「三役って、俺たちのことか?」
「だろうな」
「三匹いるから、相撲の三役に例えたんだろ」
「俺たちゃ力士か?」
「俺たちを集めて、ご主人は何を書こうとしているんだ?」
「さあ…」
「でも、俺たちが集まるのは今日が初めてだよな」
「俺はポチって言うんだが、お前は?」
「え?俺もポチだぜ」
「俺だってポチだよ」
「何だよ、全員ポチかよ。紛らわしいな」
「”ワン”パターンだな」
「…それって駄洒落か?」
「ポチ!って呼ばれたら誰が返事するんだ?」
「呼ばれたって、返事ができない。近寄っても行けない」
「だな…」
「じゃあ、同じ名前でもいいか」
「だけど、ポチなんて古臭い名前だよな。花咲爺さんの時代だぜ」
「裏の畑でポチが鳴くってか?」
「名付け親の素質はなさそうだな」
「普通は違う名前にするだろ?何考えてるんだろうな」
「何も考えてないから同じ名前なんじゃないのか?」
「ご主人のポリシーだそうだ。犬は柴、名前はポチ。これで決まりってね」
「柴?お前たちは柴だけど、俺はミニチュア・ダックスだぜ」
「ポリシーなんて偉そうなこと言っても、所詮そんな程度なのさ」
「要するに節操がないってことだな」
「ところで、ぬいぐるみよ。お前はここに来たばかりだよな」
「ああ、先週だ」
「どこから来たんだ?」
「松本の眼鏡屋だよ」
「最近の眼鏡屋はぬいぐるみも売っているのか?」
「俺の仕事はこういうことさ」
「げっ!お前は眼鏡を食うのか?」
「食うか!眼鏡スタンドだよ」
「それで蝦蟇口みたいに口がでかいのか」
「ほれ、こういうこともできるんだぜ」
「ほお~。お前、ご主人の仕事を手伝ってやったら?」
「ここだけの話だがな。実は俺の方が絵は上手いんだ」
「しっ!声が大きい。聞こえるぞ」
「木彫はどこから来たんだ?」
「松本の人形作家の作品なんだ。ご主人の知人からのプレゼントでここに来た」
「ガラスはどこから来たんだ?」
「俺はSUWAガラスの里ってところだ。諏訪湖畔にあるガラス工房なんだ」
「ところで、最初の疑問に戻るが、ご主人はなんでこの記事を書いているんだ?」
「さあ…」
「何か意味があるのか?」
「さあ…」
「こんな記事を書いてていいのか?暇なのか?」
「ちょっと息抜きがしたいんだと」
「忙しかったのか?」
「ここんとこ仕事に集中していて記事を書いていなかっただろ?」
「4、5日前に書いてたじゃないか」
「あれは政治家の放言にブチ切れして思わず書いてしまったんだそうだ。えらく怒ってたからな」
「書いてスッキリしたんじゃないのか?」
「不味いものを食べて胸焼けしてるような気分なんだそうだ」
「へえ、それで口直しってことか」
「口直し?俺たちゃドルチェか?」
「ドルチェさ」
「は?木とガラスと布だぜ。煮ても焼いても不味くて食えんぞ」
「食うためのドルチェじゃない。ここにいるだけでドルチェになるんだそうだ」
「ここにいるだけ?いるだけでいいのか?」
「いるだけでいいのかって、お前には他に何かできるのか?」
「できん…」
「それでいいんだ。俺たちはここにいるだけでいいんだ」
「ふ~ん。人間って変わってるんだな」
「寂しいんだろうよ」
「寂しい?ご主人が?あの顔で?」
「顔はご主人に責任はない。生まれつきだからな」
「おい、そういう話は小声でしろ。ご主人がこっちを睨んでるぞ」
「へえ~。ご主人は寂しいのか」
「人間は、み~んなそういうものらしい」
「ぬいぐるみよ。たまにはご主人に尻尾を振ってやったらどうだ?喜ぶぞ」
「俺(木彫)とガラスは尻尾を振りたくても、硬くて振れないからな」
「無理言うな。布でできているけど、神経も筋肉もないんだ」
「お、そろそろ記事が書きあがるようだぜ」
「じゃあ、俺たち、また持ち場に戻るんだな」
「ああ、お別れだな」
「元気でな。またいつか集まろうぜ。ご主人の気分次第だけどな」
「俺たちだけじゃ集まれないからな」
「じゃあ、みんな!達者でな!」
「で、結局ご主人は何が書きたかったんだ?」
-------------- Ichiro Futatsugi.■
いや、それにしても下の記事の内容、恐れ入りました。 日本の出来事はヤフーやエキサイトのページで項目だけ見て、余程でないと読まないので、復興大臣の移動があったらしい、というのはちらっと見たのですが、内容を知りませんでした。
政治家の放言というよりも、まるでやXざ並み、人間性を疑いますね。そういう人間である、という事は多分知れ渡っていたでしょうに、それでも大臣になれるのですものね!
日本語の大臣「閣下」、このカッカ・caccaという発音、イタリア語ではウXチを意味するのですけど、ご存知でした?
ははは、そう発音してうっぷん晴らしをして下さい!
ポチという名前は、愛らしくて、言いやすくて、いかにもニッポンの犬というイメージがあって好きです。
最も古典的で親しまれている犬の名前がフランス語由来というのは、日本人もなかなかオシャレですね。
我が家では車までポチと呼んでいます。
将来柴犬を飼うのが夢なのですが、たとえそれ以外を飼ったとしてとも、名前はポチで決まりなのです。
古典的名前の、もう一つの代表格「コロ」というのは、コロコロしている様子から来たのでしょうね。
まさかイタリア語のピッコロのコロではないとは思いますが…どうなんでしょうね。
へぇ、caccaという発音、イタリア語ではウ●チを意味するとは知りませんでした。
きっとイタリアでは、喧嘩の時に「このカッカ野郎!」なんて使い方をすることもあるんでしょうね。
これは良いことを教えていただきました。
これからは、ああいう発言をするヤツは「閣下!」とお呼びすることにしましょう。