ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

ラスベガスをぶっつぶせ

2009年02月09日 | 映画レビュー
 「ほお、そう来るか」と思わずにやりとするラスト。なかなか爽快感があってよろしい。ばくちはいけませんよ、バクチは。実話が元になっているというが、相当脚色されているのではなかろうか。ケヴィン・スペイシーが相変わらずうまくて、とっても憎たらしい強欲大学教授を好演。

 さて物語は。
 MIT(マサチューセッツ工科大学)の優秀な学生ベン・キャンベルは、数学の天才だ。その才能を見込まれて、教授をボスとするいかさまカード・ゲーム団が結成される。学生たちは変装してラスベガスに乗り込み、チームプレイと数学の計算によって次々とゲームをものにする。やがてはラスベガスのカジノに大損害を与えるほどの存在になったが、そうは問屋が卸さないのがこの世界。さて彼らの行方は…?

 カード・ゲームのブラックジャックは、記憶力と計算能力が優れていれば確実に勝てるもののようだ。しかもそのうえチームを組んでインチキをやれば百戦百勝。カードゲームの場面を緊張感たっぷりのエンタメに演出するのはかなり難しい。「007 カジノロワイヤル」もカードゲームの場面のテンポが悪くなっていたようだが、やはりこの映画でもそのあたりは観客を退屈させない演出に苦労している様子がうかがえる。

 バクチで大もうけしてもそんなことでは世渡りはうまくいきません。最初は学費稼ぎのつもりだったものがゲームの魔力に負けて取り憑かれていくベンは破滅への道を行く…。しかししかし! このラストのまとめ方がエンタメ作としての面白さだ。実話ではこうはゆくまい。というわけで、途中は予想通りの展開でいまいちダレかけたけれど、ラストで思わずうなってしまったので、合格点。(レンタルDVD)

-------------
ラスベガスをぶっつぶ
アメリカ、2008年、上映時間 122分
監督: ロバート・ルケティック、製作: デイナ・ブルネッティ、ケヴィン・スペイシー、マイケル・デ・ルカ、原作: ベン・メズリック、脚本: ピーター・スタインフェルド、アラン・ローブ、音楽: デヴィッド・サーディ
出演: ジム・スタージェス、ケイト・ボスワース、ローレンス・フィッシュバーン、ケヴィン・スペイシー、アーロン・ヨー、ライザ・ラピラ、ジェイコブ・ピッツ