風色明媚

     ふうしょくめいび : 「二木一郎 日本画 ウェブサイトギャラリー」付属ブログ

2023年 日本画の新作 1 … ランス大聖堂の聖母子像(仕上がり)

2023年05月02日 | 仕事場
フランス東北部の古都ランスにあるノートルダム大聖堂、通称ランス大聖堂。
その玄関入り口の中央柱に据えつけられた聖母子像がモデルです。

ランス大聖堂は、歴代フランス国王の戴冠式が執り行われた由緒を持つ
ゴシック様式の代表的な教会建築の一つです。
その典雅な姿から「ゴシック建築の女王」と讃えられています。

「ノートルダム」は「私達の貴婦人(聖母)」の意味ですから
聖母像は欠くことのできないアイテムです。
数あるノートルダム大聖堂を彩る聖母像の中でも、これが一番気に入っています。

一応仕上がりましたので、途中経過と共にご覧ください。




途中経過1(前回の状態)




鉛筆・ドローイングペン・墨による形の描き起こし。






途中経過2




黒(アイボリーブラック)を併用して更に描き進めます。

聖母子像の左右は玄関の扉なのですが
左だけが開け放たれており、内部空間が広がっています。

薄っすらと見えている内部の構造物などは省略して、全面暗闇にします。
黒一色で空間を感じさせることは、なかなか厄介だと思います。






途中経過3




彩色中。

聖母子像のある柱は、ムードン(白亜)をメインに、黄土・代赭・テールベルトなどを適宜。
右の扉は、黄口本朱・赤口本朱がメイン。

問題の左の開口部は、アイボリーブラックをメインに数種類の黒を使っています。
画面の奥へと黒を浸み込ませるような気持ちで、描き方にも工夫する必要があります。


そして仕上がりです。







◆ 聖冠(せいかん) 日本画 20号 ( 72.7 × 53 cm )










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本日のおまけ

小学生の頃、夢中で観ていた海外のテレビ映画があります。
アメリカの20世紀フォックスが制作した「タイムトンネル」です。

アメリカ・アリゾナ砂漠の地下深くに造られたタイムマシン「タイムトンネル」。
科学者トニー・ニューマン(演:ジェームズ・ダーレン)が独断で時間旅行に旅立ち
彼を助けるために後を追ったダグ・フィリップス(演:ロバート・コルバート)と共に、二人が過去と未来を彷徨う物語です。

日本では1967年にNHKで、全30話の内の28話が放送され
第一回のタイタニック号の遭難から、最終話のインドネシア・クラカタウ火山の大噴火まで
貪るように全部を観た記憶があります。

私にとっては涙が出そうなくらい懐かしいオープニングとエンディングのテーマ曲をどうぞ。





------------- Ichiro Futatsugi.■

コメント (2)
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