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「国道の陥没・空洞10年間で1,100件超、『破損管に土砂』44%・・・『1km内で複数』半数近く」(7月27日、読売新聞)
全国の国道で2015年~2024年度の10年間に見付かった陥没・空洞は計1,100件超に上り、其の4割強が半年前の埼玉県八潮市の道路陥没事故の様に、埋設管等の破損による土砂の「吸い込み」で起きていた事が読売新聞のデータ分析で判った。地盤の締め固め不足等の「施工不良」も約2割に上った。更に、1km以内で複数起きているケースが半数近く在る事も判明。専門家は、国による維持管理の強化の必要性を指摘している。
読売新聞は、国直轄の国道(約2万4000キロ)を管理する国土交通省の8地方整備局と北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局に情報公開請求を行い、2015年度以降の10年間に見付かった陥没・空洞の発生日時、場所、規模、原因、修理方法等を記録した調書を収集、分析した。調書は未作成だが、公表されている事例も加えた。
其の結果、陥没・空洞は少なくとも計1,157件(陥没730件、空洞427件)在り、都道府県別では高知78件、石川63件、鳥取62件、千葉59件、島根55件の順で多かった。
原因別では、埋設管の腐食・破損や接合部の劣化により周囲の土砂が管に流れ込み、地下に空洞が生じる「吸い込み」が509件(44%)に上った。「施工不良」は259件(22%)で、其の大半が道路建設時や管路埋設時の地盤の締め固め不足だった。吸い込み、施工不良以外では、木の根の腐食、周辺の斜面の崩壊、地震や台風等が計276件(24%)在った。
同じ路線の1km以内で別の陥没・空洞が起きている事例は、全体の4割強(521件)を占めた。埼玉県越谷市に在る国道4号の「大間野交差点」では2022年~2024年、同じ排水管の腐食・破損による陥没が計3件発生していた。
今回の分析結果を受け、国交省幹部は「国として道路下の陥没・空洞の実態を充分掴めていないのが現状で、早急に調査すると共に、道路下の状況を早期把握出来る体制作りを進める。」としている。
道路陥没に詳しい桑野玲子・東京大教授(地盤工学)は、「国道は災害時の緊急輸送路に指定されている所も多く、陥没のリスクを放置すれば、地震時に頻発して救助や支援が遅れる危険も在る。国は地下インフラの管理者と連携して、国道の維持管理の体制を強化する必要が在る。」と指摘する。
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以前にも書いたと思うが、「日本では高度経済成長期(1955年~1973年)に、国を挙げて大規模なインフラ整備が進められ、其の一環として多くの水道管が埋設された。水道管の設計上の耐用年数は『40年』とされているので、其の間に埋設された物の殆どは耐用年数を超えており、何時破損等をしてもおかしくない状況に在る。」のだ。
で、国交省によれば「国内で耐用年数を超えて設置されている水道管は地球4周分(約17万km)を超えているが、水道管の交換費用は1km当たり約2億円と莫大な費用が掛かるので、中々交換が進んでいない。」との事。
「埼玉県八潮市の道路陥没事故」の様な悲劇を繰り返さない為にも、莫大な費用が掛かろうとも"必要最低限の対策"を早急に取る必要が在る。「AIを駆使する事で、時間とコストを圧縮して、水道管等の劣化予測・診断サーヴィスを行う。」というFracta Japan(フラクタジャパン)の「AI管路劣化診断<AIEyes>」を利用する等、打てる手は色々在る。
この件に関連して今朝のNHKニュースでも取り上げていました。
最終的な工事完了に5~7年かかるというのも驚きでしたが、(私の聴き間違いでなければ)周辺住民からの下水臭の苦情に、市では「補償はしない」としているとか。
全国的に老朽化が進んでいるのに更新が追い付かないという事情があるのは分かりますが、少なくとも住民側に非ががあるわけではないのに、被害に対して「補償しない」というのはいかがなものか。
自宅の近所でこういう事態が起きた時を考えると、他人事ながらなんか腹が立ってきました。
本当に暑いですね。先週、北海道では40度に迫る気温を記録し、当日は沖縄県よりも気温が高かったとか。気圧配置の関係も在るのでしょうが、こういうニュースを見聞すると「地球がおかしく成って来てるなあ。」と思えて成りません。
余りの暑さも在ってか、例年の此の時期に比べると「路上で干乾びている蚯蚓や蝉の死骸を、やけに見掛ける。」気がします。
此れだけ暑いと「学校の教室にクーラーが設置されている。」というのも「そうだろうな。」と感じる一方で、通学中の小学生が日傘を差して歩いているのを見掛けると一瞬「えっ!」と感じてしまう。時代は変わっているんですね。
「最終的な工事完了に5年~7年掛かる。」というのは、自分も驚きです。と言っても、恐らくは悠々遊様とは違った意味での驚きに成ると思いますが、自分の場合は「そんなに早く完了するの!?」という驚き。コスト面や人員面等を考え合わせると、もっともっと時間を要すると思っていました。
明らかに住民側に非が在る場合は別ですが、生活インフラの避け難い不具合に関しては、国や地方自治体による"最低限の補償"は在って欲しいですね。「個人の敷地内に在るから。」という理由は判らないでも無いけれど、「敷地内の劣化した下水道管の取り換えを、全て個人で賄え!」というのは何か納得が行きません。裏金で私腹を肥やしたり、訳の判らない箱物を作ったり、将又、トランプ大統領に理不尽な金銭を巻き上げられたりする位なら、自国民にとって有意義な使い方をして貰いたい。と言って、自分は決して「ゴリゴリの日本人ファースト主義者」では在りませんが。