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参議院定数増法案について。ここはプラカードと審議拒否の出番では⁉︎

2018-06-15 18:45:48 | 政治
数日前にfacebookでも取り上げました参議院定数増法案ですが、まさかの成立への流れになるというニュースが出てきました。

まずはニュース記事を全文引用します。

<国会>自民などの参院定数「6増」法案、成立の公算大

自民党と無所属クラブは14日、参院の定数を「6増」し、比例代表の一部に拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案を国会に提出した。野党のほとんどは法案に反対しているが、公明党が容認する見通しで、20日までの会期を延長する今国会で成立する公算が大きくなった。

 自民がまとめた同法改正案は、埼玉選挙区の定数を6から8に増やして「1票の格差」を最大3倍未満に抑制する。また、比例代表の定数を4増やし、現行制度の非拘束名簿式に加えて、「特定枠」として拘束名簿式を一部導入する。「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区対象県で選挙区の候補者になれなかった人を、比例代表の名簿順位で優遇して救済する狙いがある。

 参院各会派は14日、国会内で参院選挙制度改革を巡る代表者懇談会を開いた。しかし、自民の同法改正案に対し、野党から反対が相次ぎ、伊達忠一参院議長は「国会の会期末が迫っている」と議論を打ち切った。懇談会後、自民は賛同する無所属クラブ(2人)と同法改正案を共同提出。早ければ来週にも参院で審議入りさせる考えだ。


ここまで引用でした。

現在の国会議員の定数は衆議院465参議院242です。
僕が中学時代に授業で初めて習った時は衆議院512参議院252でした。
調べてみるとこの頃が日本国憲法下では国会議員の数が一番多かったようです。

その頃から比べて衆議院で47参議院で10の定数削減がされてきたのですが、ここでまさかの定数増の法案が出る事自体にビックリしてたところで可決への流れって、俄かには信じられない思いです。

ニュース記事をよく見てみると不自然な点がたくさんありますよね。

もう一度要点を引用します。

埼玉選挙区の定数を6から8に増やして「1票の格差」を最大3倍未満に抑制する。また、比例代表の定数を4増やし、現行制度の非拘束名簿式に加えて、「特定枠」として拘束名簿式を一部導入する。「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区対象県で選挙区の候補者になれなかった人を、比例代表の名簿順位で優遇して救済する狙いがある。

これが法案の要旨ですが、ツッコミどころ満載です。

何故6増なのか?埼玉県選挙区を現行の6から8にして比例代表を4増やす理由は?

まず埼玉県選挙区は最も一票が軽い(定数1あたりの有権者数が多い)選挙区になっているのでこれを改善してやれば単純に一票の格差は少し改善されます。しかし何故1増でなく2増なのか?これは参議院議員は6年任期ですが半数ずつ改選されるので、一度の選挙にそれぞれ1増ずつで2増ということ。

なんか違和感ありますよね?半数ずつ改選すれば国会議員が全員いなくなるリスクがないのは分かりますが、二回とも同じ選挙をする必要はないはず。それをするから全選挙区の定数が偶数になって、そもそも鳥取・島根と徳島・高知の合区も必要なかったはずです。

比例代表を4増やすというのは分かりやすく上記の合区地域で前回選挙より減らされた分だけ増やして、該当する候補者を救済するため。そもそも救済って何やねん(怒)これぞ自分たちの権益を守る行為。

比例代表の当選者の決定に関しては衆議院は政党が順番を決められる拘束名簿式で、参議院は得票数が多い順に決まる非拘束名簿式となっています。

これもわざわざ「救済」のために拘束名簿式を「一部」導入するらしい。

最後の部分に「優遇して救済する狙いがある」とも書いてありますね。ここは記事を作った毎日新聞の見解ですけど間違いない事実であり、全てが「一票の格差是正」の大義名分の下に自分たちの権益を守るためのものであり、全く合理性の無い法案だと言えます。

では何故このような法案が出るのか、しかも通るのか?

自民党としては選挙区定数を減らされるのは該当する選挙区の議員ないし支部長(次の選挙の立候補予定者)の身分保障をする必要があるので困ります。まさに今回の事例はこれです。

野党の立場としては小さな政党になるほど選挙区での当選は叶わないので比例代表の定数を減らされると困る。

要するに自民党は自分たちの権益を守るために比例代表の定数を増やして野党に協力を求めるという事。

そこでこれから起こる事を予想してみます。

今のところ全ての野党は反対を表明してますが、おそらく維新以外の野党はそのフリだけで強く反対はしないでしょう。

必殺のプラカードとか審議拒否が炸裂する事はないかと。

こうやってシワ寄せは国民に来るわけですね。国会議員一人当たりの経費が1億円と言われるので年間6億円が。

国民一人あたりにするとたった年間5円かもしれませんが、そういう問題ではなく、税金で報酬を得て生活をするものがこのような振舞いでは国民に示しがつかない。しかも政治家はその制度を作る側の人間である。

ますます自民党には内政は任せられないなぁという思いです。

安倍総理と公明党にもガッカリ。

安倍総理はそもそもこのような法案には関心がないはずですが、この秋に総裁選を控える身としてはあまり自民党内に軋轢を生むような事は出来ない。この辺りが議院内閣制における総理大臣の限界かなぁと、残念な思いです。

公明党は定数が増えるならまぁいいかくらいに考えてるんでしょうか?国民の半数が変えるべきと思っている憲法9条改正にブレーキを踏んで、ほとんどの国民が良く思わないこの法案を止められないならブレーキ役は失格です。

本気で一票の格差をゼロに近づけようと思うならば今の47都道府県を選挙区とする方式に比例代表を並立させるのは無理があります。国の代表を選ぶのに都道府県ごとに選ぶ合理性がありません。

全国比例にすればタレント議員みたいな人が増えるのでさすがに問題アリですから、衆議院の比例代表のように全国を12くらいのブロックに分けて20人程度の当選者を出す方式にすれば解決する話なんですけど...

自分たちの権益を守るためにある自民党には出来ない改革なんですよね。

仕事の関係で自民党を支持している人には言いませんが、何となく自民党に投票している人はよく考えて投票して頂きたいと思います。

選挙区事情で他に入れられない場合もあると思いますが、白票でも立派な投票だと思います。

僕もこれまで何となく自民党候補に入れた事がありますが、これからは人物を評価出来る人以外には控えるようにします。

そういえば、近々滋賀県では選挙があります。初めて白票を入れる事になるかもしれません。

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