昨日、衆議院議員選挙が公示されました。
今回は小選挙区で289と比例区で176の合計465議席を1180人の候補者で争う事になりました。
衆議院議員選挙の今の制度を「小選挙区比例代表並立制」と言います。
小選挙区は日本全国を289に分けて、その中から一番得票が多かった候補が当選となります。ですので配分は289議席。
比例区は政党ごとに争われ、全国を11のブロック(九州・四国・中国・近畿・東海・北信越・南関東・東京・北関東・東北・北海道)に分け人口比で各ブロックの議席が配分され、その合計が176議席です。それを得票率により各党に配分されます。
ここからが分かりにくい点になるのですが、小選挙区と比例区は重複立候補が出来ます。要するに小選挙区で2位以下になっても比例区で当選の可能性があるという事。これを比例復活と言います。
そして比例区は党の意向で比例名簿に順位をつける事が出来ます。そして複数の候補者を同じ順位にして、小選挙区の成績の良かった候補者から優先して当選させるという事も出来ます。
さて、難しくなってきましたね。
例を挙げて説明しましょう。
例えばA党の比例九州ブロック(定数20)名簿を小選挙区にも立候補している全ての候補を1位に並べたとします。
A党は10%の得票率で2議席を獲得したとする。この場合は小選挙区で落選した候補の中から惜敗率(当選した候補に対して何%の得票があったか)の高い者二人が比例区当選者となります。
もしA党がこの名簿の順位を1位に単独の候補とし、2位にその他全員を並べた場合は、2位名簿の中から一番惜敗率が高かった候補と1位の候補が当選となります。
この際に一つだけ条件がありまして、小選挙区に立候補している場合は当該選挙区の有効投票数の10分の1未満(供託金没収ライン)の票しか得られなかった場合は比例区当選は出来ない事になっております。
各党いろいろと戦略があって、1位を横並びにしたり2位を横並びにしたり、共産党なんかはしっかり固定で順位をつけるような事をしています。
今回も共産党から京都1区で立候補している穀田恵二氏は中選挙区時代に選挙区当選した事がありますが、小選挙区になってからは全て比例復活で7回も当選を重ねるという「ミスター比例復活」(僕が命名しました)と言ってもよい存在です。この方は毎回比例名簿が単独1位(今回と前回しか調べてませんが)らしく、選挙をやる前から99%当選が決まってるという、ある意味では強烈な既得権益者ですね。
自民党や昔の民主党なんかは選挙区でたくさんの当選者が出た場合に備えて、横並び同順位の候補者群の後ろに更に候補者を並べるようなことをしてます。30位とか40位とかまで。
ごそっと選挙区で当選すると配分された議席に対して候補者が足りないなんてことが2009年の政権交代選挙で民主党に起きた事があります。
さて、この比例復活の制度にはかなり批判がありますが、僕の考えとしては比例区を置く限りは有効な手段だと考えます。
小選挙区はどうしても死票が多くなってしまいます。
例えば4人の候補が激戦を繰り広げた場合は得票率が30%以下でも選挙区で当選する事があり得ます。比例復活が出来ないなら、そのようなケースでは70%以上が死票となります。しかし比例復活の制度があれば他にもこの選挙区から当選者が出るはずなので、死票は減らす事が出来ます。
比例復活を認めない制度にすると自ずと比例名簿は全て党が順位をつける事になります。小選挙区の得票が無い人ばかりになるので惜敗率で優劣を決める事が出来ませんから。少しでも民意を反映させるには比例復活という制度は必要だと考えます。
ちなみに比例区は政党ごとに議席を争うので、無所属では参加出来ない事になっております。
ではここで原田私案に移りたいと思います。
そもそも小選挙区比例代表並立制というのは二大政党制に近づけたいという思いと、しかしながら小さな党の事も無視できないという理由から選択されていると思われます。
一人しか当選出来ない選挙区には小さな党が単独で議席を獲得する事は困難となる。だから比例区を作る事で僅か数%の得票でも議席を確保できるようにしている。という理由からです。
しかし、日本に二大政党制が必要なのでしょうか?これまで20年以上この制度で衆議院議員選挙をやってきて、やっぱり自民党一強になっているという現実があります。
世界の主要国で二大政党制の国はアメリカとニュージーランドくらいしか無いとか?
その他の国は常に複数の政党が連立して政権を担っています。
僕は今の比例ブロックの11を使った中選挙区制にする事が良いのではと考えています。
特に11には拘りませんが、今ある制度をそのまま使えるという意味でなんで、これが8とか15とかに増減するのは問題ありません。
ではこの制度のメリットとは?
たくさんありますねぇ。
まずは死票が少ないのと一票の格差をほとんど無くす事が出来ます。
そして一番大きいのは人物で選べる事。
今の小選挙区制では二人しか候補者がいないという例も普通にある事です。
公明党vs共産党の一騎討ちなんてどちらにも投票したくないわって有権者が、これまでたくさん存在したはずです。特に近畿圏では。今回は兵庫に一つだけのようですが。
公明党の候補がいる選挙区には維新の会は候補を立てない事になっているので、その選挙区の維新支持者の方は「どこに投票せいっちゅうねん!」と思っているはずです。
さて話を戻しまして、この制度だと定数が10前後から30くらいまでになるので、投票したい人がいないなんて事はなくなるでしょう。
もう一つ僕はかなり重要だと考えている、代議士による地元への利益誘導が減るだろうという事。これは地元の範囲が広がるので対応しきれなくなるからです。
そもそも国会議員とは国の制度作りを担う為に存在するのであって、地方の事は地方議員や首長に任せておけばいいはずです。
この点は僕の持論なのでかなり重要だと考えます。
そして中選挙区制のデメリットと言われたお金がかかるという問題も公職選挙法の作り方次第でどうにでも規制できるものと思われます。選挙区が広すぎてバラまくのにも限界があるはず。
という事で、持論を恥ずかし気も無く述べてきましたが、あくまで素人の一案とご理解の上、問題点にお気付きの方には是非ご指摘を頂きたいと存じます。
今日の投稿は政治に疎いと感じている方にも読み易い内容に出来たのではと思っております。
たくさんの方に読んで頂けるよう、タイトルはこれから考えるとします。
今回は小選挙区で289と比例区で176の合計465議席を1180人の候補者で争う事になりました。
衆議院議員選挙の今の制度を「小選挙区比例代表並立制」と言います。
小選挙区は日本全国を289に分けて、その中から一番得票が多かった候補が当選となります。ですので配分は289議席。
比例区は政党ごとに争われ、全国を11のブロック(九州・四国・中国・近畿・東海・北信越・南関東・東京・北関東・東北・北海道)に分け人口比で各ブロックの議席が配分され、その合計が176議席です。それを得票率により各党に配分されます。
ここからが分かりにくい点になるのですが、小選挙区と比例区は重複立候補が出来ます。要するに小選挙区で2位以下になっても比例区で当選の可能性があるという事。これを比例復活と言います。
そして比例区は党の意向で比例名簿に順位をつける事が出来ます。そして複数の候補者を同じ順位にして、小選挙区の成績の良かった候補者から優先して当選させるという事も出来ます。
さて、難しくなってきましたね。
例を挙げて説明しましょう。
例えばA党の比例九州ブロック(定数20)名簿を小選挙区にも立候補している全ての候補を1位に並べたとします。
A党は10%の得票率で2議席を獲得したとする。この場合は小選挙区で落選した候補の中から惜敗率(当選した候補に対して何%の得票があったか)の高い者二人が比例区当選者となります。
もしA党がこの名簿の順位を1位に単独の候補とし、2位にその他全員を並べた場合は、2位名簿の中から一番惜敗率が高かった候補と1位の候補が当選となります。
この際に一つだけ条件がありまして、小選挙区に立候補している場合は当該選挙区の有効投票数の10分の1未満(供託金没収ライン)の票しか得られなかった場合は比例区当選は出来ない事になっております。
各党いろいろと戦略があって、1位を横並びにしたり2位を横並びにしたり、共産党なんかはしっかり固定で順位をつけるような事をしています。
今回も共産党から京都1区で立候補している穀田恵二氏は中選挙区時代に選挙区当選した事がありますが、小選挙区になってからは全て比例復活で7回も当選を重ねるという「ミスター比例復活」(僕が命名しました)と言ってもよい存在です。この方は毎回比例名簿が単独1位(今回と前回しか調べてませんが)らしく、選挙をやる前から99%当選が決まってるという、ある意味では強烈な既得権益者ですね。
自民党や昔の民主党なんかは選挙区でたくさんの当選者が出た場合に備えて、横並び同順位の候補者群の後ろに更に候補者を並べるようなことをしてます。30位とか40位とかまで。
ごそっと選挙区で当選すると配分された議席に対して候補者が足りないなんてことが2009年の政権交代選挙で民主党に起きた事があります。
さて、この比例復活の制度にはかなり批判がありますが、僕の考えとしては比例区を置く限りは有効な手段だと考えます。
小選挙区はどうしても死票が多くなってしまいます。
例えば4人の候補が激戦を繰り広げた場合は得票率が30%以下でも選挙区で当選する事があり得ます。比例復活が出来ないなら、そのようなケースでは70%以上が死票となります。しかし比例復活の制度があれば他にもこの選挙区から当選者が出るはずなので、死票は減らす事が出来ます。
比例復活を認めない制度にすると自ずと比例名簿は全て党が順位をつける事になります。小選挙区の得票が無い人ばかりになるので惜敗率で優劣を決める事が出来ませんから。少しでも民意を反映させるには比例復活という制度は必要だと考えます。
ちなみに比例区は政党ごとに議席を争うので、無所属では参加出来ない事になっております。
ではここで原田私案に移りたいと思います。
そもそも小選挙区比例代表並立制というのは二大政党制に近づけたいという思いと、しかしながら小さな党の事も無視できないという理由から選択されていると思われます。
一人しか当選出来ない選挙区には小さな党が単独で議席を獲得する事は困難となる。だから比例区を作る事で僅か数%の得票でも議席を確保できるようにしている。という理由からです。
しかし、日本に二大政党制が必要なのでしょうか?これまで20年以上この制度で衆議院議員選挙をやってきて、やっぱり自民党一強になっているという現実があります。
世界の主要国で二大政党制の国はアメリカとニュージーランドくらいしか無いとか?
その他の国は常に複数の政党が連立して政権を担っています。
僕は今の比例ブロックの11を使った中選挙区制にする事が良いのではと考えています。
特に11には拘りませんが、今ある制度をそのまま使えるという意味でなんで、これが8とか15とかに増減するのは問題ありません。
ではこの制度のメリットとは?
たくさんありますねぇ。
まずは死票が少ないのと一票の格差をほとんど無くす事が出来ます。
そして一番大きいのは人物で選べる事。
今の小選挙区制では二人しか候補者がいないという例も普通にある事です。
公明党vs共産党の一騎討ちなんてどちらにも投票したくないわって有権者が、これまでたくさん存在したはずです。特に近畿圏では。今回は兵庫に一つだけのようですが。
公明党の候補がいる選挙区には維新の会は候補を立てない事になっているので、その選挙区の維新支持者の方は「どこに投票せいっちゅうねん!」と思っているはずです。
さて話を戻しまして、この制度だと定数が10前後から30くらいまでになるので、投票したい人がいないなんて事はなくなるでしょう。
もう一つ僕はかなり重要だと考えている、代議士による地元への利益誘導が減るだろうという事。これは地元の範囲が広がるので対応しきれなくなるからです。
そもそも国会議員とは国の制度作りを担う為に存在するのであって、地方の事は地方議員や首長に任せておけばいいはずです。
この点は僕の持論なのでかなり重要だと考えます。
そして中選挙区制のデメリットと言われたお金がかかるという問題も公職選挙法の作り方次第でどうにでも規制できるものと思われます。選挙区が広すぎてバラまくのにも限界があるはず。
という事で、持論を恥ずかし気も無く述べてきましたが、あくまで素人の一案とご理解の上、問題点にお気付きの方には是非ご指摘を頂きたいと存じます。
今日の投稿は政治に疎いと感じている方にも読み易い内容に出来たのではと思っております。
たくさんの方に読んで頂けるよう、タイトルはこれから考えるとします。
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