ピピのシネマな日々:吟遊旅人のつれづれ

歌って踊れる図書館司書の映画三昧の日々を綴ります。たまに読書日記も。2007年3月以前の映画日記はHPに掲載。

憲法を変えて戦争へ行かないために

2005年11月20日 | 読書
 内田樹さんが17日のブログで「動物園の平和を嘉す」と題して憲法擁護論を書いておられる。http://blog.tatsuru.com/archives/001375.php


 まったく同感。平和ボケしているほうが、戦争で緊張するよりずっといいとおっしゃる内田さんの意見にわたしも賛成する。ただ、逆に言えば、自分たちさえ平和にボケていられればそれでいいという考えがもし内田さんにあるなら(そうは書いておられないが)、それもどうかなと思う。だいたいが、このグローバル化した世の中で、一国だけで平和にボケていられることなどないはずだ。


 内田さんのブログを読んで思い出したのが少し前に読んだこの本。
 岩波の本だから、いつもの護憲論かと思ったが、執筆者を見てその幅広い人選にびっくりした。

 井筒和幸, 井上ひさし, 香山リカ, 姜尚中, 木村裕一, 黒柳徹子, 猿谷要, 品川正治, 辛酸なめ子, 田島征三, 中村哲, 半藤一利, ピーコ, 松本侑子, 美輪明宏, 森永卓郎, 吉永小百合, 渡辺えり子

 この手の本だと、書くのはたいてい左翼リベラル派の人々なのだが、一見「反戦」とは無関係なような芸能人やら財界人やらも名前を連ねている。ほとんどの人々が「自分の言葉」で戦争に対する思いをつづっていることに共感した。安くて薄い本だから、手軽にすぐ読める。ぜひ大勢の人に買ってほしいと思う。

<書誌情報>
 憲法を変えて戦争へ行こうという世の中にしないための18人の発言
 井筒和幸 [ほか著]. 岩波書店, 2005.(岩波ブックレット ; No.657)