界進出、以後、無所属→自由党→自由改革連合→新進党→自民党と渡り歩いたが、党利党略に捉われない安全保障に関する姿勢と言動が一貫しているために、女性宰相の最有力候補と観ていた。しかしながら、25年近く永田町に住んで霞ヶ関との交誼を重ねるうちに、牙はすり減って往年の鋭さが鈍ってきたのではないだろうか。かっての高市氏であれば、元次官の行政処分にも停職などではなく免職としたかもしれないし、少なくとも動機やOBとの癒着を解明したであろうが、一片の謝罪のみで放免したのは返す返すも残念である。