「パイレーツ・オブ・カリビアン／デッドマンズ・チェスト」

知り合いのおねえちゃんに誘われ「パイレーツ・オブ・カリビアン／デッドマンズ・チェスト」を鑑賞。彼女はジョニー・デップの大ファンで、彼の出演している作品は殆ど観ているらしい。前作の「パイレーツ・オブ・カリビアン／呪われた海賊たち」も未見だし、内容的にも余り惹かれるものが無かったので、積極的に観たいという思いが在った訳ではない。単に暇だったのと、「付き合ってくれたら、夕食を奢って上げる。」という彼女の言葉に乗せられてというさもしくも不純な動機での鑑賞。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
前作で、不死の海賊バルボッサからブラックパール号を奪い返した孤高の海賊ジャック・スパロウ（ジョニー・デップ）。意気揚々と大海原に繰り出した彼だったが、その脳裏には１３年前の”契約”がちらついていた。

１３年前、船乗り達が最も恐れる“深海の悪霊”ディヴィ・ジョーンズ（ビル・ナイ）と「ブラックパール号の船長になれるのならば、自らの魂を引き換えても良い。」”血の契約”をジャックは交わしていたのだ。

そして、その契約期間は終わり、ジャックの魂を取り立てる為、巨大な闇の力が海底を蠢いていた。“悪魔の裏もかく事の出来る男”と称されたジャックだが、今度ばかりは彼の命運も尽きようとしていた・・・。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以前、第一作の「スクリーム」という作品を見ずに、第二作の「スクリーム２」を友人に誘われるがままに観に行った事が在る。この作品はホラー・サスペンスだった為、まあ前作を知らずともストーリーを追う事は出来たのだが、それでも前作を見ている人物ならば笑えるシーンが、自分には全く何の事やら判らずに当惑したものだった。今回の「パイレーツ・オブ・カリビアン」、前作のストーリーを知らずに観ると判り辛い点では、「ストリーム２」以上だった様に思う。こういうシリーズ物が、途中から観た人を惹き込めるかどうかは、内容がかなり魅力的で無いと厳しいだろう。

この作品のファンの方には申し訳無いが、自分は途中で寝てしまった。中年と称される年齢になって以降、どうも長時間の作品が不得手となって来た。そもそも２時間３１分という上映時間が自分には長過ぎたし、前作を知らないのでストーリーを追うのがやや億劫だったのは確かかと。

でも、ディヴィ・ジョーンズやビル・ターナー（ステラン・スカルスゲールド）を始めとした悪霊達の特殊メークは見応えが在る。タコの足が顔に張り付いてヌメヌメと動く様等は、一体どうやって撮影したのかと興味が湧いてしまう。又、転がり落ちる巨大水車の中や上で、ジャック達がチャンチャンバラバラと闘う等、ハードなアクション・シーンも満載で、これも見応えが在った。

それにしてもジョニー・デップは、「シザーハンズ」の”両手ハサミ男”や「チャーリーとチョコレート工場」の”白塗り男”等、癖の強い役どころが妙に似合う。今回の作品でウィル・ターナー役を演じているオーランド・ブルームの方が個人的にはイケメン度が高い様に思っているが、ジョニー・デップもそもそもはかなりのイケメンなのに、「何故そこ迄、端正なマスクを崩すのか？」と余計な御世話ながら感じてしまう。

作品の総合評価は、やや冗長に思える点を差し引いて星３つ。「ゲド戦記」よりは間違いなく面白かった。